5年生の終わりに
気が付いたら今日は3月の最終日。
明日はエイプリルフール、社会人生活6年目の幕開けだ。
7年目になったら7年生なんて言わないだろうし、もう6年目だって6年生とはあんまり言わないし、5年目だって、そもそも。
1年目の春。
「1年生のみんなー」と呼ばれていた。
あとは「こどもたち」とか、「新人ちゃん」とか。
22歳のあの頃、同期が同じ部署に4人も配属され、同じ部屋の中に9人も入れられたくらいだったから、最早学校に通っているくらいの感覚でいた。
今でも会社の話をされて真っ先に思い浮かべるのは、あの頃のことばかりだ。
5年生が終わってみて、郷愁と切なさと、やっぱりあの頃が恋しい。
大好きな同期と社内メールで内緒話をしていたこと、お気に入りのお姉さんと二人でお昼ご飯を食べに出かけたこと、やさしくしてくれたおばさんと遅くなった帰りに駅まで一緒に歩いたこと。
味方になってくれる人がいて、なんでも話せる人が少しだけいて、そういう環境は貴重だったなと、今でも本当に愛おしく思う。
5年間、新卒でやりたいことがわからなかったまま入社した罪悪感に耐え切れず、3年勤めたあの会社を辞めて、今のプロフェッショナルファームに入社して、環境の変化に追いつけず休職して、復職してある程度仕事を任せられるようになって、初めての出張・外部イベントに参加したり、全社メールを作成するようになったり、変化がなさすぎて嫌になっていた時期もあったけれど、振り返ると変化にまみれて揉まれることの多い時間だった。
1年目のあの頃や初めての部署は今もどうしても大きすぎる存在で、あの頃に帰りたいなと思うことはやっぱり多いけれど、時間は止められなくて私は前にしか進めない。
先輩は異動したし、課長は転職したし、同期だって転職したり転勤したりしている。
懐かしい教室のような空間は、もう思い出の中にしか存在しない。
だからこそ、今を5年後の自分が同じように愛しいと思えるように創り上げていくこと、丁寧に日々を積み重ねていくこと。
決して同じものは出来上がってはこないけど、そうやって過ごした時間はきっと、未来の私にとって大切な思い出になっていけるだろうから。
この5年間、なんだかんだすごくいい時間が過ごせたと思う。
失敗したことも、学んだことも、もう生きていたくないと思った日も、生きる価値がないと感じた日も。
虚しさに息ができなくて帰り道に1時間くらい歩き続けた夜も、外国人講師とひやひやしながら一対一で案内を通した夜も。
節目の5年間、私は先輩になることはなかったけれど、6年目の明日からは同じ課に後輩が入る。
直接関わることはなさそうだけど、少しでも好感を持たれる先輩であれるように。
第二ステージの始まりだと思いながら、6年目へ歩みを進めたい。
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