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「上手いこと言いたい病」の治療法

「上手いこと言いたい病」になってしまった。文を書くのが得意な人は、一度はかかった経験があるのではないか。

上手いこと言いたい病とは、なにか文章を書くとき、「上手い!と思わせる文を書きたい」「いいこと言ってると思われる言葉を書きたい」といった感情にとらわれる状態を指している。「いい文章を書こう」と思うのは、悪いどころが素晴らしい心がけだ。ただ、「いい文章を書かないと」と思い詰めるあまり、全く書けなくなってしまうときがある。その悪い状態を、私は「上手いこと言いたい病」と呼んでいる。

結婚式で話す原稿を書いているとき、久しぶりにこの病が発症した。祝日だった今日の午後は、何も予定がなかった。日ごろ文章を書いている私なら、問題なく書けるだけの時間があった。それなのに、、、全然かけないまま夜を迎えてしまった。

「上手いこと言いたい病」は、出だしや細かい表現にこだわりすぎてしまう。聴衆をハッとさせる表現が出てくるまで、ぐっと書く手が止まってしまう。とりあえず何か書きだせばいいんだけれど、「上手いこと」が思い浮かばないので進まないのだ。

この病が発症する原因は、自分の素晴らしい文章を披露したいと思う見栄が前に出てしまっている。そのせいで、本来一番気にしないといけない「書く目的」が見えなくなってしまっている。

例えば結婚式の原稿の場合、上手いこと言う以上に、「聞いてくれるゲストに感謝を伝える」が一番の目的だ。感謝さえちゃんと伝わるなら、上手いこと言わなくたっていい。いや上手いこと言おうとして出てきた言葉より、素直に書いた方がよっぽど「上手いこと」に聞こえるんじゃないか……そうやって目的に立ち返っていくと、「上手いこと言いたい病」の症状は軽減される。

そして目的と同じくらい大事なのが、締切りだ。上手いこと言えるかどうか以上に、締め切りを守れなかったら何の意味もない。特に結婚式の原稿は、締め切りは絶対にずらせない……。私は早々に「上手いこと言いたい病」を完治し、早く原稿を仕上げるようにしたい。

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