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【鬼滅の刃】御伽草子と日本昔ばなし。半天狗はこぶとり爺さん
前回の記事で『桃太郎』を書きました。
皆様、お気づきでしょうか?
鬼滅の刃で『御伽草子』があります。
御伽草子
それは
「伊之助御伽草子」です。
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山育ちの伊之助は『金太郎』みたいですね。
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御伽草子とは、
『御伽草子』は、
鎌倉時代末から江戸時代にかけて成立した、それまでにない新規な主題を取り上げた短編の絵入り物語、およびそれらの形式。(略)
お伽草子は、400編超が存在するといわれている。
御伽草子の鬼退治といえば『酒呑童子』『一寸法師』『金太郎』です。
鬼が出てくる『瘤取り爺さん』は鎌倉時代の『宇治拾遺物語』でした。
太宰治も『御伽草子』短編小説集があります。
「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」「舌切雀」の4編を収めています。
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太宰が青年時代からずっと大好きで敬愛していた芥川龍之介がすでに『桃太郎』と『猿蟹合戦』を執筆していたのでこの2つは収録しなかったそうです。
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太宰治は自身の『御伽草子』を「戦下中の日本に娯楽として役に立ててほしい」という願いで書きました。
民衆が慣れ親しんだ「日本昔ばなし」をオマージュとして創作した太宰ですが、
『鬼滅の刃』も令和の鬼退治の御伽草子として何百年経っても、「民主が慣れ親しんだ鬼退治の物語」として次の世代の子どもたちにも親しまれることを願っています。
日本昔ばなし
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ワニ先生のワニってこの『日本昔ばなし』の龍に似てますね(笑)
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ここからは『日本昔ばなし』との関連性を強引にこじつけて紹介しようと思います(笑)
※物語の出版社によって、多少のストーリーに違いはあります。
『こぶとりじいさん』
こぶのついたお爺さんが、鬼と出くわしたのは「こぶが取れますように」とお祈りをしていたお堂でした。
お堂の外で鬼たちが宴会していました。
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炭治郎も、初めて鬼退治をしたのがお堂にいる鬼でした!
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鬼って踊りが大好きなんです!
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鬼舞辻無惨の名前も「鬼が舞う」です(笑)
童磨も趣味は「舞踊」です。
バック演奏は、黒死牟の笛と、鳴女の琵琶と、響凱の鼓で、楽しい宴のどんちゃん騒ぎ♪♪
けれど、無惨様に「つまらん!」と言われたら即アウトですよね!(苦笑)
『こぶとりじいさん』は、ほっぺたに瘤ではなく、半天狗みたいに額についているバージョンもあります
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そして、鬼が出てくるのではなく天狗バージョンもあります。
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こぶのある半天狗は『こぶとりじいさん』からイメージされたかもしれませんね(^^)
『日本昔ばなし』では、天狗も鬼も、恐れられる魔物として扱われていたり、山の神のように扱われていたり、物語によって様々です。
半天狗は恐れられる魔物で、鱗滝さんの天狗は『前鬼や後鬼』にように修行者を見守る山の神のような位置づけだと思いました。
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『前鬼と後鬼』についてはこちらからご覧下さい↓
さらに半天狗のように、隣の家の嘘つきな意地悪爺さんはつきものです。
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『はなさかじいさん』
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その嘘つき爺さんのお話しは『はなさかじいさん』にも出てきます。
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猗窩座(狛治)は、人間の頃、師匠から「狛治の狛は狛犬の字だなぁ。」と言われます。
また、穴を掘って小判を出した「ここほれ ワンワン♪ここほれ ワンワン♪」の犬みたいです。名前はなく作中では「犬」でした。
猗窩座の名前
猗→漢字ひとつで「去勢した犬」
窩→穴
座→おすわり
隣に住む意地悪じいさんは強引に犬を奪って過労死をさせたのですが、
その犬の遺灰を蒔いたら、なんと枯れた桜の木に花が咲いたのでした!
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猗窩座の髪の毛は『はなさかじいさん』の枯れない桜の桜色のピンクですね
(^^)
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狛治は鬼滅学園で烏帽子組です。
金烏帽子というサボテンがありますが、犬の遺灰を蒔いて枯れた花に咲かすように、サボテンの花言葉は「枯れない愛」です。
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そして、恋雪ちゃんの紫陽花組は、恋雪ちゃんの瞳の形が花模様が、白色の紫陽花であるとしすると、「寛容」「一途な愛情」という花言葉です。
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「枯れない愛」の狛治と「寛容で一途な恋」の恋雪ちゃん、凄く2人にピッタリなクラス名にしたのだと思いました。
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『わらしべ長者』
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炭吉さんが「わらしべ長者はちがうかな…」と呆れてます。
『おむすびころりん』
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伊之助が穴に潜ります!
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堕姫が炭治郎のことを「可愛いね 不細工だけど。なんだか愛着湧くな、お前は死にかけの鼠のようだ」言います。
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まるで堕姫自身が、これからネズミを捕らえる猫目線で書かれています!
『おむすびころりん』でも、よくばりな隣の家のお爺さんが、穴に無理矢理おむすびを入れて、猫の鳴き真似「にゃん にゃーん」「ねこがきたぞー!」とねずみを脅し、泥棒をしようとしますが作戦に失敗し、痛い目に合いました。
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『大工と鬼六』
童磨は、自ら無惨様に目玉を捧げようとします。
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鬼は目玉が好きなんだと思いました!!
『大工と鬼六』では、頑丈な橋を作りたい大工さんに、鬼六は「橋を作ってやるから、お前の目玉をもらうぞ」と言います。
鬼の子どもたちが歌います。
♪大きな鬼の、鬼六さん。
♪人間の目玉を、おみやげに。
♪早く帰って、来ておくれ。
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『舌切り雀』
善逸が無意識領域でハサミを持って追い出そうとしたのは、まるで『舌切り雀』の意地悪なお婆さんでした。
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意地悪なお婆さんは、欲張って大きい「つづら」を選び持って帰りました。
すると、大きな「つづら」から妖怪が出てきました!!
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無限城の一コマと似てます↓
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ちょっと似てません??(笑)
『浦島太郎』
妖怪みたいな鬼の中に海の生物みたいな鬼がいます。
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玉壺の血鬼術は、「蠱毒」という中国からの呪禁に似ていますが、虫を操るのではなく玉壺自身が海の生物なので魚を操ります。
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無惨様はまるでサメのようです。
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浦島太郎は亀に乗って海の中の龍宮城に行きました。
龍宮城は、不老不死の世界なので、鬼の無限城と同じです。(『竹取物語』の月と同じで、不老不死の「とこよのくに」と言われてます)
浦島太郎の龍宮城は実は遊郭であったとも言われています。
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乙姫は浦島太郎とずっと龍宮城で暮らしたかったにも関わらず、地上に戻ると裏切られました。
「私と一緒に龍宮城にいるならば歳も取らないであろうに…」と思い、意地悪をして玉手箱を渡したのかもしれません。
浦島太郎は、地上に戻った時には、300年も経っていたので住んでいた家もなく、時代が代わってしまいました。
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黒死牟は「これ程の剣士を拝むのは300年振りか…」と言います。(300年前の縁壱さんのことを指している思われます)
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痣者の剣士は25歳を超えたら、代償によって死んでしまうとされますが、浦島太郎も龍宮城にいた頃の設定年齢は24〜25歳です。
悲鳴嶼さんはなぜ25の年齢を超えても痣が出たのか…
悲鳴嶼さんが縁壱さんのように超越した人で、無限城が龍宮城のように時のない超越した異空間だったからかもしれません。
浦島太郎は地上に戻って、玉手箱を開けてしまいます。
すると箱の中から白い煙が立ちのぼり、あっというまに白髪のおじいさんになってしまったのでした。
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天才縁壱の前では「亀の歩み」だった巌勝(黒死牟)ですが、自ら海の中へ龍宮城(無限城)に入り、不老となりました。
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老人になった浦島太郎は、さらにツルに変身します。そして、カメとなった乙姫とともに、末永く幸せに暮らしました。
「鶴は千年、亀は万年」
私の勝手な解釈なのですが、2人は老いと死を選んで、魂となって末永くお空の天国で幸せに暮らしたと思うのです。
老人になった浦島太郎のことを追いかけて、美しい乙姫は老化を受け入れて海を出て死ぬことを選んだんですね。
煉獄さんが言ってましたよね、
「老いることも、死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」だと。
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煉獄さんはお母さんの死を目の当たりになられ、20歳という若さでそれを悟った心の強さがあります。
与えられた寿命に逆らわず、最後まで懸命に全うする考えです。
日本は超高齢社会になって「延命治療問題」が浮上しますが、私自身は延命を拒否できますが、
いざ愛する息子が事故や病気になった時、「先生!息子を死なせないでください!」と泣きついてしまうと思うんです。
大昔から不老不死とは言わずとも「延命」というのは永遠のテーマですね。
「不老」は手に入れた鬼の無惨様ですが、産屋敷家と太陽が存在する以上「不死」にはならない。
鬼退治と「不滅」を掛け合わせた鬼滅の刃は本当に奥深いですね。
ご一読ありがとうございました(^^)
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