小説「ムメイの花」 #7記憶の花
朝の日課。
家の前に立つ。
右手には1本の花。
最近、花ばかり見ていると
僕の世界が狭くなっているような気がしている。
僕と黙り続ける1本の花だけで、
世界が完結してしまいそうだ。
「はょぅ……おはよう!アルファ?」
ブラボーが顔を覗き込み僕の肩を叩いた。
「あ、あぁ。おはよう、ブラボー」
今朝はブラボーが近くにいたことにも気がつかなかった。
会話を続けていると
カメラのフラッシュを感じた。
カメラを構えたまま、デルタが近づいてくる。
3本の花を持ったチャーリー