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■地方移住

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#文学フリマ

③ZINE『わたしの移住歳時記』より「金目鯛」

③ZINE『わたしの移住歳時記』より「金目鯛」

  地元には帰らず香川で出産した。コロナ流行下だったこともあり、家族とは陣痛による入院の時点で別れなければならず、以後退院まで一度も会えなかった。難産だったこともあって、つらく寂しい孤独な出産となった。加えて、出産で尾てい骨を痛めたことから、産後二日くらいはほぼ寝たきりで、子供の世話もほとんどできなかった。この顛末はブログに詳しく書いているので、もしよろしければご覧いただきたい。

  移住先での

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②ZINE『わたしの移住歳時記』より「地芝居」

②ZINE『わたしの移住歳時記』より「地芝居」

  二〇二一年の秋、高松市香川町にある舞台「祇園座」へ地芝居の歌舞伎を見に行った。香川県の登録無形民俗文化財である「祇園座の農村歌舞伎」は、約二〇〇年前の江戸時代から、神社への奉納として上演されているという。地元の小学生なども加わって、台本、衣装、小道具、化粧など、全てが住民の手作りだ。

  当日は近くの小学校の校庭に集合し、会場まではシャトルバスで向かう。道が狭く、駐車スペースも殆どないので、

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①ZINE『わたしの移住歳時記』より「扇風機」

①ZINE『わたしの移住歳時記』より「扇風機」

  香川県の鉄道といえば、「ことでん」こと高松琴平電気鉄道だ。イルカのキャラクター「ことちゃん」を知っている方も多いのではないだろうか。ことでんは琴平線、長尾線、志度線の三つの路線からなり、特に琴平線は、高松築港から金比羅さんのある琴電琴平を結ぶ主要路線として利用客が多い。

  しかし、地方の鉄道会社が軒並みそうであるように、経営は不安定のようだ。二〇〇一年には、バブル時代の見通しの甘い経営がた

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ZINE『わたしの移住歳時記』試作品ができました

ZINE『わたしの移住歳時記』試作品ができました

こちらの記事でご紹介していた通り、

今回は予算の関係もあり、全編モノクロ印刷です。ですがその分、ボリュームのある仕上がりとなっており、A5版で二段組み、80ページくらいあります。

季語をめぐるショートエッセイが60本ほど収録されています。また、これまで発表した俳句をそのところどころに添えています。

文学フリマ香川にて販売予定です。
価格は800円に設定しようかと思います。

その後、通販を行

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2024/7 ZINE『わたしの移住歳時記』刊行予定

2024/7 ZINE『わたしの移住歳時記』刊行予定

2024/7/28開催の文学フリマ香川に出店します。四国初の開催!入場無料です。

新刊(予定)についてのご紹介を少し。

わたしは東日本で生まれ育ちました。

三年前、西日本の中でも四国に位置する香川県へ引っ越してきたことによって、これまで当たり前だと思ってきた身の回りのもの、例えば、草花にしても、食べ物にしても、習俗にしても、それらがこれまでとは全く別の一面を見せる場面が増えたように感じました

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二冊の句歌集同人誌を振り返って

二冊の句歌集同人誌を振り返って

自作の句歌集同人誌(短歌と俳句の同人誌)が二冊になった。

旧作『鵺なりに』のテーマは、仕事、退職、生きづらさ、希望、家族。

新作『海をまだ』のテーマは、退職、引越、移住。

二冊を眺めつつ、我ながら、自分の中で大きな変化があったのだなあ、と改めて感じている。

今回の記事では、この二冊の同人誌を自ら振り返ってみたいと思う。

■ 旧作『鵺なりに』のデザイン鵺(ぬえ)とは日本で伝承される妖怪のこ

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