SDGs 8: ④質の高い教育をみんなに
おはようございます。
今日もキンキンに冷え込んで寒いね、と思ったらこの冬僕の観測史上初のマイナス気温。寒いわけだね。
さてSDGsに関して学び始めたけれど、今日からは実際にSDGsの17の目標を具体的に見ていきたい。
今日は4つ目の『質の高い教育をみんなに』から見ていこう。
持続可能な開発目標
持続可能な開発目標(英語: Sustainable Development Goals、略称: SDGs)は、2015年9月25日に国連総会で採択された、持続可能な開発のための17の国際目標である。さらにその下に、169の達成基準と232の指標が決められている。
質の高い教育をみんなに
「質の高い教育をみんなに」は、すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進することを目指している。世界では、紛争・貧困などにより教育を受ける場を奪われている人たちがいる。また「日本は関係ない」と思われがちだが、国内の7人にひとりの子どもが相対的貧困に直面している。
質の高い教育は、持続可能な生活の維持能力を与え、貧困の連鎖を断ち切るだけではなく、不平等の是正やジェンダーの平等などの達成にも貢献する。つまり、教育はSDGsの目標達成において他の目標を理解し実践するための必要不可欠な要素だといえる。
教育が受けられないことは、大人になってからの人生にも大きな影響を与える。学校に通えず文字の読み書きや計算などの教育を受けられないことで、まず識字の問題が発生する。文字の読み書きができなければ、読書や筆記もできません。その状態では仕事に就くこともままならず、収入の不安定にもつながります。結果として貧困が子どもたちの世代へと受け継がれる、負のスパイラルに陥ることになってしまうのだ。
このように必要な情報や知識を得られない環境では、社会に取り残される懸念もあり早急な解決が求められている。「質の高い教育をみんなに」という目標は、SDGsのもとになったMDGs(Millennium Development Goals)においても、目標2「初等教育の完全普及の達成」として掲げられていた。
MDGsが設定され、世界の国々はその達成に向けて取り組んだ結果、小学校に通う子どもたちの数は史上最高に達し、それまで男児に比べて低かった女児の就学率もほぼ同じになるなど一定の成果が見られている。
なお「質の高い教育をみんなに」という目標には、以下の7つの具体的な達成目標が設けられている。
それぞれの項目の達成目標
4.1 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育および中等教育を修了できるようにする
4.2 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達支援、ケアおよび就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする
4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手頃な価格で質の高い技術教育、職業教育および大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする
4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事および起業に必要な技術を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差をなくし、障がい者、先住民および脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする
4.6 2030年までに、すべての若者および大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力および基本的計算能力を身に付けられるようにする
4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育および持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和および非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、すべての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識および技能を習得できるようにする
4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。
4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員養成のための国際協力などを通じて、資格を持つ教員の数を大幅に増加させる。
「質の高い教育をみんなに」はなぜ必要か
世界のすべての子どもたちが教育を受ける権利を持っているが、世界では、小・中・高校レベルの教育年齢にある6~17歳までの子ども・若者のおよそ6人にひとり、約2億5,000万人が学校に通えない状況です(2019年7月時点)。
教育を受けられない理由は、貧困や飢餓という「生きる」ことに目が向けられ、「学校に通わせたところで意味がない」と考える親たちがいるところが大きい。
また、未来を担う人材育成のための教育環境を整えるという根本的な理解が広がらず、教育の普及を妨げていると考えられている。
教育を受けられない子どもたちは「受けたくても受けられない」状況にあることが見て取れる。
国や地域などの事象が絡み合って、読み書きすら思い通りにできない人たちが約7億7,300万人いるとされている。もし、すべての学生たちが基礎的な読解力を身につけることができれば、その多くの人たちが貧困から抜け出す可能性が高まる。教育が受けられない理由は、大きく分けて5つあります。
理由背景
1. 先生が足りない・学校があっても先生が足りなくて授業を受けられない
教師として子どもたちに教育できる大人が、十分な知識を持っているとは限らない
2. お金に余裕がない・生活をすることが精一杯で、学校に通うお金がない
家事や幼児の子育ては子どもが担っており、両親が働きに出ている間は小さな兄弟姉妹の面倒を見なくてはならない
飲み水などを確保するための水道や井戸がない地域では水くみも子どもたちの仕事
3. 親が学校に行かせてくれない・子どもを働かせた方が家計のためになると考える親や女性には教育は必要ないと考えている親がいる
女性よりも男性が優遇される慣習が残る地域も多く、貧困家庭の場合は男性を優先的に学校へ通わせている
4. 病気・医療が遅れていたり不衛生な暮らしを余儀なくされていたり、病気にかかりやすい治療も満足に受けられず学校に通えないこともある
5. 戦争・紛争の際学校は訓練所や避難所に指定され、学校が攻撃されることもあるため、安心して学校に通える環境ではない
世界における解決への取り組み事例
貧困層が多い国では、女性だからという理由で教育を受けられないこともあり、そんな中で、トイレがないことも女性が学校に通えない理由の一つに挙げられている。そのため、学校に女子トイレを設置する取り組みも行われている。
また、水などの衛生環境の改善はさまざまな問題解決に繋がるが、それは教育においても例外ではない。例えば、水道や給水所の設置は、子どもたちが水くみをする時間を削減できる。また、衛生的な水を手に入れることで、病気になることも減り家族の看病をする時間も減らせる。このため、空いた時間を勉強に充てることが可能になるのだ。
続いて、貧困な家庭が多い開発途上国では両親の共働きが多く家のことや小さい兄弟たちの世話などもしなければならない。そのため、学校へ通える時間がない。
貧困であることは教育を受けること自体への妨げとなる。貧困などの家庭環境で勉強に集中できなかったり居場所がなかったりする子どもたちへの支援も実施されている。
このように労働の担い手である子どもたちは、生活をしていく上で重要な知識を得ることが難しい。また、医療や衛生面などへの知識もないことから病気になりやすく、健康を保つことも厳しい状況でもある。
教育を受けられないことがどれだけの危険性があるのか、そして受けることのメリットなどを広く理解してもらうことが重要なのだ。
また、義務教育に加えて、生涯にわたっての教育社会人の学び直し(リカレント教育)の整備も含んで考える必要性も挙げられている。
日本における取り組み事例
日本でも、小学校と中学校が義務教育であるにもかかわらず、経済的な理由などで学校に通えない子どもたちが存在する。近年は、経済格差と学力格差の関係性が問題視されるようになっている。
文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」では、家庭が自己負担する学習費のうち、60%以上が学校外活動費であることが分かった。つまり、経済的余裕のない家庭では、部活動・塾・習いごとなどのさまざまな学習機会が奪われているのだ。
不登校生徒の増加
また、日本ではここ数年、不登校が急増している。その理由が、家庭の状況や事情によるケースも少なくない。子どもの貧困率は相対的貧困の状態にある18歳未満の子どもの割合を指しており、日本の子どもの7人にひとりが相対的貧困の状態にあるといわれている。こうした子供達は、学習・進路の面だけではなく医療や食事などの生活面での課題もあります。
相対貧困率とは、OECD(経済協力開発機構)によると、「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分(貧困線)に満たない人々の割合」と定義され、国や地域の生活レベルとは関係なく、衣食住における必要最低限の生活水準が満たされない人の割合を指します。
日本における教育格差をどう解決していくのかは、早急に取り組む必要がある課題だ。学習機会が十分に与えられない子どもたちは、学力や能力が低下する傾向が見られ、これは進学の機会を失うとともに、将来の所得格差にも繋がる。
また、過疎化が進む地方では、都会に比べて学習塾や予備校が少ないため、教育機会の不平等も課題となる。
日本においても、開発途上国のような教育問題はないものの、親の経済格差による子どもの教育格差は社会的問題として捉えなければならない。
SDGsの「誰ひとり取り残さない」という共通理念でこうした問題を解決していく必要がある。
解決に向けて私たちにできること
教育という大きな課題に個人で取り組むことは正直難しいが、教育機会があることを知っておくことで、子供も大人も学びたい時に学びやすい環境を多くの人に提供する手助けはできる。もちろん自分がそれを使うことも含めて。特にコロナ禍でオンライン講義が増えたことで、教育コンテンツがインターネットでも見れる様になったのでYouTubeでも自分の興味があるテーマを検索すればそれに関して学べる動画を見つけることができる。
ここでは、体系的に無料で学べるサイトを2つ紹介しておきたい。
1つ目のKhan Academy(カーンアカデミー)は、サルマン・カーンによって2006年に始められた、誰でも無料で学習ができるオンラインの学習プラットフォーム。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが自分の子どもに使わせていたことを公表してから注目され、今はビル&メリンダ・ゲイツ財団から支援を受けながら活動をおこなっている。Khan Academyで提供されている教育分野は、数学、芸術と人文、科学、経済と金融、パートナーコンテンツの五つ。特に興味深いのは、パートナーコンテンツにあるピクサー(映画会社)とのコラボレーションで、映像制作についても触れられている。日本語でも閲覧可能。
日本ではまだ、Khan Academyのようなサイトはないものの、大阪府箕面市に拠点を置く、特定非営利活動法人あっとすくーるでは、ひとり親家庭の子どもたちに学習支援をおこなっている。
ひとり親家庭の貧困率の高さ、ひとり親家庭の大学進学率の低さを改善するため、自身もひとり親家庭で成長した代表の渡剛氏が、経済的負担を抑えながら、通塾できる仕組みを構築。子どもたちの学力アップだけではなく、子どもたちに寄り添った接し方を大切にしている。
こちらの文章は以下のリンクを参考文献として使用しています。
僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。
皆様も、良い一日を。