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暮らしが平々凡々に思えたら、別の世界に浸ればいい(本のなかで)

こんばんは。といです。

昨日、ある本を買いました。
本屋に行く度、何度も何度も、買おうかどうしようか悩んできた本。
・値段が高い? (いいえ、それ程高くありません)
・マイナーな本? (いいえ、たぶん結構話題作です)
・大人向けじゃない? (いいえ、子供よりも大人に沁み入ります)

さて、なんの本でしょうか?
(ヒント:最初のページの隅っこの拡大写真です。)

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そう、購入したのはこの一冊、
ヨシタケシンスケさんの「あつかったら、ぬげばいい」です。
正解の方、おめでとうございます!

明日もきっといい日になるでしょう。(たぶん)

絵本です。
子供向けであり、大人向け絵本です。
漢字はありませんが、ひらがながまた良いです。

悩むこと3ヶ月、やっと買いました。

私にとって3か月前とは、
うつ状態が原因で本(文章)が読めなくなった頃を指します。
その頃は、まだうつ状態という病態を理解できておらず、
仕事も、学業も、生活も、どこか不和を感じていて、
文章が読めなくて何が仕事だ、研究だ、
英語論文が読めなくて何が国際学会発表だ、
という焦りが私を満たしていました。
(うつ病やうつ状態は、内側からも外側からも見えにくい厄介な病気です。)

なんとか文章を読めるようにしなければ!と
大きな書店を2時間かけて棚の端から端まで眺めたことがありました。
普段読まないジャンルの本や雑誌、コミック、棚の上から下まで全部。
母に本屋まで連れてきてもらったのですが、私があまりに時間をかけるので、用事を済ませた後も車の中でテレビを見ながら待っていてくれました。(ありがとう、お母さん。)

最初は鬱消しレシピや、うつは〇〇で治す、系の本ばかり手に取ってページを捲りました。
・・・読めません。・・・全然!
当たり前です、病気の核心部分なのですから。
それを受け入れて読むことが出来るのならば、苦労はありません。
1時間半が経過したとき、悲しい気持ちよりも怒りが沸いてきました。
「〇〇を食べた方がいいですよ」
「〇〇しないほうがいいですよ」
「〇〇はしたほうがいいですよ」
頭の中はまさに大混乱状態!
まず、その根拠を理解できないし、覚えられないのだから。
気が付けば、いろんな経歴を持つ著者たちに(本たちに)
「いや、あなたたち誰よ?どこの誰よ!」と呟いていました。
(当たり前ですが著者に全く非はありません)

大変疲れ果てた経験となりましたが、〇〇しなくちゃ、と考えすぎてもしょうがない、と実感する良い機会でした。
今日は収穫なしかぁ、と諦めかけていたときに目に留まったのがヨシタケシンスケさんの本でした。それがこちらです。

ヨシタケシンスケさんのお名前も、
代表作の「りんごかもしれない」の書評も耳にしたことはありました。
これどこれまで手にしたことはなく、普段立ち寄ることのないエッセイの棚に、他の本と同じようにきっちりハマっていたその背表紙が何故か気になり、ムズムズしてしまったため即購入。
(こちらはイラスト集+エッセイで、また趣が異なりますがおススメです。)
そこからは、あれよあれよという間にヨシタケシンスケさんのファンになりました。
姪っ子に読み聞かせる、という名目で絵本を買ったり、
付録つきの雑誌を買ってみたり。
The・好きなものに囲まれてみる生活の始まりです。


さて、本題の「あつかったらぬげばいい」ですが、
この本の構成はすごくシンプルです。
「あつかったら」「ぬげばいい」
とても当たり前で、幼稚園児にも伝わります。
「さむかったら」「きればいい」、逆もまた然り。
私はまだ独身で子供もいませんし、
子供の純真な指摘を受けることもありませんから、
「へやがちらかってたら」「とりあえずむきだけそろえればいい」はアリかナシかと聞かれれば、断然アリ派です!

そして、なんと、このMOE2020年9月号では
「あつかったらぬげばいい」クリアファイルが付録としてついてきます。
絵本には「だれもわかってくれなかったら」「しばらくしまっておけばいい」というページがでてきますが、小学生の頃使っていたお道具箱みたいな分厚い茶色い書類箱を直ぐに手に入れることは出来ません。
(あれはどこで買えるんでしょうか。)
けれど、ものは考えよう。
苦手なものに蓋、苦手な書類はこのファイル(お気に入り)にしまっちゃえばいいじゃない、と勝手に解釈しました。
しまった書類はあら不思議。不透明なファイルと素敵なイラストに阻まれて外へは出てこれなくなるじゃないですか。
今では私の強い味方です。


「あつかったら」「ぬげばいい」
「さむかったら」「きればいい」
繰り返しますが、あたりまえのことです。

でも、そういってくれる他人や自分が周りにいなかったら?
もっと頑張ることを求められたり、耐えることが美徳のように思えていたら?
大人になるにつれて、良くも悪くも指摘し、される機会は減ります。
そして責任は増えます。

でも、大人だって昔は子供です。成長したって、子供時代の心はあります。

「おとなでいるのにつかれたら」「あしのうらをじめんからはなせばいい」
ブランコを見つけると人目を憚らず(一応気にはしつつも全力で)漕ぎたくなるのは、そういうことなのかと腑に落ちました。

ほかにも絵本内のイラストのように、あんな方法やこんな方法で地面から足を離してみてもいいかもしれません。
ぜひ絵本をお手にとって、あぁそうすればいいよねって呟いてみてください。
きっとあなただけの、「〇〇たら」「○○ばいい」が湧いてくるはず。
私はこれからも自分だけの組み合わせを見つけます。

文字が、文章が読めるようになってきたけれど、
お仕事をお休み中なので、できるだけ財布の紐を固く絞って、
週2で図書館へいそいそと通う、といなのでした。

秋ってほんとにいい季節。おしまい。

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