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竹籠づくり雑録①

わたしの作っている竹籠は、秋の虫を入れて音色を楽しむための虫籠の要素が強い品物。

本当なら今頃、大活躍してたんだろうな昔は…。いや、ちょっと遅いくらいか。

このコロナのおかげで今のところストップしてしまっているのだけれど、今年初め、おもしろい情報が入ってきていた。

同神社から、竹籠史料と同じく流出していた絵巻物が、昨年の古本市に出ていたという目撃情報だ。

その絵巻物の内容というのがまた興味深い。

虫籠の中に入れる虫たちの記録だというのである。
優雅な貴族の手遊びなのだから、中に入れる虫も厳選されていたり、順位がつけられていたに違いない。
もしかしたらその日ごとに入れる虫が決まってたりしていたかもしれない。

その虫たちが、当時の神職の手で絵巻物にされているなんて、それはなんとしても一度拝見したい。

ところが、この絵巻物、誰かに既に購入されてしまっているらしい。京都の歴史深い古本市だ、全国から人が集まる。見つけるのはなかなか大変だろう。

その絵巻物を見たという人が京都のある大学で虫の研究をされておられる方で、わたしの竹籠に関心を寄せてくださったらしい。

それでわたしの元に、神社の御当主を通じて絵巻物の話が来たのである。

本来なら今年の3月にお会いしてお話をしましょうというところまで話が進んでいたのだった。
買われていった絵巻物もできれば探そうと。

ワクワクする話なんだよなあ。
早くコロナが治まって、それを探しに行きたい。

でもとりあえず今は、自分の足元を固めよう。
まずは自分の健康。
それから、竹の調達に、籠の製作に、ミニサイズの籠の試作。
できることを、できるときに、一歩一歩。

いつかまた駆け出せる日がくるまでに、道を整えておくのだ。

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