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noteはじめました。

いつからだろう。
ひと昔前まで、医療者が自分の心情や価値観を発信することは、もはやイロモノ扱いでしかなく、なんかちょっと悪いことをしているかのようだった。
面白いもので、世の潮目はSNSを含めた情報社会の発展によってあっという間に変わり、一般の人も病院に行かずして様々な情報を知ることができるようになると、今では医療者も情報は発信していかないといけないようになってきている。

自分が専門の形成・再建外科の場合はどうか。

今「あ、形成外科って美容整形の外科でしょ?」と思った人は、instagrmで整形症例を見過ぎか湘南〇〇外科のCMや広告を見過ぎかも知れない。

形成外科は、頭の先(髪の毛)から足先(足の指)まで、老人(褥瘡)から乳児(先天異常)までありとあらゆる人を対象とした、体表の傷や病気を外科的に対応する、極めて特殊な外科だ。

もしも顔をひどく怪我したら?
重たい火傷をしちゃったら?
ベビーの足(手)の本数が多かったり、唇が割れていたら?
乳癌で乳房を失ったら?
糖尿病の人の足が黒くなったら?
外科の癌手術後に手足のむくみで困ったら?

まったくジャンルが違うけれど、これ全部形成外科・再建外科が扱う症例だ。
世の中の肌感覚で見ると、実情はほぼ知られていないし、テレビで形成外科医、再建外科医を見かけることもほとんどない。実際は他の外科医ができない手術のオンパレートで非常に面白いのだが、どうもうまく認知されていない。

そういえば、この前テレビを見ていたとき、世界仰天ニュースたるものが放送していた。
世界が仰天するだろう病気の人物が4人ほど出てきたが、その3/4が形成外科の病気であったことに自分たちの対象疾患の希少さを実感したが、VTR中に一言も「形成外科」という説明がなかったことに私は仰天した。
例えば脳外科症例なら間違いなく脳外科と伝えただろうし、整形外科なら整形外科と紹介しただろう。きっとディレクター的には認知度が低い「形成外科」と言っても伝わらないから「外科」で進めた方が都合が良かったのかもしれない。
今の日本における形成・再建外科の立ち位置はこんなものだ。

とはいえ、現状を嘆いても変わらないし、発信していかないことには変化の兆しも見えてこない。このnoteではいち形成・再建外科として一般の人にも理解しやすい情報やその他医療分野に関する自分なりの考え方について記していきたい。
そうだ、国際ボランティアについて記していなかった。形成外科は小児の先天奇形や火傷の瘢痕形成術が専門の一つだ。途上国における手術ミッションは数多くあるし、コロナが終わればまた参加していきたいと思うので、その様子も報告できたらいいと思う。

2020.12.14

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