他人を守りたいなら、お金を稼げばいい。
自分だけラクに楽しく生きることは簡単。だけど、身近な人がしんどそうに働いているのを見ると、「このままじゃいけない」と思う。
妹は育休明けに、自宅から1時間半かかる場所での復帰が命じられた。時短勤務にもかかわらず、通勤に時間がかかるのは現実的ではない。ということで、専門学校卒業後から働いていた会社を辞めた。
その後はパートで働きながら、家事・育児をしている。しかし、社会保障に加入できるほど働いているわけではないので、年金や税金の支払いは会社員時代よりも負担になっているはず。
そんなとき、妹が「在宅でできる仕事がしたい」と言い出した。そして、「お姉ちゃん、何か私にできる仕事ない?」と聞いてくれた。
当時1人では抱えきれないほどの仕事はあったものの、他人の人生を支えるほどの自信がなかった私は、「今は誰にも仕事をお願いしていない」と突き放した。
前にも妹に仕事をお願いしてみたことがあったが、最後まで向き合ってもらえなかったのを覚えている。
一度の躓きを許してあげられなかったこと、そして大切な人を守る覚悟ができなかったことに、心底落ち込んだ。
もっと自分の器が大きかったら。
もっと自分に稼ぐ力があったら。
もう1人の家族である旦那は、新卒からSEをしている。現在はフリーランスとして活動しているが、働き方は会社員と全く変わらない。
どんな仕事にもやりがいを見出すことができないらしく、毎日淡々とやり過ごしている。しかし、責任感だけは人一倍強いので、誰よりも一生懸命仕事をしてしまう。
炎上した案件ではほとんど寝ずに仕事をしており、最終的には身体が言うことを聞かなくなった。
今はなんとか復帰したものの、相変わらず仕事にモチベーションを感じないそう。
私たちはいつも「養ってよ」と冗談を言い合っているけれど、「本当に養うことができたらいいのに」と何度も思った。
恥ずかしながら我が家は節約をしていないので、生活水準を下げればどちらかが仕事を辞めても破綻はしないはず。
しかし、旦那は「生活水準を下げるのは嫌」とのこと。「じゃあ仕事は辞められないね」という一言で、いつも会話は終了する。
自分がそれだけの金額を稼ぐことができたら、旦那は仕事を辞められる。毎日一生懸命働けば、不可能ではない。でも、今すぐに「辞めても良いよ」という勇気もない。
結局今の私には、それだけの覚悟も自信もない。人を守れるだけの強さがない。
だから、このままじゃダメなんだと思った。
自分1人が働きやすくても、大切な人が不満を抱えているのなら、ぬくぬくしている場合ではない。
人のために働きたいわけではないけれど、自分が頑張った先に大切な人の希望があるなら、頑張ってみても良いかも。そう思った。
あのとき感じた後ろめたさを、もう感じたくない。
だから、もっともっと大きな器になるために頑張るって決めた。
もうすぐ30歳。もっと早く気づけなかったのか、と無駄に後悔するときもあるけれど、今だからこそできることもある。
とか言ってみるけど、今だからできることってなんだ?と思っている自分もいる。そのくらい、私自身も自分に何ができるのか分からない。でも、背中を押してあげたいから無理矢理自分を肯定している。
まあ、人生1回だし。1回だけどやり直しはきくし。無理なら無理で、「自分はその程度の人間よ」と開き直ればいい。
ただ、後悔はしないように。自分らしく、自分のペースで生きていこうね。今の私から言いたいことはそんな感じ。
迷ったり悩んだりしたら、この気持ちに戻ってきてください。少し時間が経ってから、もがいている自分の文章を読んで「なんかカッコいいな〜」と感傷に浸ってください。
不安を抱えている自分へのエールとして。
2024年6月28日
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