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茶道の涼の感じ方。

7月に入って暑くなり涼しげなお点前をすることが多くなった。
普段のお稽古ログでしかないが、夏の茶道について書いてみる。

夏のお点前の記録

名水点て

写真がなくて残念ですが、
木製の水指を使って行うお点前である。
しめ縄がしてあって、神聖な感じがする。

昔は、朝4時ごろまでに水を取らないといけないので、
夜中のうちに名水を取りに行き、朝のお茶事に間に合わせていたそうだ。
昔の人は早起きというか、そこまでするのか、と思ってしまう。

特段普段のお点前と変わることはないのだけど、
水指が変わっているので名水だということは推察できる。
せっかく汲んできてくれた意図をくみ取って
どこの名水か聞くことは、礼儀である。

葉ぶた

葉っぱを水指のふたに見立ててするお点前である。

青々とした葉っぱがお点前に現れると、とても涼やかな気持ちになれる。
使い終わった後は、船の形にして建水(お点前でお茶碗をきよめたときにでる水を捨てる場所)に浮かべる。

昔の人はよくこんなことを考えたな、と思うけど、
エアコンや扇風機など、自分を涼しくする機会がない代わりに、
見た目で涼しくすることを考えたのだろうと、推測される。

今は見た目が涼やか、というより、
実用的なもののほうが軍配が上がるが、
昔の人に習ってこういう涼み方も茶道だけでなく、
日常に取り入れられたら、上手く生活していけるのだろうか。

洗い茶巾

こちらも葉ぶたと同じ要領で、茶巾を水にさらしたまま持ってくる。
茶巾というのは、お茶碗を清めるためにもっていく布ふきん(大きさは、ハンカチの半分くらい)で、普段はたたんでお茶碗の中に入れて、お点前の空間にもっていく。

茶巾を使う際に、お客さんの前で絞って使うのだが、
音や水の様子が涼しげなので、心地よい気分になれる。

持ってくるときにこぼさないか心配になるが、
いつもと違うお点前に新鮮さを覚える。

茶道での涼の感じ方

こう振り返ってみると
茶道では、音や風景で涼を感じ取っているわけである。
ちなみにお茶は常に熱いものを提供するので、
お茶に工夫などはないのだが、
自然のものをお点前に取り入れ、涼を演出するのは
茶道の総合芸術たるゆえんだろうか。

暑かったり涼しかったり、
雨が降ったり降らなかったりで、
気持ちを整えるのが難しいが、
エアコンや扇風機など機械に頼るだけでなく、
風鈴の音やすだれをつけてみるなど、
直接体温を下げるような効果がなかったとしても、
気持ちが涼しくなるような工夫をして
この夏を乗り切れたら、と思っている。



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