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2024年7月の記事一覧
第四十八話 シノノメナギの恋煩い
そしてわたしたちは結婚式を挙げることになったのだ。
あっという間に結婚前日。籍は入れることはできないけど、写真撮影を地元のお寺ですることになった。常田と初めてデートをしたあのお寺で。
大阪の方がいいんじゃ? と思ったら常田がどうしてもっていうから。
常田の体調も安定してこの日を迎えることができた。わたしは先に岐阜に戻っていた。
そして日にちをずらして常田は慶一郎さんの運転でここまで
第四十七話 シノノメナギの恋煩い
「あちらでのお知り合い? 応接室空いてるからそこで話してきたら?」
上司にそう声をかけられた。てかわざわざ大阪まで?! そうか、土曜日だし学校の仕事も休みよね。
久しぶりの仙台さん。今日はグレーのコートにその下はスーツ。
……応接室に通した。卒業制作のことも相談を受けていたが、輝子さん(しか空いてなかった)に引き継いで大丈夫だったかなぁ。
「すいません、アポ無しで」
「……だ、大丈夫で
第四十六話 シノノメナギの恋煩い
しばらく常田と会えない間は、次郎さんが大阪まで来てくれて。(女装はしてなかった)
なぜか夏姐さんも同じタイミングでこっちの研修の帰りにでくわし。そのまま三人でわたしの家で飲んだ。
夏姐さんは相変わらず仕事のことで荒れ模様。
すると次郎さんは好きだった人にふられたと言ったところから夏姐さんと共に二人は意気投合してすごく会話盛り上がってて。その隙に私はお風呂に入って出てきたら二人がキスをして
第四十五話 シノノメナギの恋煩い
あの後からの夕ご飯のきまずさといったら。
とうとうお父様にもわたしが男であることがバレてしまい(ほとんど全裸に近い形だった)、お父様は台所でお茶の用意をしていた。驚くなり怒ったりして顔も合わせてくれなかったらと思ったけど。
お母様はコタツに座って正月番組を見ている。着物でなくて黒のワンピースを着てとてもラフなスタイルである。
「さあさあみんな、すき焼き食べましょうー」
と割烹着姿の慶一郎