東京オリンピックの開催まであっという間に10日を切った。 こんなにも盛り上がっていないオリンピック直前は過去類を見ない。 このコロナ禍での強行開催を歓迎している人は少なく、世界の祭典を楽しむ気持ちになれないほど苦しい生活を強いられている人も多いのだから当然だ。特に自粛自粛で我慢しつづけて限界にきている人たちからすれば、オリンピックだけ特別なのはなぜだ、大会だって自粛せよ、と思うのは仕方がない。 ただ、参加するアスリートに後ろめたい思いを抱かせるような社会の風潮は間違って
どうやら、今回の第三波は手強いを通り越し、じわじわと取り返しのつかない状況に私たちを追い込もうとしている。 3月の第一波が回避できたのは、言うまでもなく緊急事態宣言が出された結果だ。あのとき医療側の資源的には極めてギリギリの状況であったが、有名人の逝去やSNSやメディアを通しての世界からの訴えにより危機感を煽った結果、多くの人がようやく自分ごととしてコロナ感染を捉え自己犠牲を伴う行動をとってくれた。 あの時はそういえば天も味方してくれた。3月末の週末に奇跡的とも言える季節外
この記事は、緩和ケア医の西智弘さんが主催の、「わたしたちの暮らしにある人生会議」という公募出版イベント(くわしくはこちら)のエキシビジョンとして書かれました。「人生会議って名前は聞いたことがあるけど、どういうことだろう」。お話を書くのは「発信する医師団」のメンバーたち。命をみつめる医師たちの、個人的なお話をリレー形式で連載します。 第一回 外科医 中山祐次郎 第二回 循環器内科医/産業医 福田芽森 第三回 病理医 榎木英介 第四回 リハビリ医 あつひろ 悔恨の涙
いつからだろう。 ひと昔前まで、医療者が自分の心情や価値観を発信することは、もはやイロモノ扱いでしかなく、なんかちょっと悪いことをしているかのようだった。 面白いもので、世の潮目はSNSを含めた情報社会の発展によってあっという間に変わり、一般の人も病院に行かずして様々な情報を知ることができるようになると、今では医療者も情報は発信していかないといけないようになってきている。 自分が専門の形成・再建外科の場合はどうか。 今「あ、形成外科って美容整形の外科でしょ?」と思った人は