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なんとも雅な『初音』の帖について

みなさん、こんにちは。
本日は「初音」の帖について書きたいと思います。
この帖は平安貴族の雅な住こなしや行事などが多く描かれている部分だと思います。
さすがの私もここでは創作を控えました。
 
物語はその年が明けたところから始まります。
新年を言祝いで長寿を祝う。
初めての子の日に根引き松を植え替える行事のことは源氏物語では二、三度描かれておりますね。
そして鏡餅を飾って一年息災に過ごすことを祈る場面が描かれております。
源氏が六条に広大な屋敷を構えて初めての年賀はまさに栄華を極めた様子がそこかしこに伺えます。
女君たちに用意した装束をそれぞれ塩梅はどのようか、と新年の挨拶がてら見て回るというのも絢爛な印象ですね。
そして男踏歌で締めくくられます。
これは唐から渡ってきた宮中行事ですが、普段邸奥にて起居する女性たちにはお正月の楽しい催しであったでしょう。
名だたる美しい貴公子たちが行列を為して朗々と歌を披露するのは見ごたえのある光景に違いありません。
先頭はもちろん当代一といわれる夕霧が務め、柏木や声に自信のある若者たちがそれぞれ艶やかな装束を競いながら帝を始め、貴人の邸を巡ってゆくのです。
平安の雅、実に想像力を掻き立てられる帖でした。

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