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「うちの子、スマホばっかり見て」と思うときに感じる自己矛盾について考えてみた


「うちの子スマホばっかり見て」
と言ったことないママさんはいないだろう。

わたしも、そんな話をよくする。
ほんと、スマホばっかり見てるんだもの。

けれど、わたしの場合、やみくもに制限をするのではなく、子どもがスマホで何をしているかをよく見るようにしている。

スマホを持たせる家、持たせない家。子どもが未成年のうちは、いつデビューさせるか、使う時間が制限できるか、変なサイトを見てしまわないか、課金を勝手にしてしまわないか、心配だらけだ。

わが家の息子は小6の春にスマホデビューした。それまでは、よくショッピングセンターでいなくなるのでキッズケータイを持たせていた。けれど中学受験の塾に通っていて、先生が板書をスマホで撮影していいよ、と言ったりで、ツールとしてのスマホがそろそろ必要かな、と思ったからだ。

持たせてすぐは、フィルタリングをかけたブラウザで見せていたが、そのうち好きなyoutubeの動画にコメントしたい、と言い始めて、コメントをするためにはGoogleのアカウントが必要で、制限を外さなくてはいけなくなった。

わたしはSNSを活用する方なので、好きなユーチューバーにコメントしたい気持ちもわかるので、課金や変なサイトっぽいものは必ず確認してね、と念を押して、そこからフィルタリングも解除。

いちおう深夜まで使うのはやめようということで、23時半でyoutubeなどは見られなくなる設定になっている。

そんな我が家の状況をお伝えしたうえで、スマホに関するあれこれについて考えてみようと思う。あくまで個人の感想です。


1.スマホはダメで、テレビは無制限にOKなのはなぜ?


知り合いに、スマホ拒否症みたいなママがいる。まだ子どもが小さいから、スマホにへばりつくのを避けたいのはわかる。


けれど、とにかく時間制限の制限の仕方がキッチリしていてすごい。動画は絶対10分経ったら強制終了。子どもが泣いてもわめいても終了。家だけならまだしも、外出先でも家ルール適用だ。大人の外出に飽きてしまっても、スマホ動画は10分。余計に愚図る。

NHKの子供番組でさえ15分あるのに、10分で見られる動画なんて限られている。10分だったらだいたいのコンテンツが「途中で終了」だ。そりゃ殺生な、とわたしが思ってしまう。

「スマホばっかり見て」る状態に育てたくない気持ちはとても分かるし、教育の方針は家庭ごとに違うが、なんだか見ていて疲れる。

ちなみにそのご家庭は、家ではテレビ見放題。だから、「なんで、テレビは無制限でOKなのに、スマホはダメなんだろう」という不思議な気持ちになる。

大人が生きたい外出先に、子どもが行きたいとは限らないし、すぐ飽きるのが子どもという生きものだ。息子が小さいころ、外出先で愚図られたら困ると思って、当時はまだスマホがなかったのでポータブルDVDプレーヤーを購入して、帰省に備えた。ずっと愚図られたら、楽しくないし、こっちがもたないし。

だから、その様子を見ていると、大きなお世話ながら、もう少し工夫したらよいのに、と考えてしまう。

スマホがダメだと泣かせるくらいなら、「これならOK」と思える飽きないものを持参するとか工夫したらどうだろう。DVDがよくてスマホがダメなら、「スマホで見る映画やテレビ番組ならオッケーにしたらいいのに」とか、テレビ見放題なのにスマホはダメって「矛盾してるよなぁ」と感じてしまうのだ。

スマホで映画を観るのと、テレビで映画を観るのと、何が違うのだろう?どちらかというとスマホで見る方が利便性が高いと思う。

2.親はよくて、子どもがダメ。なんで?


息子は昔から理屈っぽいし、わたしも結構理屈っぽいので、「親がやっててよいのに、なんで子どもはダメなの?」という問いが発生する。果たして、わたしはその問いに答えられない。

「まだ子供だから」という理由が納得いかないのだ。

お酒やたばこは「まだ子供だから」で禁止になるのはわかる。成長を阻害する、という意味合いで。

そうはいっても、「スマホばっかり見て」いる自分の子どもが「スマホ中毒」で「スマホ脳」になってしまうのではと不安になる気持ちもわかる。

だが、ちょっとだけ引いて見てみると、自分はどうだろう?
スマホでLINEして、メールして、電話して、ZOOMして、ゲームして、調べものをして、録画して、写真を撮って、動画を見ている。
仕事先でも、お店の専用スマホ端末で通販の写真を撮っている。傍から見て遊んでると思われないか不安になるくらい、スマホで作業している。


スマホでできることが増えれば増えるほど、自分もスマホばっかり見てる。ということになるのだ。

youtubeばっかりエンドレスで見てしまう問題も、わかるといえばわかる。関連動画がたくさん出てきて、エンドレスになりがちなので、ダラダラと時間を費やしやすい。

だけど、youtubeがいけないなら、エンドレスにBTSの関連動画を見てしまうわたしがよくて、息子がダメな理由はなんだろう?

家にいるときにはスマホに制限時間があって、子連れでお出かけして友達とおしゃべりに夢中になって、子どもが飽きて帰りたいと言ったら「じゃあスマホ見てていいよ」って言うんだけど、なんで?

子どもが小さい時には、いっぱしに「親っぽいしつけ」をしなくちゃと、あれこれトライしたが、何を隠そう、それをやっている自分自身に上記のような矛盾を感じて、イライラしていた。

なので、もう制限するのをやめた。だって自己矛盾で自己嫌悪になるのだもの。それで親子そろって機嫌が悪くなるんだもの。

子どもにそれを強制するなら、子どもに制限が必要な理由と、自分がエンドレススマホをする大義名分か、または必要性を説明する必要がある。わたしはもともと生き方がいい加減で、きっちりしていないので、そこまできちんと説明できないから、「まあ、変な使い方しないで、常識的にやりましょう」みたいなザックリした指導しかできないと諦めた。

結局大事なのはスマホの制限ではなくて、スマホでダラダラ動画を見ているその姿が気になるのと、スマホ以外に「やることやっているかどうか」が気になるということではないだろうか、とも思う。

3.スマホは、なんでもできる「ただの便利ツール」


スマホは、動画を見たりゲームをするためだけのツールではなく「なんでもできる」ツールだ。

いまやスマホで参加する、「みんなの自習室」があったり、動画で授業を受けたりできる。ゲームもできる、友達とおしゃべりもできる。調べものもできる。なんでもできるスマホだから、「使いよう」が大事だ。バカとはさみと一緒ね。

スマホが勉強ツールになる時間が増えている。通っている個別塾が参加しているスマホで自習室システム「みんなの学習室」なんていうのも、手元だけ映してひたすら自習するという仕組み。

ひとりだとサボっちゃうけど、誰かの視線があれば集中できるという人には好評なようだ。残念ながらうちの息子は勉強の必要性を感じていないので、なんとなくフェイドアウトで参加しなくなってしまったが、「勉強しなくちゃと思ってるけど、ついついだらける」タイプの方にはおすすめだ。

さらに今や参考書の補足ツールはすべてスマホで視聴するシステムに変わっている。昔は語学参考書にCDだのついていたが、今はスマホでリスニングの音源が聞ける。息子の英検の過去問のリスニング音源も、スマホで聞ける。息子のスマホに入れさせようとしたが拒否され、過去問はわたしのスマホに入れたリスニングアプリから聞かせた。

コロナでオンライン学習になり、スマホでは大きさが限界なので、ipadを購入した。基本スマホと一緒だが、要は勉強にも必須のツールとなっているのだ。スマホ禁止とか言ってる場合じゃなくなってて、スマホ必須の世の中になってきているなぁと思う。

だから「やみくもに禁止」ではなく、「どう使うか」に焦点を当てるのが必要だなと思っている。


4.子どもはスマホで何をしているのか?

スマホが「なんでもできるツール」だからこそ、子どもがスマホで何をしているか?を見ることが必要なのかなと思う。

そこから「子どもの興味・関心」を読み取ることができるからだ。

息子でいえば、

・うまいゲーム実況者の解説を見て、練習の仕方を学ぶ
・ベイブレードの解説者の解説を見て、組み合わせを研究して、実践する
・ゲームのコントローラーが不調になったら、youtubeを見て自力で直す
・わたしが不在の際、ごはんを炊くのに、動画を見て炊き方を調べる
・無料マンガで、紙で発行されている漫画を読む
・好きな音楽を聴く
・LINE通話で、友達とおしゃべりしながらゲームをする

など。ゲーム関連のことがほとんどだが、うまい人の解説を見て練習するのは、勉強のユーチューバーの動画を見て勉強するのと同じだからまあいいか、と思うし、ごはんを炊くのに勝手に調べて炊いてくれるのは、むしろ助かる。マンガも、紙で買ってばかりでは、かさばるし、お金もかさむ。どこからか無料で読める漫画を見つけて読んでいるので助かる。

わたしの解釈が拡大解釈なのかもしれないが、「別にいいじゃん」という使い方ばかりなので、止めようがない。

うちは人間関係が薄目な男子なので、深夜まで終わらないLINEトークとか、そういう問題は少ないかもしれないが。

5.スマホを取り上げれば勉強するのか?問題。


うちの息子は全然勉強しない。けれど、スマホさえ取り上げれば勉強するか、といえばしない。

スマホを取り上げたくらいで勉強するなら苦労はしない。うちの息子をみくびるな、という感じだ。

ときどき学校疲れで学校を休むことがあるが、その日だけは「デジタルデトックス」として、学校の時間割が終わるまではスマホもゲームもしない、と約束している。調子が悪いのだから、寝てるか、おとなしくしていろと言っている。

スマホやゲームができないのは、もし学校に行っていたら同条件なわけだし、家で休めるだけありがたいということで息子も承諾している。

しかし、スマホもゲームもしないからといって、勉強をするわけではない。漫画を読む、絵を描く。なんか食べる。アナログな時間つぶしはいくらでもあるのだ。うちの子をみくびってはいけない。

6.スマホだからダメなのか、スマホ以外でもダメなのか


「スマホはダメ!」とやみくもに制限していると、どうしても自己矛盾が起こってしまうのではないかと思う。

矛盾を感じないでやれている人には、それなりの理由があるか、またはそこまで考えていないか、なのだが、わたしは気になってしまう。

たとえば、スマホは「なんでもできるツール」なのだから、普通に考えたら、スマホでダメなことは、スマホ以外でもダメだ。

たとえば、エロ動画は、将来的に、息子がこっそり見るかもしれないが、親が積極的に薦めるものではない。リアルだろうが、スマホだろうが、積極的に薦めない。

友達に嫌がらせをするのも、リアルでは当然だが、スマホでもダメ。

非常識な時間に友達に連絡をするのも、日常生活に支障が出るほど夜更かしするのも、うちはリアルだろうがスマホだろうがNG。

スマホの良くない部分といえば、いつまででもエンドレスで見てしまうことくらいだろう。だから、いちおうスクリーンタイムで11時半には動画が見られないようになっている。けれど、結局制限のかかってないわたしのスマホやipadを見ているので、まあ、制限があってないような感じ。

7.子どもへの制限は、結局イタチごっこ


うちはゆるゆるのアマアマで、とにかく日常生活に支障がでないような睡眠時間の確保と、頭痛などがしたら目を休めるなどの注意はしているが、うちくらいユルユルな家も少ないだろうと思うので、大きなことは言えない。

ひそかに「うちの子みたいにはしたくない」と思って育児をしている人もいるだろう。それはそれで、各家庭の方針だ。

ただ、周りのケーススタディで、「あまり制限しすぎても、子どもは抜け道を探すだけ」というケースがあるのでいちおう紹介しておきたい。

ものすごくスマホやゲームに厳しいお宅があるが、自室にこもって、家族が寝静まったころにスマホをいじり倒すのは、けっこうあるあるだ。

親がかけた制限をこっそり解除するとか、子どもってのはどんどん知恵を付けてくるので、やみくもに制限すると、抜け道を探す傾向があると思う。経験則なのでデータはない。

制限の内容を、子どもが許容できる範囲、もしくは納得できている場合は、子どもは言うことを聞いている印象だ。子どもの性格にもよるが、そこを逸脱して厳しさが度を超えるとか、親に交渉の余地がないと判断すると、子どもが抜け道を探す傾向にあるなと思う。

子どもを見張って制限するということは、警察と暴力団や薬物撲滅運動に似ている気がする。要はいたちごっこなのだ。頭脳戦で、徹底的に戦ってやるという気概のある人はそれで良いが、わたしは子どもと協議して、最低ラインだけ守っていればよい、と譲歩した。そのほうが子どもを監視しなくて済むし、自分の生活を優先できるからだ。ずぼらな母のもとに生まれて、いったい息子がどう育つのかは、動物実験的に息子の将来を観測するしかないが。それはわたしが選んだことだから大丈夫。

8.コロナ禍だからこそ、多少譲歩しても笑って過ごすほうを選びたい


そんなこんなで、子どもが勉強しなかったり、スマホばっかり見ててイラついたりで、何かとしんどいことはあるが、コロナ禍で家にいることが多い今日この頃、家の中くらいは平和でいたい。

毎日、できるだけ笑っていたい。明日死んだとしても「まあ、こんなもんか」程度にはしておきたい。

そのためなら、多少のことはいいじゃないか、と思う。こんなにギスギスしてストレスフルな毎日の中に、さらにイライラすることを持ち込んで楽しくない人生を過ごすのはごめんだ。

人生は、今日の積み重ねで出来ているのだから、1日の中でご機嫌な時間が増えれば増えるほど、人生の中のご機嫌な時間が増えていく。

スマホの時間よりも、その先にある子どもの興味を共有して、見守っていきたいと思う今日この頃だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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