映像化、、しきれなかったのかもしれない。映画「蜜蜂と遠雷」
劇場の予告編を観て興味があったのに見逃していた
「蜜蜂と遠雷」がアマゾンプライムで観られるようになったので鑑賞。
映像化不可能と言われた、恩田陸の小説を見事に映像化!
みたいなキャッチフレーズだったし、
キャストがわたしが好きな松岡茉優、松阪桃李出てるし、もともとピアノを聞くのも大好きなので、そりゃ観るでしょ!な感じだったのを見逃していたので飛びついた。
ちなみに原作は買ったけど読んでない。
主婦は細切れ時間が多いので、分厚い小説をゆったり読むことはなかなか叶わず、なかなか手が出なくなってしまい、積ん読状態だ。
原作を忠実に映像化してくれているなら、いっそのこと原作読まなくて済むかも?なんていつものコスパ感とズボラ癖で思っていたが、この映画に関しては、たぶん違うかも・・・と思った。
別につまらないわけではない。
だけどきっと、原作を読んだ人は分かるけど、読んでない人にはその行間が読めないような「端折った感」が随所にみられる。
原作はかなり分厚いので情報量も多いはずだ。そこに細かく描かれている登場人物の背景や前提が2時間の映像作品として見せるとき、どうしても「匂わせ」的になってしまうというか。
冒頭から何回か、木々の間を走り抜ける馬がイメージ映像として出てくるのだが、原作を知らないわたしからすると
「ん?なんて馬が走ってるの?」
と「?」マークが飛び交いまくる。
でもきっと小説には書き込まれていて、
それを映像として表現しているのであろう。
だからきっと、小説を読んだ人と、読んでない人では、映画の感想がかなり異なる気がする。
小説を読んでいる人は、その行間を情報で埋められるので、映画の満足度は小説の中の登場人物のキャスティングがいかに成功しているかだったり、ストーリーのテンポだったり、そっちに気持ちが行くのかなと思う。
実際、原作を知らないままで観ても、それなりに面白く見られる。
松岡茉優はかわいいし、松阪桃李も好演。でもいつも通りの通常モード。
逆に期待してなかった森崎ウィンが健闘していて、あと英語うまいねってネイティブだから当たり前かっていうオバカな感想だったり、斉藤由貴がコンクールの審査委員長だったり、ストーリーのテンポも悪くないし、ピアノの演奏も良い。
でもなんだか、、普通のドラマ。って感じだった。
小説を読めばきっと、その隙間を自分で埋められて、もっともっと好印象になりそうな気がする。か、または小説を読んで自分の脳内で仕上がっていたイメージが崩れて残念になるか。
いずれにせよ、この映画を観ることで手に取っていなかった小説を読んでみよう、と思えたのが収穫だった。
あまり褒めてなくてすいません。
しかし、本編より予告編のほうが面白い映画というのは割とあって、
本編がグダグダなのに、そこからいいシーンを搾り取って全部予告編に詰め込んだら、予告編の映像が見せ場のすべてで、本編が出がらしだったなんて映画もあるのだが、、、
この映画はそこまででもないし、普通に観られる作品なのに、
予告編の出来が良すぎて、逆に本編がかすんで見えてしまうちょっと残念な作品かもしれない。
ちょい辛口で申し訳ないが、「原作を読みたくなる映画」ということにしておこう。