偶然の産物に、クリエイションの真髄は宿る〜アプリコットとパイナップルのタルトタタン風
今日はまず、本題に入る前に。
note公式さんのツイートをきっかけに
私は情報収集とnote連携の目的で、一応Twitterアカウントも持っているのだが、昨日、たまにしか鳴らないTwitterの通知が鳴った。
noteの公式さんが、自家製糸唐辛子の記事をツイートしてくださったようだ。
たしか大人バナナと想像ガパオのときも同じようにしてくださっていた記憶だけど、またまたうれし涙。糸唐辛子には本当にいろんな意味で泣かされる。
想像して涙してしかいないのに、もう本当、読んでくださった方にも、スキ&コメント&フォローしてくださったかたにも、そして取り上げてくださったnoteさんにも感謝しかないのである。
それ以上に、note公式さんのツイート、「おうちごはんクリエイター、ユイじょりさん」って部分に、ぐっとくる私。
7月頭にnoteを始めるとき、プロフィールになんと書くか、実はとても迷った。
すでに会社員でもなければ、フリーでなにか糧を得ているわけでもない。
何者でもない私が、いったいなんと名乗ればよいものか。
InstagramやFacebookで私の家料理オタクぶりを知る古くからの友人たちは、すでに料理研究家の域だよ!みたいに冗談で言ってくれていた。
でも、ディプロムもとっていなければ飲食業界で働いたこともない身で、名だたる方々と肩を並べるなんて。
「料理研究家」の定義は知らんけど、自ら名乗るのはとてもじゃないけど気が引けるなあ・・・と、困った。
そこで思いついたのが、「おうちごはん」×「クリエイター」。
私は、気になる会社があると、企業理念やミッション、会社沿革などをつい読んでしまうクセがある。
note社についても同様。
ざっと一読したときに、ああ、いいことを言っているなあと全体を通して共感したものだけど、「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」のミッションはもとより、どこに書いてあったかは失念したが、「日常の些細なこと、なんでもクリエイション」的なフレーズが、心に残った。
そして実際に、noteのはじめてガイドを読んでみると、投稿者としてのユーザーを「クリエイター」とnote自身が一貫して呼んでいる。
自己肯定力海底2万マイルの私でも、ああ、ここなら、クリエイターって名乗っても大丈夫かも、という安心感を抱き、ちょっと思い切ってみた結果、このようなプロフィールの仕様に落ち着いた。
言い過ぎかなあとも思わなくもないけれど、まあ創っていることは確かなのでいいやと思ってそのままにしている。
ようやく今日の本題
また過去をふりかえって長くなってしまったけれど、さて本題。
今日は昨日のパイナップル、200円のしあわせ衝動買いの続き、デザートだ。
私の㊙︎料理手帖のなかには、まだ記事にできていないアプリコットを使ったお菓子があるのだが、そのときのアプリコットがかなり中途半端に余ってしまったので、衝動買いしたパイナップルの果肉と合わせてタルトタタン風に仕上げてみた。
フランスではabricot(アプリコット)を使ったお菓子は非常にポピュラー。タルトやジャムではもちろん、普通に生で食べる。
日本だと「あんず」かな。昔、同じ県下の更埴あんず祭りに行ったことを思い出した。あああ日本の桜。
タルトタタンについては、日本でも割と有名なスイーツだと思うので、ちゃんとwikipediaがあった。
タタン姉妹による、失敗が産んだ偶然の産物。
これこそが後世に語り継がれる、クリエイション。
うちのスーパー甘党食いしん坊なOtto氏をもってして、「タルト・タタンは大好きだけど、Majiで甘くてヘビー」と言わしめる一皿だ。
私自身、歯に染みるような甘さはまったく好みでない。というか一口でギブアップだ。
そこで、りんごより酸味のあるアプリコットに同じく甘酸っぱいパイナップルを合わせ、トータルの甘さも控えめになるようにした、スーパー我流なタルトタタン風お菓子を作ってみた。
アプリコットとパイナップルのタルトタタン風の材料
カラメルがくっつくのを危惧して直径18cmの底取れタイプのスポンジ型で作ったけれど、一体型のほうがよさげ。理由は後述。
【タルト生地】
・小麦粉:120g。サクッとさせたくて、薄力粉75g、強力粉45gで混ぜてみた。薄力粉だけでももちろん大丈夫。
・塩:1g
・グラニュー糖:4g
・無塩バター:50g。小さく角切りにして、冷やしておく。
・卵黄:1個分
・水:30cc
【くだもの】
・アプリコット:4個
・パイナップル果肉:1個分
【パイナップルの甘煮用】
・グラニュー糖:30g
・無塩バター:20g
【キャラメルバター】
・グラニュー糖:80g
・バター:25g
・(バターが無塩の場合)塩:2つまみくらい
アプリコットとパイナップルのタルトタタン風の作り方
0、型にバターを塗って、冷やしておく。なお、底が外れるタイプの場合は、型の底〜側面部分をアルミホイルで覆っておく(一体型の場合は不要)。
というのも、カラメルが漏れるかも、と思ったら、案の定漏れたので。
1、タルト生地を作る。
ボウルに小麦粉、塩、砂糖を入れて混ぜ合わせたら、バターを加える。両手を使ってバターと粉をすりすりと擦り合わせ、見た目パルメザンチーズのようになるまですりすりする。
→ 溶いた卵黄に水30ccを加えたものを、少しずつボウルにいれて粉と混ぜ合わせる。生地がまとまったら軽くこねて丸くまとめる。ラップにくるみ、冷蔵庫へ
キッシュで使うパート・ブリぜ生地に砂糖が入っただけなので、こちらの記事も参照。
2、パイナップルの甘煮を作る。
アプリコットは酸味係、パイナップルは甘み係としたかったので、パイナップルだけを甘煮にすることにした。
パイナップルの果肉を適当に切って、グラニュー糖と鍋にいれて、弱火で煮る。途中でバターを加えてさらに煮込む。
3、オーブンを220度に予熱し始めつつ、塩バターカラメルを作る。鍋にグラニュー糖とほんの少しの水を加え、加熱する。全体がカラメル色に色づいたら、バターと塩を加えて混ぜる。
4、アルミホイルをしいた型の底全面に、3の塩バターカラメルを注ぐ。その上に淵に沿って半分に切ったアプリコットを並べる。その間にパイナップルを敷き詰める。
5、その上に、1のタルト生地を型に合わせて円形に切ったものをかぶせナイフでランダムに切り込みを入れる。少し大きめの円に切り、縁の余った部分を折り込むイメージ。
なお、タルト生地はこの型の大きさで作るとおそらく3分の1くらい余るので、適当に型取りして焼いていただくか、冷凍保存。
6、230度のオーブンで20〜25分焼いて、出来上がり。オーブンから出したら粗熱をとり、完全に熱がとれたら冷蔵庫で冷やす。
ひっくり返して、お皿にのせたら、食卓へ。
ひっくり返す瞬間は、いつもテンションがあがる
家庭料理にしてはなかなかにいい感じの側面
偶然にも、ちょうどよい甘さのタタンができたぞおお!
お菓子の場合、いつもは日仏色んなレシピを見比べて、組み合わせ&オリジナルを加えて作ることが多いが、今回は、どれもこれも自己流。砂糖もバターもなんとなくの独自配合にしてみた。
結果、勘が冴えていたこともあり、果物の甘酸っぱさがうまいこと活きて、カラメルがもれる以外は大成功。
カラメルもれに関しては、アルミホイル巻きのリスク対応がちゃんとできていたため、見た目にもさほど影響なく仕上がった。
今までの失敗からちゃんと学習したなあ、私。
これをデザートに出したところ、「タルトタタンはめちゃくちゃ甘いけどこりゃあんまり甘くなくてよいな」とOtto氏のコメント。パクパクと召し上がる。
早起きのOtto氏、翌日の朝ごはんにもしっかりと食べたらしい。私が愛犬散歩がてら氏をお見送りしたのち、さあ朝ごはんにいただこう♪と思って冷蔵庫をのぞいたら、半分も残っていなかった。
甘いものにうるさい我が家のフランス人も認めてくれたのか…と思うと、勝負でもないのになんだか勝ち誇った気になり、うれしくなる。
あまたの失敗の経験に基づく、自己流を追求した先の偶然の産物。
たまにおとずれるこの成功体験の中に、つくることのたのしさと面白さがあり、やめられない理由があるのかなあ…。
愛犬の寝顔をみながらこんなことを思う、真夏の世の夜。
そういえば、バナナのタルトタタンバージョンも作っていたので、これはまた別の機会に。むにゃむにゃ。
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