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『光る君へ』第46話を観て・・・ ※ネタバレあり
みなさん、こんにちは。
NHK大河ドラマ『光る君へ』第46話を視聴いたしました。
タイトルは「刀伊の入寇」でした。
周明との再会
前回の最後にまさかの再会。。。
周明(松下洸平さん)は気まずさのあまり逃げようとしました。
それはそうですよね。
周明はまひろ(吉高さん)が、当時権力を掌握していた左大臣・道長(柄本さん)の愛人と見抜き、力ずくで左大臣へ手紙を書かせて利用しようとした訳です。交易をとりつけるためにまひろを通じて左大臣と交渉しようとしたわけですね。
「殺す」と脅しましたが、たとえまひろが手紙を書いたとしても、天下人道長がほいそれと女の言うことを聞くとは思えません。
史実でも越前での交易は実現していないので、このエピソードに意味はあったのか???と、疑問が残ります。
消化不良な感じで退場した周明がふたたび登場とは・・・。
私はてっきりまひろはこのまま周明と一緒に宋に渡るのではないか、と考えておりました。
平安貴族の初老の女性が女一人で大宰府まで旅をしてくるのもトンデモ設定ですので、いっそ宋に渡ってしまえ、と思っていたのですが、46話最後で周明が流れ矢に当たってしまいます。
この展開どんな意味があったのか???と、これまた疑問。
『紫式部日記』執筆の伏線の為に再登場してさっさと退場ということでしょうか。
それとも周明、実は存えて、やはりまひろと共に宋へ向かうのか???
ともあれ刀伊の入寇で紫式部が襲われるなんて、やっぱり驚きの脚本です。
あと二話で終わりと聞きますが、どうやって収拾するのか心配です。
刀伊の入寇
大宰府の大弐となって下向していた藤原隆家(竜星涼さん)が再登場しました。
彼は兄の伊周(三浦翔平さん)とは違い、道長に忠誠を誓った人物です。
『小右記』にある通り、実資(ロバート秋山さん)とは昵懇の間柄らしく、
患った眼病を癒すために名医がいるという大宰府への下向を願い出たのです。ドラマでもその部分は描かれており、道長に隆家を空席になった大弐の任務を与えるよう進言したのは実資でしたね。
眼病もすっかり癒えて、土着の武士たちとも仲良く、骨太に成長した隆家は逞しくなった印象でした。
何者かの襲撃で博多を守るよう迅速に決断したのも賢明でした。
史実では隆家はこの「刀伊の入寇」で大きな働きをします。
武官ではない宮廷の公卿であった彼が見事に責務を果たしたわけですね。
この件で恩賞をどうするか悶着が起きますが、それは来週のお話ですね。
さて、「刀伊の入寇」についてですが、この正体というのがよくわかりません。
当時の朝廷でもどこの者たちなのかわからずに疑心暗鬼になります。
対馬・壱岐が襲われて、対岸から船にて襲来して来たので、その頃の朝鮮の国はといえば「高麗」と「新羅」です。
その高麗の海賊かと日本の朝廷は疑うのですね。
しかしながら朝鮮の歴史によると、高麗軍もこの海賊たちと交戦したとありますので、そうではないのでしょう。
しかもこの海賊たちは対馬・壱岐の人々を多く捕虜にして連れ去っておりますが、高麗がその捕虜の一部を保護して日本へと返してくれています。
ともあれ日本の朝廷は九州から賊が京へ上ることを危惧して対策を講じなければなりません。
実資は890年代に新羅が襲来してきた過去の例を鑑みて対処すべし、と進言するわけですね。
(これも来週のお話かと・・・)
つくづく紫式部が大宰府に行ったというエピソードがよくわかりません。
栄華物語
赤染衛門(鳳稀かなめさん)に道長の世の栄華を記してほしいと依頼した倫子(黒木華さん)はその冒頭に怪訝な表情を表します。
それは宇多天皇のお話から始まったからです。
ここで詳しく解説しますと、天皇の子がすべて皇籍にあると皇族が増えすぎてしまうという問題が起こり始めました。
そこで宇多天皇は後に醍醐天皇となる皇子以外を臣下に下しました。
これが「宇多源氏」の始まりです。
道長の栄華というのは妻の倫子の財力、ひいてはその父であった大臣の源雅信(益岡徹さん)の引き立てによるものでした。
この血統こそ宇多源氏であり、赤染衛門はそのことを踏まえて歴史を描いた「栄華物語」を書き記したのです。
実際に当時仮名文字で書かれた歴史書は存在せず、赤染衛門の深い知識と歴史を正確になぞったこの書籍は現在の我々にも大いに役立つ書籍となりました。
清少納言の「枕草子」。
紫式部の「源氏物語」。
そして、赤染衛門の「栄華物語」。
まさに女流作家の文学が花開いた時代ですね。
さてさて、第46話のラスト。。。
「アッ」と声を出してしまったのは私だけではないでしょう。
周明やはり退場か?
それとも延命で話は宋へ続くのか???
では、また来週☆