自分らしい自己決定がしたい。歳をとっても認知症になっても、子供だって。

人の幸福度って学歴や収入よりも「自己決定」が大事だと言う
研究結果があるそうです。

高齢者だから子供だから障害があるから片親だからって勝手に決めつけられたり、選択させられたりって全然幸福ではないんですね。

自分自身だってそうですよね。
親だから、もうこの歳だから、こうじゃなくちゃいけないって選択していませんか？
心からそう思う選択をしていますか？

世の中には、いろんな趣味や趣向の人たちがいます。
甘い食べ物が好きな人、辛い食べ物が好きな人、
明るい色の服が好きな人、シックな色の服が好きな人、
家でゲームをしたり読書をするのが好きな人、外に出て体を動かすことが好きな人などいろんな好みがあり、

朝起きてから寝るまでいろんな選択をして日々生活していると思います。

が！歳を取ると一緒くたにされてしまいがちです。
子供は周りの大人たちに勝手に選択されがちではないですか？

今日は高齢者の自己決定について、介護現場での出来事を書きたいと思います。

年寄りだから煮物や魚が好きだって決めつけていませんか？
年寄りだから落ち着いた色の服が好きだって決めつけていませんか？

介護施設で働いていた時、施設の食事をあまり召し上がらなくなってしまった利用者に、ご家族がマクドナルドのハンバーガーを買ってきたことがありました。

職員はびっくりしましたが、バクバクと美味しそうに召し上がってました。

本当はこう言うものが食べたかったんですね。「年寄り食なんて食べられるか！」って言いたかったのかもしれません。

他の利用者で、かなり体調が悪く余命数週間と言われ、ほとんど食事が摂れなくなった時に、最期までマグロのお刺身だけは「美味しい」と言って召し上がっていた方。

体調が悪いからってお粥？高カロリーゼリー？そんな人ばかりではありません。

洋服だって本当は「こんなの着たくない」って言いたかった方がいたかもしれません。

自分で意思表示が出来なくなった時、あなただったらどう思いますか？

たぶん多くの介護現場の職員は、利用者の今までの経歴や好みなどを情報収集し、たとえ意思表示ができなくてもなるべくそれに添うように対応していると思います。
そうであってほしいと思います。

もし私が利用者の立場になったら、毎日毎日暗い色の洋服なんか着たくないし、甘いものは苦手だから辛い物を食べたいし、音楽だって洋楽を聞きたいし、だから私の事を知ってほしい。って思います。

こんな方もいらっしゃいました。
元会社の重役だった方で、認知症があり、自分ではベッドから降りることができない方でした。
普段からいつも不機嫌で怒鳴ってばかり。
特に困っていたのは、食事の時間。職員が声をかけて起きていただくのですが、毎回毎回「起きない」と大声で怒鳴ります。
そんな日が何日も続き、職員はみんな困り果てていました。
食事以外の何もない時には起きたがるのですが。
仕方なく時間をずらして、本人が起きたタイミングで食事を提供していましたが、生活リズムが整いません。薬も指示通り飲めません。
（まぁ生活リズムを本人の自己決定で決めると言う選択肢については、デメリットも多く、今回はスルーします。）

いろんな職員が入れ代わり立ち代わりどうやったら起きてもらえるか？と。朝夕のミーティングでもみんなで相談していました。
「今日はこうやってみたがダメだった」との報告ばかり。

あなただったら、どんな対応をしますか？
もしくはあなたがこの利用者の立場だったらどうしてほしいですか？
その答えも一つではありません。正解はありません。

私たちのチームでは、いろんな手をつくしてやっとうまくいった時の方法が「社長。役員が全員揃いました。社長が出席していただかないと会議が始められないのです。」
と言ったところ「おぉ。そうか。じゃあ行くか」と。ご機嫌。
どうして起きたくないのか？どうしたら起きたくなるのか？
相手の経歴や性格から相手の立場にたって考えた声掛け。
これがうまくいった時は嬉しかったのを今でも覚えています。

経緯はともかく、無理やりではなく本人の自己決定で起きると
言う選択をしたわけです。

もしこの方が料理好きな人だったり、絵を書くことが好きだったり、本を読むことが好きだったり、専業主婦だったり、以前職人さんだったり、それぞれで対応は違ってきたと思います。

たとえ自己決定や意思表示ができなくなっても、
みんながそうだからとか、それが普通だからと言うことではなく、
自分を知ってもらい、その上で自己決定を助けてほしいと思いませんか？

私はそんな関りが好きで、長い間介護の仕事を続けてきたのだと思います。その人の生活歴や性格などを考え、残りの人生少しでも穏やかに笑顔で過ごしてほしい。
そして笑顔が増えた利用者の変化を見た時、私はとても幸せを感じます。

どんな人でも、どんな環境の人でも自己決定で人生をおくることができる世の中。そんなことが当たり前になる世の中になってほしいです。

その為に今の私にできることは何だろう？
noteの投稿がその一つ。他には？

ちなみに世界幸福度ランキング２０２４
日本は１４３か国中５１位だそうです。
あなたはこの結果を知ってランクが高いと思いますか？
それとも低いと思いますか？
そしてそんな日本で、子供たちがこれから暮らしていくことについて
どう思いますか？

この記事が誰かの役にたちますように。

そんな思いをコーチングにもこめて、コーチやってます！！