ユイじょり、パン屋はじめたってよ〜焼きたて、編み込みブリオッシュ
フランス人のOtto氏と生活していて、朝ごはんほど気が合わない、否、文化の違いを見せつけられたことはない。
私の定番朝ごはんといえば、やっぱり和食だ。ご飯に納豆に生卵、ついでに漬物と味噌汁もあれば最高。冬の定番は、三陸のいくらでTKG。
ただ今の生活は、ジャポニカ米を炊く機会があまりないので、コーヒーとフルーツジュース、たまにヨーグルトくらい。一人暮らしでガツガツ働いていた時は、大体二日酔いだったのでまったく食べないかポカリくらいだったけれど…。
一方のOtto氏。「朝は甘いものしか食べない」、以上。私が朝からTKGとかやっていると、まるでケダモノでも見るかのような目つきで眺めてくる。氏的には、まず生たまごを食べているのが理解不能。それに加えて「朝から米&塩辛いもの」っていうのが、意味がわからないらしい。
・・・
そんなOtto氏の朝は、早い。正確にはわからないが、朝5時にはおそらく起きている。
私がごそごそと7時前に起きて、Obentoと称して冷凍庫からタッパーを取り出して詰めて用意して一緒に家を出るまでの間の2時間弱。
一体何をしているかは不明だが、私がつくったおやつ類があればそれを、夜に食べたバゲットがあまっているときはバゲットにみんな大好きヌテラを厚塗りしてコーヒーとともに食べている。・・・ということはゴミの出方からしてなんとなく知っている。
ちなみにヌテラはこちら。チョコレートぺーストのようなもの。
ソーシャルグッドに理解のあるOtto氏は、パーム油不使用と書かれたカルフールのPBヌテラが十八番。
一方の私は、朝が弱い。目は大体覚めているのだが、血が回っていないのか、起き上がれないのだ。なので、絶対遅刻したくない滞在許可証関係の用事や、愛犬のための獣医のランデブー以外に、定刻前に起き上がるモチベーションがないから、朝7時のギリギリまでゴロゴロしている。
・・・
そんなある日、私は気づいてしまった。最近、健康ブームのOtto氏を慮っておやつもあまりつくらないし(ガトー・オ・ショコラの記事参照)、私の趣味で酒処が多いのでバゲットも買わない。この人、朝、食べるものないんじゃ??
案の定、最近、朝食べるものがないからビスケットにヌテラぬって食べてるってぼやいてた・・・。
それに加え、13時〜がランチタイムのOtto氏。そういえば前に、「朝お菓子とかバゲットを食べたとしても、10時くらいにはお腹が空くから、結局ブーランジュリーで買ったシューケットやパン・オ・ショコラを食べてる」って言ってた(だからお腹に肉が・・・以下略)
・・・
そんなこんなで、久しぶりにパンを焼いて、1週間分の朝ごはんをまかなうことにした。
家で作るとしたら、定番はやはりブリオッシュだろう。デニッシュほど脂っこくなく、しいていえば、乃がみの食パンにずっしりとバターが加わった感じだろうか。
ブーランジュリーでも売っているが、スーパーでもこんな感じで売っている。
実は私、コロナの外出禁止中、パン作りにハマってふわふわウインナーロールを作った際。ちょうどバターが67g余ったので、いろいろとレシピを検索して比率を調整して、ブリオッシュを作ったことがある。
このときは、初めてにしては上出来だったけれど、余りものを組み合わせて作ったので、まだまだ改善の余地がのこる仕上がり。
パンは焼きたてが一番だ。実際フランスのブーランジュリーは、夜が明ける前に始動、朝7時半くらいにはすでにオープンしているお店がほとんど。そういえば朝の7時すぎにOtto氏をお見送り散歩するときには、ブーランジュリーの前にパンの焼けるいい香りがしている。
こうなったら、前日に生地を作り、早朝に成形、出発前に焼きたてパンを提供する流れでいくことにしよう。これこそ、早起きするモチベーションだ。
・・・
今日は、バターもたっぷりあるし、材料欠如にしばられないでいこう!ということで、参考にしたのは、こちら。
生地の材料は、ほぼほぼ同じ。Otto氏の使用許可を得た、愛息子のRobotに登場してもらって、まずは生地をこねる。
【ブリオッシュの材料】(サイトの写真のような三つ編みブリオッシュ2つ分)
✴︎生地のみ
・薄力粉(T45):500g
・砂糖:80g
・塩:8g
・ドライイースト :12g
・たまご:2つ
・牛乳:180cc。人肌程度に温めておく。
・バター:100g。室温に戻しておく。
✴︎飾りなど
・パールシュガー:ふたつかみくらい
・卵黄:1つ分。水大さじ2杯くらいと合わせてよくかき混ぜて、生地を焼く前&間に塗ってよい焼き色をつける働きをさせる
材料はこんな感じ。
手ごねでやってみようかなと一瞬思って、こね方を読み込んでみたけれど、なんだか大変そうなので文明の利器に頼る。
まず、愛息子ロボをスタンバイして、ボウルに薄力粉を入れ、塩、砂糖を両側に入れる。
真ん中にダムをつくるように穴をあけて、ドライイーストを入れる。
卵を割り入れて、
牛乳を入れたら、ロボへ。
中くらいのスピードでこねてもらう(5分くらい)
5分くらいたつとこんな感じ。ポマード状になったバターを少しずつ加えながら、さらに10分ほどRobotに頑張ってもらう。
10分後、こんな感じ。多分これくらいで大丈夫だろうということで、こね終了。
生地をボウルに移して、
軽く形をととのえたら、一次発酵。
水蒸気で庫内の温度が上がってくれるかなと思って、私はいつもお湯を入れた他の容器とともにオーブンにいれることにしている。この状態で1時間ほど置く。
1時間後、2倍くらいにふくらんだ。あまりオーブンの上段にいれると天井にくっついて大変なことになるので気を付ける。
いい具合に成長してくれた。
パン作りで私が一番好きな瞬間。このときが楽しみすぎてパンを作るといっても過言ではない、生地の空気を抜く瞬間。写真をみるだけでも、快感・・・。
空気をぬいたら、軽く形を整えてラップで包み、冷蔵庫で一晩寝かせる。
参考レシピではこの後すぐに成形に入っているので、そうしてももちろんいいのだが、ブリオッシュは冷蔵庫で一晩ねかせたほうが生地が扱いやすくなると方々で聞いたことがあるので、今回は朝活にむけてそのように。
・・(約12時間後)・・
翌朝5時、焼きたてパンのためだけに、起き上がる。
生地は冷蔵庫のなかでも元気にふくらんだ。あまりにわんぱくにふくらむので、ちょっと押さえたくらいだ。
ようやく成形に入る。今日は、編み込みブリオッシュ (大)と、小さいサイズを3つ4つ作ろうかな。とりあえず前者から作ってみよう。
編み師としては、簡単な三つ編みじゃ物足りないので、四つ編みに。生地をまず半分にして、
半分の重さの3分の1になるように、要は、6分の1の塊を4つつくる。
この4本を細くのばして、棒状にする。どうみてもホワイトアスパラにしかみえない。
これを、編む。編んでるだけあって、躍動している。
躍動していないのも撮れていた。ほっ・・・。さらに膨らむので、あまりキチキチにせず、ゆるめに編む。
編み上がり。三つ編みより手がこんだ感じがなんとなくする。
残りの生地をどうしようか、四つ編み中に考えた結果、コロネみたいにしてはどうかと。余っている生地を3等分して(1つ140gくらいだった気がする)、さらに2等分して棒状に伸ばす。
ねじねじすると、こんな感じ。かわいい・・・。
こちらを3個分繰り返して、さらに1時間休ませる。この時点で5時半、時間が足りない・・・。。
少しでも時間を短くしようと、またオーブンで休んでもらうことに。
30分後、こんな感じ。休み足りないかもしれないけど、致し方ない。オーブンを180度に予熱して、焼き準備に入る。
卵黄に水を混ぜて、生地の上に刷毛などでまんべんなくぬる。
さらに膨らむことを予想して、天板を分けることに。そして最後の最後に形も変えるという気まぐれぶり。
180度のオーブンでまず10分焼く。
10分後、こんな感じで軽く焼き色がつくので、さらに卵黄液をぬって、パールシュガーをかける。小さい方も同様。
さらに10分から15分、焼く。オーブンの天板は焼き色を見ながら上下入れ替えるようにする。
この時点で6時半ちかく。
Otto氏には、今日はサプライズがあるからちょっとまってと待たせており、すでに1時間くらいまえからお腹すいたを連発している。ちょうど機嫌が悪くなってきそうなあたりで、小さいほうが焼き上がった。
焼きたてブリオッシュ、完成。こちらはOtto氏の胃の中へ。
大きすぎるといいつつも、ヌテラを塗って平らげていた。
四つ編みのほうも焼き上がり。なかなかにいい感じ。
これを作ったのは水曜日の朝。これで週末までの朝ごはんは安泰だろう。めでたしめでたし。
朝の散歩を終えた後、私もちょいといただいてみる。
いい感じの、moelleux具合。無添加だし、市販のものよりは確実に美味しいはず。
「パン屋さんごっこをする」という早起きするモチベーションがもうひとつ見つかったところで、今回の発見とすることにしよう。
☕️サンジェルマン界隈で優雅にモーニングでもしたいものよね☕️