こういう時だからこそ、心を和ませたい「癒やしの日本美術」@山種美術館
12月に行った展覧会で、改めて
「行っておけて本当に良かった」
と思いだしているのが、山種美術館の特別展、
「癒やしの日本美術—ほのぼの若冲・なごみの土牛—」
でした。(2/4(日)まで開催中)
「癒やしの日本美術」というタイトル通り、お堅いイメージの日本画ではなく、やさしい色合いやタッチの作品や愛らしい動物たちや子供の姿、見る方まで心が華やぐ美人画、気持ちが落ち着くような風景画など、様々なタイプの心が癒されるような作品の数々。
また、わたしは伊藤若冲といえば写実的で猛々しい鶏のイメージが強く、展覧会に行く前は
「『なごみの土牛』はわかるけど、『ほのぼの若冲?』」
と違和感を感じていました。
でも、実際に会場で個人蔵の貴重な作品を見て、
「あ、若冲にもこんなタッチの作品があるんだ!」
とびっくり。
特に「鶏図」(個人蔵)は正面を向いた鶏のちょっと間の抜けたとぼけた顔がなんともいえずユーモラスで、
「あー、確かに『ほのぼの若冲かも』」
と納得しました。
もちろん、奥村土牛が描いたふわふわの「兎」や「山羊」、わたしの好きな「枇杷と少女」などには心が和み、「蓮」には心が浄化されるようでした。
大好きな上村松園の「杜鵑を聴く」を見られたのも嬉しくて。
また、今回の展覧会で撮影が認められていたのは長沢芦雪の「菊花子犬図(個人蔵)」のみ。
子犬たちがむくむくコロコロとじゃれあう、愛らしい作品でした。
12月から2月にかけての展覧会なので、「布袋図」や「七福神図」など、お正月らしい雰囲気の作品も。
改めて展覧会のちらしを見ると、
「心が温かく、優しい気持ちになれる日本美術で、癒やしのひとときを」
「日常が大きく揺らぎ、不安定な世界情勢が続く今、『マインドフルネス』、『ウェルビーイング』、『チル』といった心の動きを意識する言葉が時代のキーワードとなっています。その背景として、自分自身の内面と向き合い、心を癒やすことが求められるといえるでしょう。」
心おだやかではいられない様々なことが起こり、まさにその通りの状況になっています。
こんな時だからこそ、このような展覧会でほっと一息つくことも大切なのだと思います。
2/4(日)までの開催なので、気になる方はお早めにどうぞ。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
*久しぶりに、元気なビタミンカラーのガーベラを部屋に飾っています。