【読書記録#6_マカン•マランー二十三時の夜食カフェ】この本は、きっと大人の為の処方薬
何故だろう、ギュっと心を掴まれてしまった。
「マカン•マラン」という名の店が、本の中ではなく、
現実に存在するのだとしたら、
私は『絶対に』シャールに逢いに行く。
『絶対に』という言葉を、私は滅多と使わない。
何故なら、絶対なんてことは存在し得ないからだ。
けれども、この言葉を使ってしまうのは、
一話読むごとに、家のドアを開けて今すぐにでも、
飛び出していきたくなるような衝動に駆られるからだ。
会ってみたい
物語の中のあなたに。
『止まり木のような』その店に行き着くことは中々に難しい。
開店していることが珍しいのもあるけれど、
恐らく、引き寄せられるタイミングがあるのだろう。
店主のシャールはドラッグクイーンだ。
シャールの言葉は心というより、全身に響く。
「マカン•マラン ➖二十三時の夜食カフェ」は、
全四話で構成されるけれど、
どの話も何故だか胸を締め付けられる。
きっと各話の登場人物たちの様々な経験や境遇を通して
何かしらに感化されるからだろう。
その上で「止まり木」の主であるシャールの包容力に、
すっかり魅了されてしまうのだ。
辛いことがあった時に読んで欲しくもあるし、
何かしらの辛い経験をされた方に響く小説だと感じる。
でも、決して無理はしてほしくはない。
向き合うタイミングは、自分で決めていいのだから。
その方法だって選択肢は無限にあるのだから。
久々に、胸をギュっと締め付けられる、
そして、解してくれる本に出会えました。
出会いに感謝。ありがとう。
とい。