研修を学びや気づきで終わらせない、研修転移の工夫について。
前回は研修転移とは何か、についてまとめました。
今回は、研修転移をつくる工夫について、まとめていきたいと思います。
参考文献:研修開発入門「研修転移」の理論と実践
研修転移とは、「研修で学んだことが仕事の現場で一般化され、役立てられ、かつその効果が持続されること」(中原2014)です。
研修転移を高めるには、学んだスキルや知識を、できる限り現場に
近づけることが重要です。ですが、研修という場はイコール現場ではありません。
そこで、できる限り研修転移を高めるための工夫を紹介したいと思います。
研修前にアンケートをとる
まず最初に、研修受講する方々へ事前アンケートを取る方法です。これは、受講する方々が「何を学びたいと思っているのか」「何を得たいと思っているのか」ということをしっかり収集することで、できる限り現場が求めていることに近づけていきます。
担当者の方から「コミュニケーションにまつわる研修をしてください」と頼まれたとしたら「なぜコミュニケーションの研修が必要なのか?」「コミュニケーションを身につけることで何を解決していきたいのか?」ということを深堀りしていく必要があります。
そして、「現場は本当にそれを必要としているのか?」という確認も重要です。いわゆる、現場の生声、というものですね。場合によっては、現場へヒアリングさせてもらうこともあります。
研修後のフォローアップ
次は、研修後のフォローアップです。有名な、エビングハウスの忘却曲線というものがあります。
人は学んだことは、1日後に66%忘れ、1週間後に77%忘れ、1ヶ月後に79%忘れるということを表したグラフです。
忘れるということを防ぐには、「繰り返しの復習」が大切になってきます。
この「繰り返しの復習」にもなるのが、研修後のフォローアップです。例えば、私は実際に企業様に研修した3週間後には、参加者一斉にメールをお送りします。
それは、簡単な研修のサマリと、宿題がある場合はそのリマインドです。それだけでも、「こんなことやったな」という復習にもなりますし、「そうだ、宿題で出たな」という記憶にもなります。
それ以外にも、3週間後に、1時間だけ集まって、前回の復習と時間が経って見てからの学びや気づきの場を開く、ということもできるかもしれません。