ラングスティーヌのトマトクリームフェットチーネ🦐〜ニューカレドニアの思い出(余韻編)
一昨日、昨日と2日間にわたってお届けしてきた、ニューカレドニアの思い出(地獄からの天国編)は、しれっと今日まで余韻をのこす。
天国編でエビ・えび・海老のエビ3段活用、エビ漬かり生活を実践してきたと書いたら、なかなかに皆さん、エビ好き、エビ狂、エビリスペクトが多いようで。私ももれなくなので、うれしい。
なんだろう、このエビ味好きは。島国に生まれて育つと、DNAレベルでエビLOVE要素が組み込まれているのでは?と思わずにはいられない。
今日は、そんな地上の楽園ニューカレドニアのエビ生活に思いを馳せて、海のないパリでも何かエビ料理を・・・と思って作ってみた、ごちそうパスタについて。
なにエビにするか、という問題
やはりここは、まず候補にあがるのが、最終日のオマールエビ。
でもなあ。パリでオマール海老って、まず第一に値段がべらっぼうに高そうだし、そのままシロウトがソテーしたり茹でたりしたとしても、天国で食べたあの鮮度のいいオマールの足元にも及ぶまい。
天使のエビほどのご立派な髭長エビには出会えないだろうし、かといって普通のエビだと面白みに欠けるしなあ…。
いつも古今東西のアイデアをたくさんくださる@ケイチェルおじさんも、昨日ソースカツ丼を作りながら言っていた。もれなく私も、常に何か変化させて新しいものを生み出したくなる、完全なるnote脳に冒されている。
何か変化させるのは割とたやすく、元来の食への好奇心のせいか、アイデアだけはぽんぽんでてくる。
ということで、今日は、天使のエビとオマールエビの間をとって、手長エビ。フランス語でいうところのラングスティーヌを使って何か料理してみようと思いついた。
ラングスティーヌ、フランスでは、fruit de mer(海の幸)のプレートについてきてそのまま食べたことは何度かあるけれど、自分で料理はしたことがない。
こちらは5年前くらいに、ブルターニュ地方にあるサン=マロという港町で頂いた豪華な海の幸プレート。最下段に左手前に鎮座おはしますのが、ラングスティーヌだ。
有名なオマールのビスクはたしかクリーム系だし、ここはラングスティーヌのダシでクリーム系のソースを作ってみよう。ただのクリームだとアクセントがなくて確実に飽きるから、トマトの酸味も。それをクリームが絡みやすい幅広パスタと合わせてみればどうかしら・・・?
というところまで頭の中で絵が描けたので、早速買い出しに向かう。
エビ神、降臨
マルシェの魚屋さんにはあいにくラングスティーヌがなかった。常設の魚屋さんにでも行くかなーと、途中で大きめのスーパーに寄ってトマトとにんにくを買い、乳製品コーナーに向かう、そのとき。
私のエビ愛に応えてくれるかのように、エビ神降臨。魚介コーナーでなんとラングスティーヌ、特売なう。
特売ラングスティーヌ、残り少なかったので、それ全部ちょうだいと言って買ったのだが、400円もしなかった。イル・デ・パンのイモリだかヤモリだかトカゲが幸運を運んでくれたのだろうか。
ニューカレドニアでの電波なしサバイバル生活を思い出し、今日は何もみないで自らの勘のみで調理することにした。さあうまくいくのかな?
サバイバルクッキング in パリ、スタート
【材料】(2人分)
・手長エビ:6尾
・にんにく:ひとかけ
・たまねぎ:1/2個
・鷹の爪:1本
・白ワイン:適量。フライパンの周りふた回しくらい。
・完熟トマト:1/2から1個。中くらいのサイズの甘めトマト使用。
・トマトピューレ:1箱(200g)
・生クリーム:150cc〜200cc。濃度リッチめなもの。
・フェットチーネ:180gくらい
・パセリ、レモン
ラングスティーヌは、オマールのように半分に割ったほうがダシはちゃんと出そうだ。でも、半身にしてしまうと、魚の内臓とか見るだけで吐きそうなOtto氏が絶対食べないと踏んで、背ワタだけとってしっかり洗っておく。
まずは、みじん切りにしたニンニクと鷹の爪をたっぷりめのオリーブオイルで弱火で炒めてじっくりと香りを出す。なんと・・・今日は最初っから躍動していた。
香りが立ってきたら、みじん切りにした玉ねぎを加えてさらにじっくりと炒める。
全体が透き通ってくるまで、じっくり炒める。
全体的にしんなりしたら、ラングスティーヌ、いってらっしゃい!
軽くソテーしたら、白ワインを二回りくらい回し入れて、火を若干強めて、アルコール分を飛ばす。その後、「エビエキス出ろー出ろーー」と念じながら、ちょっと火を弱めて蓋をして数分。
数分後、水分が少なくなってきたところで、一度ラングスティーヌをバットに取り出す。
フライパンに、完熟トマトのぶつ切りとトマトソース200ccを加えて、煮込む。
ぐつぐつ、ぐつぐつ、ぐつぐつ。酸味が強かったら、少し砂糖を入れるとよい。
ここでラングスティーヌ、アゲイン。トマトソースの海で泳いでもらいながら、再度、エビエキス出ろー出ろーーと唱えつつ、木べらで軽く押さえたりしてエキス抽出。強く念じ&プッシュしすぎて、頭と胴体が離れちゃった子がいた。ソーリー。
数分後、味見するといい感じにエキスが出ていたので、またバットにお戻りいただく。
ソース、最後の仕上げ。濃度高めな生クリームを150ccくらい注ぐ。真っ赤なソースが、サーモンピンクのようなオレンジ色に移り変わる瞬間。たまらんばい。
味を整えて、完成。いやはや、こりゃ私が飛び込みたいくらいだ。これにバゲットをつけるだけで永遠にいけそう。
ここまできたら、フェットチーネを少し固めに茹でる。パスタの茹で汁をお玉2杯分くらい入れてソースを伸ばし、茹であげたフェットチーネを入れて完全にソースを纏わせる。
パスタにソースが絡んだら、最後にラングスティーヌに登場いただき、全役者による感動のカーテンコール。
器に盛り、パセリを散らして、集大成。
キリッと冷えた白ワインとともに、ボナペティ
レモンを添えて、サラダとともに、いただきます。
エビエキス、出てます出てます!
白ワインが進む、進む、美味しいーーー🦐🦐🦐
目を閉じれば蘇る、トロピカルな天国の島の記憶。
こちらがOtto氏のSamsungによる写真。近影気味で撮るのが好きらしい。
こんなにエビが美しい写真を撮っておいてくれながら、Otto氏、パスタ自体は美味しいと言って全て平らげたけれど、まさかまさかのラングスティーヌ自体に手をつけなかった。なので、私が全部平らげることに。ラッキー。
氏いわく、食べられるエビは、天使のエビの大きさがMAXなんですって。
何で?と聞いたら、海でうようよと泳いでいる姿を想像するからとかなんとか言っていた。
そういえば今思い出したけれど、ニューカレドニアのエビ生活ファイナルの立派なオマールエビは、私ひとりで平らげたんだった(Otto氏は他の何かを頼んで、私の付け合わせのポテトをつまんでいた)。やっぱりDNAが根本的に、ちがう。
とにもかくにも、アイデアレベルで始めたエビ企画。完成物はエビエキスたっぷりでとても美味しく、ニューカレドニアの余韻を十分に味わうことができ、大満足。
またいつか行きたいな、地上に一番近い天国。
ごちそうさまでした。
今日も、未知との遭遇🦐