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ゼロから始める伊賀の米づくり27:冬。農閑期のお手入れ

風が冷たく、強く吹き荒ぶ冬。

9月の初めに収穫を終え、気温も下がり、草木の色合いも黄色や茶色く染まる頃。

農閑期である冬にも、兼業米農家としてはやることがあります。主に、手入れです。

田んぼの手入れ、機械の手入れ、作業場の手入れです。

動作確認のために田植え機のバッテリーを充電している間、屋久島の旅で発想を得たあるものを準備します。

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こちら、背負子に籠を設置したものです。
屋久島ではこれに薪用の流木拾いに行きましたが、今回はこれで田んぼに石拾いに行くことにしました。

昨年から少し装備も充実し、気分も爽快です🌱


石を拾うのは、苗の生育を促進する為、また、トラクター🚜で田んぼを耕す際に爪に石が噛まないようにする為です。

曽祖父や祖父の時代はせっせと拾っていたそうですが、父の代になって8年ほど。放置されていたものを昨年から再開しました。

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石を拾った翌日には、トラクターで一度耕す予定です。背中にはおよそ20kgほどの石が溜まってくると、さすがに移動も大変になってきます。

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神社の前の田んぼは、神様に見てもらっていると感じつつ、無礼のないよう手抜きも無しで黙々と石を拾います。

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拾ってみると、このような拳大の石も結構出てきます。トラクターで耕すことで、地表と地中の土が攪拌されるわけですが、その為にこのような石が次から次へと出てくるわけです。

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しかし、中にはこんな困ったものも。何かビニール袋のパッケージのようです。

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さらには、半ば土と一体化したペットボトルまで!

辺りは人目につきやすい為、堂々とゴミを捨てる人は少ないですが、少ないながらもこうされるとやはり田んぼの中では目立ちます。

せっせと背負子に括り付けた籠に放り込みます。

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一段落すると、このような状態になりました。

裸足で歩いても気持ちの良い田んぼをめざし、またトラクターでの耕起の折に石拾いは続けていこうと思います。

さぁ!石拾いが一段落し、田植え機のエンジン周りも確認し終え、冬のトラクター耕起を始めます。

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何度もトラクターに乗っていると、徐々に運転テクニックも上達してきました。

トラクターで土を耕していると、土の偏りが出てくるものです。

トラクターが進行方向の向きを変えて切り返す時には、タイヤの轍ができ、凸凹とした地形を作ってしまいます。

また、トラクターは田んぼの土を耕す時は、前方の土を後ろに流していく仕様になっています。

このような土の偏りを、轍の場合は小まめな爪の上げ下ろしで均等に平になるように操作し、

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運転席右手の油圧レバーで、ロータリー(回転する爪)の上げ下ろしを行います

端に寄ってしまう土の偏りは、爪の回転方向を逆回転させる『逆転』を使い、田んぼの内側に土を送ります。

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運転席左手、一番手前のギアでロータリーの回転速度と回転の向きを調整します


このような小まめな操作も、雨の少ない固い土の場合、雨上がりの柔らかく粘り気の強い土の場合等、前後の天候と土のコンディションによって判断して変えていきます。

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仕上げてみると、このようになりました。随分きれいに均されたように見えます。

気持ちの良い冬晴れの天気も手伝って、スッキリ爽快な気分です🌱

この爽快感は、やはり現地で味わうのが一番。

日々の道具の手入れや土地の手入れも適度に行い、今年の農仕事としては一区切りがつきました。

いや、その過程をこうして記事に残すことで、農に関心を持つ人の理解の助けになる取り組みも残っていました。

これにて、2021年の農仕事は一段落。お疲れ様でした🌱

また来年も無事に米づくりをしていければ幸いです。


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大森 雄貴 / Yuki Omori
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