卒業のアンビバレンス
卒業の日。
別れの悲しみと未来への希望。
相反する気持ちが入り混じる、そんな1日。
同一の対象に対して、相反する感情を持つことを「アンビバレンス」という。
卒業はまさに「アンビバレンス」だ。
俵万智さん詩集「かぜのてのひら」にこんな短歌がある。
早春のアンビバレンス日記にはただ<∞(無限大)>の記号をしるす
俵万智「かぜのてのひら」(河出文庫)
出会いと別れが交差する春。
その複雑な感情は「アンビバレンス」。
言葉で表すのは難しい。
だから<∞(無限大)>。
この<∞(無限大)>には、何がこめられているのだろう。
将来への不安がありながらも、
前へ進んでいこうとする未来への希望を強く感じる。
未来の自分はどうなるかわからない。
逆に言えば、なんにだってなれる。
だから<∞(無限大)>。
今年度卒業された皆様、ご卒業おめでとうございます。
※紹介した短歌はこちらの本に載っています。