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茶道のあれこれ。

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茶道の涼の感じ方。

7月に入って暑くなり涼しげなお点前をすることが多くなった。 普段のお稽古ログでしかないが、夏の茶道について書いてみる。 夏のお点前の記録名水点て写真がなくて残念ですが、 木製の水指を使って行うお点前である。 しめ縄がしてあって、神聖な感じがする。 昔は、朝4時ごろまでに水を取らないといけないので、 夜中のうちに名水を取りに行き、朝のお茶事に間に合わせていたそうだ。 昔の人は早起きというか、そこまでするのか、と思ってしまう。 特段普段のお点前と変わることはないのだけど、

茶道:6月の茶道。

茶道×雨は風流でしかない、と思っている。 しとしと雨が降っているところを眺めながら、一服のお茶を飲む。 静寂の中に穏やかな時が流れ、お茶を味わう。 雨の日といえば梅雨の6月ということで、 6月のお稽古についてサクッと書いてみたい。 5月に窯が風炉に代わって、6月終わりには夏至も始まり、暑さが始まる。 茶道では初夏と呼ばれる季節だ。 窯が変わると、お点前の形式ががらりと変わるので、 最初は戸惑うが、徐々に慣れてきた頃合いだ。 特に6月らしいお点前はないので、(春だと吊り

茶道:茶道の歴史①

茶道から少し離れていましたが、 今日は茶道の話に戻ります。 お茶の歴史のアウトプットがしたい、と思っていたので、 ざっと振り返ります。 ********************************** 茶道の歴史:①インド・中国がお茶の起源茶の木の原産地は、 インドのアッサム地方・中国南部の雲南・四川省付近とされる。 原産地と考えられている地域は三日月形なので、 東アジアの三日月地帯と呼ばれている。 その頃の飲まれていたのは、 団茶といって茶の葉を蒸して固めたものだっ

茶道:6月のお稽古。

日本には、二十四節気といって、 4つの季節をさらに細かく表した区分がある。 農業をする際、暦がわからないといいタイミングで 農作業ができないので、このような区分が開発された。 茶道で茶杓の銘として、季語が使われるのだが、 その勉強もかねて、 月1回程度、その月を象徴する好きな季語を紹介する。 6月は水無月、芒種(田植えの時期)と夏至(一番日が長い日)を表す。 茶道で使われる季語としては、 五月雨(梅雨) 五月晴れ(雨が降っている時の晴れ間のこと) 五月闇(梅雨の暗い空

茶道:華やかなお道具たち。

茶道についていろんな側面から紹介しているが、 肝心のお道具についてちゃんと説明したことがなかったので、紹介してみたい。 お茶碗 大きく分けて、中国製の茶碗(唐物)・挑戦由来の茶碗(高麗茶碗)・日本製の和製茶碗がある。東南アジアのお茶碗もあったりする。 薄茶では、平茶碗を主に用い、濃茶では楽茶碗を用いる。 地域(窯?)によって、お茶碗の風合いは異なっているので、 そこは見所である。 日本製でないお茶碗は、高価なものと扱われていて、 より上級のお点前になると出てくる。 個

茶道:利休百首歌 その2。

前回、利休百首歌を書いてみて、 自分のお稽古を振り返る機会ともなり、経験を整理できたので、 今回も利休百首歌を2首、紹介してみたい。 上手には好きと器用と功積むと この三つそろふ人ぞ能くしる 物事を上手になるコツは、 ①好きである事 ②器用である事 ③たゆまぬ努力をする事(=功を積む) ことが重要、ということを述べている歌である。 noteを続けるのも、まずは好きである事が大切だと思う。 毎日更新を始めて70日以上たっているが、 段々前よりもさらに、文章を書くことが好き

茶道:お茶事の風景。

昨日は、お稽古場の風景を書いてみたので、今日はレベルアップして、お茶事の風景を描きたいと思う。 ※ちなみに、私は裏千家でお稽古をしているので、裏千家のやり方で書いている。別の流派のところに行くと、別のやり方でお稽古しているので、書いてある事と違う!となったら、流派が異なるのかもしれない。 ********************************** まず、お茶事とは何ぞや?だが、 懐石料理をはじめにいただき、そのあとに炭点前とお茶(濃茶・薄茶の2服)をいただく。

茶道:お稽古場の風景。

今日は、茶道のお稽古の風景を感じてもらうべく、 私の感じていることも交えつつ、語ってみたい。 私の主観で書いているので、感じ方は人それぞれ違っているかもしれないが、茶道に興味のある方の参考になれば嬉しい。 お稽古場に着くと、挨拶の前にお稽古の準備をしておく。 棗にお抹茶を入れる、お茶碗を出す、お菓子をさらに並べる。。 茶道には前準備が必要で、ちゃんと準備していないとお稽古を始めたときに、「あれ、お道具がない」という事態に陥る。 「備えあれば、憂いなし」というわけだ。 準備

茶道を語るということ。

「茶道」をテーマに毎日文章を書こうと決めたが、なかなか観点が思いつかない。 「茶道」は一般的になじみの薄いもので、好きでやっている人は、茶道の世界の良さを暗黙知として知っているが、知らない人は、どういうものなのか、なかなか想像がつきにくいのではないだろうか。 その茶道の「わかりにくさ」を文章で表現するのは、難しいと感じていたが、森下典子さんの「日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ」「好日日記 季節のように生きる」という作品を読んで、その考えが覆った。 森下さ

茶道で感じる季節。

今日は茶道で感じる季節感について。 茶道で季節を感じる場面は随所にあるが、私が好きなものだけをピックアップする。 ①お茶碗 お茶碗の形、絵柄で季節を感じる。 例えば、夏は平茶碗という平らな普通のお茶碗を使って、お茶を飲む。 冬は平茶碗を使うこともあるが、筒茶碗といって少し縦に細長いお茶碗でお茶を飲む。お茶が冷めにくいように、熱が逃げにくい構造になっている。少しお茶を点てにくいが、あったかく飲めるし、季節に合っていてよい。 絵柄でいうと、お茶碗に季節の花や行事、生き物が

茶道の魅力。

昨日に引き続き「茶道」について語りたい。 今日は「茶道の魅力」を自分なりに語ってみたいと思う。 私なりの茶道の魅力は2つある。 1つは、「季節を感じられること」もう1つは、「心の状態を知り、鍛錬ができる事」だと思う。 茶道の魅力①:「季節を感じられること」 茶道では、暑い時期は、風炉、寒い時期は炉というように、窯の種類が違う。暑い時期は窯を外においてお点前をするが、寒い時期は、畳の切ってあるところ(床下にくぼんでいるところ)に窯を置いて、そこでお点前をする。外に窯を置

茶道を続けるきっかけたち。

6月になった。 今まではエッセイを中心に書いていたが、今月はテーマを決めて、「茶道」を題材にして、いろんな角度から茶道を考えてみたい。丁度8年ほど茶道を続けてきて、「どうして茶道をやっているのか」「これから茶道とどう向き合っていくのか」考えたいと思っていたので、これを機に、考えてみようと思う。 手始めに1回目は、茶道を始めたきっかけについて語る。 茶道を始めたきっかけ:大学のサークル・母の勧め 何ともありきたりなきっかけだが、茶道を始めたのは、大学のサークルだった。母親が