【詩】花とことば
しばらくは花のうえなる月夜かな 芭蕉
(渋谷・金王八幡宮)
花はどこから来てどこへ行くのか
人はどこから来てどこへ行くのか
しばらくは花を楽しんで
しばらくは月を見上げて
夜になれば
朝になれば
すべて
すべて通り過ぎる
ああ、人は
観念の夢のなか
花はただ咲いている
毎瞬、映し出されて
咲いている
花はどこから来たのか
花はどこへ行くのか
どこから来ることもなく
どこへ行くこともない
ことばはどこから来て
ことばはどこへ行くのか
毎瞬毎瞬、映し出されて
今、ここにある
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