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小説 ムメイの花

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連載小説。 主人公は、感情を忘れたムメイ人 アルファ。 彼は「1本の花」を片手に 「自分の答え」を追い求めていく。 人それぞれ違う、生きる意味。
もし、あなたが聞かれたら何と…
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小説「ムメイの花」 #1ムメイの花(目次有り)

空を見上げるとひときわ輝く星がある。 あなたが今、空を見上げて目に留まった明るい星だ。 …

小説「ムメイの花」 #2感情の花

「 おはよう、アルファ。  今日も花を持って立っているのか!  いつ見ても無表情だなあ!ま…

小説「ムメイの花」 #3個性の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 僕の目はぱっちり見開いている。 朝を急ぐ人…

小説「ムメイの花」 #4憧れの花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 家の前に立つことが日課になってから ある視線…

小説「ムメイの花」 #5決意の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 今日は花を分解してみることにした。 分かっ…

小説「ムメイの花」 #6沈黙の花

「なんで黙っているの!」 いきなり朝から大きな声が聞こえた。 どうやら隣の家からのようだ…

小説「ムメイの花」 #7記憶の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 最近、花ばかり見ていると 僕の世界が狭くなっているような気がしている。 僕と黙り続ける1本の花だけで、 世界が完結してしまいそうだ。 「はょぅ……おはよう!アルファ?」 ブラボーが顔を覗き込み僕の肩を叩いた。 「あ、あぁ。おはよう、ブラボー」 今朝はブラボーが近くにいたことにも気がつかなかった。 会話を続けていると カメラのフラッシュを感じた。 カメラを構えたまま、デルタが近づいてくる。 3本の花を持ったチャーリー

小説「ムメイの花」 #8冒険の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 見なければ何も進展しないと思う反面、 答えは…

小説「ムメイの花」 #9本心の花

私の名前はデルタ。 朝の6時。 家を出て、カメラを覗きながら ロケットを望むために設置され…

小説「ムメイの花」 #10 満開の蕾と八分咲きの花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 空を見上げていると ロケットが遠くの方へ消え…

小説「ムメイの花」 #11模倣の花

ボクの名前はチャーリー。 ボクは偉い! だって今朝も休まず自分の家の前に立ち、 両手に3本…

小説「ムメイの花」 #12恋の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 向かい側の家のチャーリーが 玄関から顔を出し…

小説「ムメイの花」 #13無意識の花

朝の日課。 家の前に立つ。 右手には1本の花。 今日も考える「ハナヲミヨ」の意味。 答えを探…

小説「ムメイの花」 #14本質の花

朝の日課。 家の前に…… 右手には1本の…… 今日はやたらとシーツの肌触りが最高だ。 僕が持つ体温と調和をして 全身を優しく包み込んでくれる。 目覚まし時計がならないと思いつつも、 目を閉じ、ベッドに身を委ねていた。 遠くの方で ロケットが飛んでいく音が聞こえる。 ……あれ?ロケットの音?! 状況に気がついた僕は あわてて飛び起きた。 ロケットの出発時間ということは 今、7時のはず。 朝の日課である、 花と一緒に家の前に立つ時間だ。 急いで準備しなければ。 花