マネジメントをして考えた、「会社にも自分にもいい」個人目標の設定ステップ
デザイナーの松下です。note株式会社で働いています。
私ふくむ会社員の多くは「期初に個人目標をたてる」「それをもとに上司から期末に評価をされる」というプロセスを踏んだことがあるのではないでしょうか?
ところがこんな問題が…
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> 個人目標、たてるのだるい <
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「個人目標」ってそもそもテキスト起こすの難しいし、特にデザイナーだと何をもって成果といえばいいかがよくわからないし、評価されるっていうのも心にくるからメンタルがいやな感じだし、
「結局何をかけばいいの?」「単に今後やる予定のものを書くんじゃだめなの?」などもかつてはよく思ってキーってなってました。
そんな中、リーダーとして、メンバーの個人目標を立てるサポートを行う機会がありました。
結果、自分なりに「個人目標」への解像度が高まり、以前よりは目標をどう立てるべきかの理解が深まったので、この記事を書いています。
こんな方に向けています👇
メイン: 👩💻 いちメンバーとして、自分の目標設定に迷っている方
サブ: 💡 メンバーの目標設定をサポート・マネジメントするヒントがほしい方
個人目標を設計するステップ
自分としては、こういった流れで個人目標を作成するとよいと考えています。
⛰️ 自分の「こうなりたい」を把握する
📈 会社で何をすれば自分が評価されるか理解する
✍️ 個人目標を作る
🔍 期の中で目標をベンチマークにして動き、こまめにふりかえる
順を追って説明していきます。
①自分の「こうなりたい」を把握する
「自分」が目指すゴールをわかっておこう
この記事を通して目指しているのは、個人目標というツールを利用して、自分と会社、両方がWINWINになるような状態に持って行くということです。
個人的には、せっかく会社に属しているのだったら、自分自身としてもメリットのある経験を会社を利用して積むべきだと思っています。
会社での仕事は自分を構成する一要素にすぎませんし、せっかく時間を使うのに、会社都合の業務経験に近視眼的に注力してしまったらもったいない。
今後、デザイナーとしてどういう仕事をして、お金を得たいのか?
人生としては、どういった経験値を積んでおくと、よりなりたい像に近づけそうなのか?
を自問して、そのために必要なパーツを、まずは会社を度外視して考えておくとよいでしょう。
この自問自答は、自分で行うもよし、あなたの上司がコーチング的なすタンスを持っていそうでしたら上司を活用して壁打ちをしてもよし、会社外に話し合えそうな相手がいたらその人に相談してもよし。
大事なのは、会社目線だけではなく、自分目線ではどうなりたいのか?もちゃんと理解しておくことです。
💡 マネジメント視点では
個人的には、メンバーの「こうなりたい」のコミュニケーションは相手との関係値を築くのにも副次的に役立ちました。
「なりたい」と業務に重なり合うところがないと、モチベが徐々に低下していく可能性もあるので、アサインする案件方向性を決める際参考情報のひとつにしていました。
1on1などの中で、定期的に現状ステータスや変化をヒアリングすると認識のアプデができます。
②会社で何をすれば自分が評価されるか理解する
そもそもなんで「個人目標設定」なんてあるの?
もちろん会社側の理由があります。
会社の大目的 = ビジネスが成り立ち、会社が成長すること。
大前提として、会社は事業の成長のために社員を雇っています。
というわけで、こういうことを考えています。
「会社の成長につながる動きをしてほしい!」
「かつ、より会社の成長につながるようなレベルアップをしてほしい!」
「もちろん、より成長に貢献できる社員にお金を払いたい!」
「その前提はありつつ、いい会社だなメリットあるな~と思ってもらって、長く働いてほしい!」
そのためのツールや判断軸として個人目標・評価制度があります。
目標設計を通して「どうしたら会社の成果・成長につながるか?」をそれぞれに考えて動いてもらいつつ、見せてくれた活躍を昇給やキャリアアップの判断材料にして、一人ひとりの発揮できる力を組織の力に変えたいのです。
会社の望むことを把握するには
その前提のもと、自分が今の会社の期待値からするとどのレベルにあるのか、なにをもって「貢献した」「成長した」と判断されるのか、上司と具体的に確認しておきましょう。
裏を返せば、それを把握してれば、社員として期待される目標設計はしやすくなります。そして、会社目線での評価があがれば、給与もあがっていく可能性が高いです(会社側の人件費都合もあるとは思いますが…)。
働いている以上、評価(ひいては給与)がどうしたらあがるのか?は自分のモチベとしても理解しておきたいですね。
会社側で「これを達成したら評価しますよ」という職能ごとのグレードが設定されていることもよくあります。
社内グレードがあるなら、自分はどこに該当するか、その理由はなぜか、何を達成したらグレードがあがるのかを具体的にすりあわせましょう。
グレードがなかったとしても、なにが今の自分軸だと評価ラインになっているのか、言語化をしておきましょう。
(上司がうまく答えられないのなら、いいチャンスなのでクリアにしてもらいましょう!!)
💡 マネジメント視点では
リーダーに期待される役割とは、メンバーがモチベもって働いて、より貢献できる社員になるためのサポートをすること。なので、相手がどの段階にいて、どうなると会社内でパワーアップしたと見なされるか、自分の中でも整理しておくとよかったです。
この基準は、必要に応じて、周囲の他マネージャーや自分自身の上司ともすりあわせていました。
上記を、メンバーの目標設計に取り入れやすいようなコミュニケーションで伝えるようにしました。
③個人目標を作る
自分の期待値と会社の期待値を理解したら、いよいよ個人目標を実際に作ってみましょう。
基本方針は以下!
会社の期待する達成アクションを入れ込む
自分の「なりたい」につながり、かつ会社としてもメリットになりうることも混ぜ込む
目標設定の三つのアプローチ
目標を立てる際は、この三つのアプローチを組み合わせるような考え方をしていました。
達成型
ストック型
個人スキルUP型
こちらは、noteでマネジメントをされていた佐々木さんの記事も参考にさせていただきました!
アプローチ1: 達成型
達成型のアプローチでは、主にチームや担当領域での、具体的な成果の達成にフォーカスします。
プロジェクトが無事に完了したり、決められた業務目標をしっかりクリアしたり、事業目標につながる具体的なアクションを自分の職能として達成したりすること。
いわゆる「目標」でイメージしやすいのはこれかもしれません。
これらはわかりやすい事業での結果を出せ、かつ定量的な基準が明らかなことに集中する考え方です。
アプローチ2: ストック型
次に、ストック型アプローチ。
こちらは中長期的に生産性の向上や価値をもたらすようなアプローチです。ストックできる投資のようなアクションといえます。
デザイナーなら、
デザインシステムの構築
UXやライティングのガイドラインの作成
コンポーネントの整理
など、今後チームでの開発の生産性や効率性があがるものが例としてイメージしやすいかもしれません。
これも立派な「貢献」です。
アプローチ3: 個人スキル型
最後のアプローチ、個人スキル型。
仕事に活かせる、新しい知識や技術を身につけることを目的に置きます。「私がこの能力を身につけたら、より貢献度が高まって成果に結びつきやすくなります!」と説明できるものを選定しましょう。
SQLでのデータ分析
プロダクトマネジメント知識
UXリサーチ知識
プログラミング知識
などがあるかもしれません。
これらのアプローチを、アサインされている業務の状況や、自分のキャリアプラン、そして期待値・成長ラインを意識して、期の中でウェイト配分し、組み合わせをします。
人によっては、
になるかもしれませんし、
になるかもしれません。
三つのアプローチごとに何が入るかは、
で、おのずと定まってくるはずです。
💡 マネジメント視点では
メンバーにあわせた「順当な目標ライン」と「チャレンジ目標」になりうるものは何か?壁打ちをしたり視野を広げたりする相手になれるといいのかなと。仮にメンバーのほうがスキル自体は高かったとしても(専門職だとままあります)考えをまとめるためのサポートはできるはずです。
目標の中で、メンバーのスキルに対して新たなチャレンジが発生したときは、つまったときに適切に相談できるメンターやサポーターがいるかをチェックします。いなかったら自分自身がなれるならなるか、誰に助けを求めるといいか助言します。
達成したら、メンバーが「レベルアップした」とまわりからも見なされるような目標になっているか?はチェックします。自分だけだと判断が難しい場合は他のマネージャーにも相談しても。
ウェイト配分が、期の中で現実的に可能そうか?もメンバーとすりあわせます。
具体事例のイメージ
まだまだスキルの伸び代がある、ジュニアデザイナーなら
たとえばこんなステータスの場合👇
こんな方向性の目標もあり👇
スキルの伸び代が明確にある場合は、新しい業務範囲の知識や経験値がその人の成長に直結しやすく、評価もされやすいフェーズです。
必然的に新たな挑戦になりやすいので、必要に応じてサポートを頼れるメンバーも上司と決めておくといいでしょう。
仮にサポートを受けながらであっても、やり遂げる、達成する経験を積むことがその後のレベルアップにつながります。
一定すでに経験がある、シニアデザイナーなら
たとえばこんなステータスの場合👇
こんな方向性の目標もあり👇
シニアデザイナーの場合は、既に一定レベルのスキルが身についているので、今まで培ってきたスキルを超えた領域での貢献が、「さらなる価値・レベルアップ」として評価されます。
シニアの立場では、自分で新しい業務や課題解決につながる取り組みを生み出し、完遂することも期待されるのが一般的です。
いちデザイナーという役割を越境して、生み出す成果や貢献の範囲・影響度を高める方向もありますし、特定領域の知見や経験をグッと深め、よりプロフェッショナルを極める方向もありえます。
④期の中で目標をベンチマークにして動き、ふりかえる
やっと目標が作れた!でもそれで終わりではありません。
定期的に目標と行なったアクション振り返りを行い、やるとよさそうなアクション、あるいは目標のチューニングをする
期が終わったら最終的な目標に対する達成度を振り返る
目標を習慣にするためには、定期的な見直しと調整が大切です。
私のときは、1ヶ月ごとに目標に対してどういった動きができたか、あるいはできなかったか、を振り返っていました。
意外と、できたこともいざ期末になると詳細の記憶が薄れていたりするので、ふりかえりの際に書き残しておくといいでしょう。
目標が順調にいってない場合、それはなぜか?アクションが適切じゃないのか、サポートが足りないのか、そもそもいまの環境ステータスと目標がマッチしなくなっているのか、も検討します。
💡 マネジメント視点では
途中振り返り、かなり価値を感じました。意外と、アクションしたことを「成果」と本人が自覚できていないことはよくあります。一ヶ月の動きを一緒に振り返り、「これはできている、成果といっていい」というアピールポイントと「こうするとよりいい動きと思ってもらえそう」「うまくいっていないのはなぜだろう」を壁打ちしたり、提示したりすることで前に進めるケースがありました。
もちろん、期が終わったタイミングで、正しく目標に対しての成果を理解して、評価を進めて行くのも重要な役割です。
その判断がしやすいように、メンバーがどういった動きを具体的にできた/できなかった、を把握しておくと評価コミュニケーションもしやすくなります。
おわりに
個人目標設計は、必要なポイントを理解して、うまく活用すれば、自分にも会社にもメリットをもたらすようなツールになります。
自分の市場価値が上がり、その分野でのポジションを固められる
組織で自分の動きが認識され、適切に評価され、キャリアアップだけでなく、より幅広い業務に携われる機会にもつながる
自分の将来の発展に結びつき、「なりたい」像に近づく
わたしも模索中ですが、この記事が少しでも参考になったら幸いです!
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