リーダーシップってなにもんだ???
リーダーシップ(英語: leadership)とは、指導者としての資質・能力・力量・統率力 ※wikipediaより
今回は、リーダーシップを発揮するために求められる、具体的な理論を1つご紹介させていただきます。「PM理論」と呼ばれるものです。
PM理論の機能とは
PM理論とは、リーダーシップについての代表的な理論のひとつであり、社会心理学者である三隅二不二(みすみ じゅうじ)氏によって1966年に提唱された理論です。リーダーが集団に働きかける機能には一般に、P機能(Performance function:目標達成機能)とM機能(Maintenance function:集団維持機能)という2つの大きな機能があります。それぞれの機能は、以下のとおりとなります。
<P機能>
集団が生産性を高めるような働きをすることです。『課題・TASK志向』ともいいます。たとえば、目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力
<M機能>
集団のチームワークを強固なものにするような働きをすることです。 『人間関係・Relation志向』ともいいます。メンバー間の人間関係を良好に保ち、 集団のまとまりを維持する能力
PM理論では、上記2つの機能の強弱によってリーダーシップを4つの類型に分類して評価します。アルファベットの大文字はその面が強いこと、小文字は弱いことを示しています。
(1)PM型(P・M共に大きい)
目標を明確に示し、成果をあげられると共に集団をまとめる力もある理想型。
(2)Pm型(Pが大きく、Mが小さい)
目標を明確に示し、成果をあげるが、集団をまとめる力が弱い。成果はあげるが人望がないタイプ。
(3)pM型(Pが小さく、Mが大きい)
集団をまとめる力はあるが、成果をあげる力が弱い。人望はあるが、仕事は今ひとつというタイプ。
(4)pm型(Pが小さく、Mも小さい)
成果をあげる力も、集団をまとめる力も弱い。リーダー失格タイプ
P機能の向上のために必要な取り組み
具体的にP機能を向上させるために、リーダーは目標に対しての具体的な計画と行動へのブレイクダウンを部下に示すことが必要です。
その強化策は現状業務の見直しであり、以下のことが問われます。
・目標とそれの行動計画(何をどうするか明確に)
・支持、命令の具体化(特に、現場を任す場合は何をどこまで任すかをはっきりさせる)
・結果のフィードバック・システムの構築と実行
・問題解決、役割・責任の明確化など。
職場改善などで、「やる気がない」とか「問題意識が弱い」というような原因にせず、「やる気がない」「問題意識をもたない」という状況に陥っていると考えるべきです。そのような状況をつくり出している業務などの問題を発見することが本質的な課題となります。
M機能の向上についての取り組み
M機能の向上についてですが、会社など組織は課題(目標)が中心になるので、どうしてもM機能はP機能を効率化する補助的役割機能とする傾向があるが、P機能の強化策と同時に見直したいもの。やはり、現場での行動様式を扱いたい(意識変革でなく)。特に重要なことはみんなが参画できるT(時間).P(場).O(状況、場面)を作ること。ここではコミュニケーションが重要であり、相互によく知り合うという関係が大切になる。キーワードは思い、感情、受容、共感などです。また、会社(組織)の社会での存在意義(理念)もM機能向上に大きな影響をもちます。
M機能が土台
理想はP機能とM機能を同時に強化することですが、まずはM機能の強化を図りましょう。それは、M機能が組織や人の信頼関係向上に繋がるからです。信頼関係がなければ、目標達成のための取り組みに対して、人は行動できないからです。
さいごに
本日紹介した、リーダーシップ・PM理論を含め、「スキル」と呼ばれるもの(例>コミュニケーション、ロジカルシンキング等)は全て、誰でも開発可能なものです。生まれ持ってのものではありません。開発のためには、少し工夫が必要となります。「いつ、どこで、誰に、どうやって」このPとMの機能を向上させる機会をつくるのか。その計画づくりを仕事の場面で考えるといいと思います。