フリウリのフリコ
某ファミレスの”フリウリ風フリコ”なるものが話題になり、コンビニでも”フリコ”と称したものが売るようになって久しい今日この頃。コンビニのフリコも美味しかったし、ファミレスのものは食べたことが無いけれど美味しそうだと思っている。
ただ、わたしの知っているフリコと違う…違うのだ。
フリコはチーズがメインで、外側がカリカリに焼けている。フライパンで両面をこんがり焼く。チーズはトロリとするけれど、ジャガイモはとろけるような裏ごしにはしない。
というわけで、フリウリ人のフリコの作り方をご紹介したい。といっても料理人でも料理好きでもない、一般人が作る家庭料理なのだけれど。
【材料】
・ジャガイモ 中2個
・玉ねぎ 1/4個
・チーズ 300g
・バター 大さじ1
・胡椒 少々
【作り方】
①ジャガイモはいちょう切りにして、茹でるか電子レンジで火を通しておく。
玉ねぎは粗みじん、または薄ーくスライス。
チーズもサイコロ状に切っておく。
②フライパンにバターを溶かし、玉ねぎを炒める。
透明になってきたらジャガイモとチーズを入れ、すこし胡椒を挽いて、木べら等で全体を混ぜ合わせる。
③底がカリッとしてきたら大皿を使ってひっくり返し、反対側もこんがりするまで焼く。
これだけ。とても簡単だけど、ひっくり返すときだけはチーズが柔らかいので少し注意が要る。(お好み焼きよりずっと崩れやすい)
本当はモンタッジオというフリウリ地方のチーズを使うのだけれど、日本だとチーズ専門店でないと売ってなく、気軽にたっぷり使うには高すぎるので、ゴーダチーズで代用している。成城石井で売っているオランダ産の大きい塊を丸ごと使う。
なにしろチーズの塊なので、赤ワインとの相性がとても良い。
小さく切ったハムやベーコンを入れても良い。本場ではサラミやプロシュート・コットを入れるらしいのだが、これまた日本だと近所で気軽には売ってない。(というか日本のサラミはイタリアのサラミとは全く違うらしいし、輸入のミラノ風サラミもフリウリのものとは違うらしく、ちょっと正解がわたしにも判っていないのが正直なところ…)
チーズだけで相当な脂なので、肉類を足す際は脂身が多いとかなり胃にもたれるので、それだけは注意されたし。
手元にあるフリコのレシピだけを集めた料理本には、20種類以上のバリエーションが載っている。玉ねぎを揚げていたり、ジャガイモが入らなかったり、小麦粉を使うレシピもある。
フリウリの料理は家庭料理なので、地域や家庭によってさまざまなのだろう。それらに共通する、というかフリコの必要最低条件としては
・チーズがメイン
・表面をカリカリに焼く
のようで、チーズだけのフリコも存在するようだ。
日本に入ってきてローカライズされたフリコも美味しいのだけど、家で作るにはこちらの作り方の方が簡単と思うので、チーズ好きの方はよかったらお試しを。