世界一短い詩って知ってる?
突然ですが、みなさん世界一短い詩って知っていますか?
「知ってるよ。俳句でしょ。」と思ったあなた。
ちょっと待ってください。
実は、もっと短い詩が日本に存在するのです。
それは、草野心平さんの「冬眠」という詩です。
冬眠
●
どうですか?究極に短いですよね。
この「●」は一体何を表しているのでしょう。
その謎を解くには、4年生の教科書にも載っている詩がヒントになります。
春のうた
かえるは冬のあいだは土の中にいて春になると地上に出てきます。
そしてはじめの日のうた。
ほっ まぶしいな。
ほっ うれしいな。
みずは つるつる。
かぜは そよそよ。
ケルルン クック。
ああいいにおいだ。
ケルルン クック。
ほっ いぬのふぐりがさいている。
ほっ おおきなくもがうごいてくる。
ケルルン クック。
ケルルン クック。
もう分かりましたね。
先ほどの「●」は、かえるが冬眠している様子を表しているのです。
草野心平さんは、「かえるの詩人」と呼ばれるほどの、かえる好き。かえるをテーマにした詩がとても多いんです。
N H KのEテレで放送している「にほんごであそぼ」という番組で、野村萬斎さんが朗読していた「おれも眠ろう」という詩もその一つ。
おれも眠ろう
るるり。
りりり。
るるり。
りりり。
るるり。
りりり。
るるり。
るるり。
りりり。
るるり。
るるり。
るるり。
りりり。
二匹のかえるが、ささやきあう声が聞こえます。
他にも、「ごびらっぷの独白」という詩は、かえる語で書いあって面白いです。ちゃんと日本語訳もついています。
ちなみに、教科書に乗っている「はるのうた」という詩は、4月の教材です。
私は、4年生の最初の授業参観のときに、この草野心平さんの詩を扱いました。
教科書の絵は見せずに、「かえる」を題材にした詩を幾つか見せるのです。
そして、子どもたちに
「これはすべてある動物を描いている詩です。何だと思いますか。」
と問いかけました。
言葉の一つ一つに着目し、想像を広げる子どもたち。保護者の方も一緒に楽しみながら考えられるので、おすすめです。
世界一短い詩、「冬眠」
それは、かえるを愛し、その姿を詩で表現しようとした草野心平さんが生み出したもの。
一つの記号で、情景を想像させるなんて、「言葉の力」を感じませんか。
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