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なめくじパトロールとアザラシの話

カナダはようやく、春らしくなってきました。
今年で8年目を迎える実験!家庭菜園ですが、毎年試行錯誤しながら、カメの歩みで学んでいます。

去年は「苗は手を掛けなければいけない」ことを学習しました(遅い)。
ですので、今年は今まで以上に定期的に水やりをして、苗づくりのスキルをアップするのが目標。
実はコロナのおかげで、毎日のスケジュールが以前より安定したので、結構いい感じで頑張っています。

そして、この数日はやっと朝から気持ちよい気候になったので

起きる→歯磨き→水を飲む→苗に水やり

と、毎日がスタート。
それで、せっかく外に出るのだからと、早朝ならではの「なめくじパトロール」も、昨日から始めてみました。

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「なめくじパトロール」とは?
畑に植えたまだ若い苗は、ややもするとなめくじに食べられ全滅してしまいます。特にパーマカルチャーや自然農法の「土を枯草等で覆う方式」は、なめくじの温床となりがち。
その対策として、なめくじをハンドピック(手で取る)。
なめくじが活発に活動する早朝に行うのがベスト。
(井上語録)

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ちなみに、うちの裏庭はこんな感じです。

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( ↑ 旦那の遊び場・春の風景)

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( ↑ わたしの遊び場・夏の風景)

この写真、いい感じで映ってますけど、最初は本当にもう大変でした(笑)
その「大変」のひとつが、なめくじ問題だったのです。

パーマカルチャーで畑の準備をして間もなく、そこはなめくじ天国となりました。本当に、すごかった!!!
それで農業の師匠に相談したところ、卵の殻、塩、銅とかいろいろ教えてもらったんですが、一番早くて効果的なのは「手で取り除く」とのこと。
その年は、それはそれはもう、たくさんのなめくじを取りました…

あれから早7年。
久しぶりになめくじパトロールをしてみて、その数がずっと少なくなっていることを実感しました。

考えてみれば当たり前のことなんですが、自然界は常に、食物連鎖のバランスでできています。
最初の年になめくじが超大発生したのは、なめくじさんのお食事となる草などが、大量に畑に持ち込まれたから。そこは住処としても最適ですので、当然なめくじ人口(?)は爆発的に増えます。

しかし、作物を育てたくてわざわざ畑を作った人間としては、なめくじに幅を効かされては困ります。
そこで我々は対策を考えるのですが、自然と調和型の発想では「どうやって抹殺しようか」ではなく「どうやって数を減らそうか」となります。

なめくじも自然の一部なので、なめくじのお役目というのがあるはずですよね。なので「抹殺」はよろしくありません。
そこまでするんじゃなくて、人間の事情含め、他の生態系とのバランスの中で適度な数にとどまってくれるよう、間引きしようという発想です。

そこで、自然界ではいったい誰(何)がなめくじを必要としているのかを少し調べてみたんですが、なめくじを食べる動物と言えばカモとか雁くらい。
なめくじ、意外と敵が少ない!
しかも、カモとか雁って言われたって・・・
鳥は鳥で、畑運営側としては困ってしまう面も多いのです。彼らは土をほじくったり、野菜を食べちゃったりするので、現実的な対策ではありません。しかも旦那「鳥は飼わない」って宣言してるし。

(どうでもいいですけど、うちの隣は牛を飼ってます。そのお隣がアヒル)

ちょっと話が長くなりましたが、そういう訳で、なめくじパトロールは「処理」でなく「マネージメント」です。

というわけで今朝、ひとり黙々と(いえ、本当はぶつぶつ独り言を言いつつ)なめくじを取りながら、思い出したのがアザラシの話。

数週間前に、歴史好きの息子がインターネットで見つけた情報を、楽しそうに教えてくれました。
それは、どこだったかの国で、皮がお金になると分かった人間がアザラシを捕獲し出し、一猟師が一日に200頭(?)をも乱獲するようになった。
その結果、10万頭(?)いたアザラシが、12頭(?)に。
さすがに問題となり、保護された結果、1000頭(?)以上に数が回復している、という感じ。

(注:?が付いている数字含め、詳細はうろ覚えです。事実との照合は取れていません)

なめくじパトロールするわたしは、なめくじハンター。
取らなければなめくじに世界を占領されるが、取り過ぎればナメクジは絶滅の危機に!

というわけで、やっぱり何事も「ほどほど」が大切なのかも、と思いました。

といっても、正直な話、手で取るくらいじゃなめくじも雑草も、絶対絶滅しないと確信を持って言えます。あいつらは、本当にタフ。じゃんじゃん子孫作って、ちょっと油断したらバンバン出てきます。

たぶん、アザラシもその口かな。ちょっと保護したら、結構すぐ数が増えたね。だからといって乱獲オッケーという意味では無くて、何事もバランス。
そして、間引きしたものからいただく恩恵には、心から感謝することが大切だと思います。

雑草も、お役目があることも承知しているのです。
雑草はそのタフさで、硬くて貧弱な土にも食い込んでいく「特攻隊」の役目をはたしている。
しかし、特攻隊が多すぎると、それはそれで一般庶民は困るのです。

なので、わたしは「ごめんなさいね」といいながら、容赦なく間引きしています。

一方で、守っても守っても、お役目は終えましたとでも言うかのように、消えて行く種も存在します。
長い長いスパンと大きなスケールで考えた時、自然の淘汰や新しい種の出現、それらの複雑な絡み合いは、わたしの小さな脳みその理解を超えたところにあると感じます。

なんてことを、なめくじパトロールしながら、考えていた今日の朝です。

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