仕事について語ってしまった日
新卒2年目の冬だったと思う。
たまたま通りかかった廊下で、当時の社長に突然声をかけられた。
「君は、編集をしたことがあるか?」
聞けば、全社員に向けた社内報を新しく作るという。
私は編集の経験などまったくなかったけれど
「あ、おもしろそう」という気持ちだけで、そのポジションに手を挙げた。
それから10年、いろいろな業務を掛け持ちしながら社内報制作に携わってきた。
北海道から九州までいろんな現場で勤務する人たちに会いに行った。
一人ひとりが自身の仕事に向き合う想いは、気づきと学びに満ちていて、いつも私の心を突き動かした。
この人たちに恥じない仕事をしなければいけないと思った。
誰かの想いが、また誰かの想いにつながる。
私は社内報という仕事を通じて、そういったことを実現させたかった。
社内報の仕事を離れて久しいというのに、こんな話を10歳以上年下の現・社内報担当者に熱っぽく語ってしまった私は、
やっぱりこの仕事が好きだったんだなと思う。