Soja(大豆)からつくろう!ニッポンのTofu(豆腐)
こんなところになぜNigari?
時は半年ほど前に遡る。
パリから北フランスの港町に引っ越しをし2週間ほど過ぎた頃、ふいにやってきた空前の和食ひとりごはんブーム。
これと同時に「お豆腐食べたい病(定期)」が発症したので、街に唯一あるBioのチェーンスーパーを訪れてみることにした。パリのビオスーパーではニッポンの絹豆腐に近いお豆腐売ってたもんでね。チェーンのスーパーなら売っているに違いないと。
「わーShitakeも売ってるじゃんすてきー!瓶詰めでMisoもあるしSakeもあるーでもたっかーい!」とキャハキャハしながら店内をくまなく物色していたら、目に飛び込んできたこの方。
NIgariって「にがり」だよねえ・・・?
冷蔵コーナーに売っていたTofuじゃなくてこちらを手に取ってしまう性分である。こりゃ自作Tofuつくるっきゃないでしょ?
Soja(大豆)はいねがー??👺と引き続き店内を探したけれども、ない。とりあえずNigariだけ買ってこの日は退散した。
Sojaを求めて200km
その後、2ヶ月ほどSojaを探す旅が続いたものの、近隣のスーパーや個人エピスリーなどには見当たらない。ひよこ豆とかレンズ豆とかはわりとどこでも売ってるんだけどなあ・・・ここでは大豆はまだまだマイナーなのである。豆乳はメジャーなんだけどねえ。
そろそろネット注文に頼ろうかなと思っていた矢先、たまたま訪れた同じく北フランスの巨大カルフール。ダメもとでビオ穀物量り売りコーナーを探したら、あったー!Soja発見!
500gくらい買って、そういえば型どうしようかなーと考え始めたところで、北欧旅だのクリスマスだの正月だので、Sojaの存在もTofu作りもすっかり忘却の彼方へ葬られてしまったのである。嗚呼、かわいそうなSoja。
・・・ってあーた、忘れちゃいないよ!
ハイ、ニッポンで買ってきましたよ。ひのき製の豆腐作り型。
何回でも言うけど、我がフランス生活のテーマ「いかにフランスの田舎で日本を再現するか」。ニッポンのふわふわ食パンに続き、フランスのSojaでニッポンのTofu作り、やってみよう。
Tofu製造過程
大豆から豆腐づくりは、たしか小学生のときに調理実習みたいなのでやったかもしれないかもしれない。いやきな粉だったかな?まあその程度の記憶。
型に添付されていた作り方に則って、とりあえずSojaを綺麗に洗い、水に浸けること20時間。ニッポンの料理の決め手は軟水、軟水しか勝たんってことでお水はオール・ボルヴィックといこう(Volvic=フランスで手に入る軟らかい水と言われている)。
翌日の夕方、大豆はたくさんお水を吸ってぷっくりしていた。
これを3回に分けてミキサーでガーガーガー。
深鍋に水を煮立たせ(ボルヴィック3本目突入)、ミキサー後Sojaを加え、ヘラでかき混ぜる。
ここで事件発生!
目を離した隙に、Soja激おこ大噴火。かまってちゃんなんだからもう・・・。
心が折れかけたけど、ここで諦めてはならん。気を取り直して、再開。
今度は一瞬たりとも目を離さないように10分くらい弱火で煮たら、添付の布袋にあけて、ボウルに絞る。
これがなかなかのなかなかに重労働。木べらで押し付けて絞っても絞っても絞っても豆乳が出てくる。いい加減手で触れるくらいになって手で絞ってみてもまだ出る。というか私は握力的なものが非常に弱いので手で絞ってもあんまり意味ない説。
それでもなんとか絞り出せたかしらね。この豆乳をさらに鍋に移して、80度くらいにしたらすぐにボウルに移し、にがり液をたらしてちょい混ぜして固まるのを待つ。
待機中に型の準備を。下にバットを敷いて、型の中に布を敷く。
15分くらいして様子見たら、どうやら凝固してきた模様。型に移して蓋をし、重しをのせてさらに20分くらいそのままにしておく。
30分後、だいぶ水が抜けてTofuの体積が半分くらいに縮んだ。
そろそろ、行くか・・・?
水を張った飯台の中に、Tofu、ぽちゃん!
うおおおおおおー(ユイじょり 心の雄叫び)
ぷるんぷるんですよ奥さん。
俺の心も震えるぜ・・・。。
お主、ちょっと前までは豆の姿だったのにのう・・・。
忘れちゃいけない副産物
Sojaから作るTofuの副産物、それはOkara。おからですね。
Tofuを作っている最中から、豆の香りに釣られたのか、うちの殿、俺🐶が私の足元でずっと待機しているわけですよ。それはもうずーっと。あまりに見つめてくるもんだから、しょうがないなあ・・・最近のお気にいりをあげちゃおう。
出来立てのおから、ひとつまみ与えてみたらそれはもう目をキラッキラさせてぱくぱくするわけですよ。なるほどおから、好きなのね!7年の付き合いで初めて知ったよ。
俺用おからクッキー
ってことで、Tofuを固めている間に俺用のおからクッキー製作。
以下、大興奮の様子をご覧くだされ🐶
卯の花
おからといえば卯の花。昔から好きで、スーパーのお惣菜で半額にならずとも買うやつ。
上の写真のおあげ、常温保存可能なので、海外在住者のために作ってくださったような商品だと感動。リピートしている。白ごはんさんのアドバイスに則って、油を多めに使って仕上げる。
見た目限りなく地味だけど、これめっちゃ美味しいから。
おからバーグ
おからは新鮮さが命。日持ちもしなそうなので当日中に全部調理しとこうってことで、牛ひきと合わせておからバーグ。2つハンバーグ状にして、のこりはボール状にしてセルフ冷食へ。
そういえば最近SNSでおからが余りまくってるみたいな記事が流れてきたけど、送ってください消費するんで(笑)
Tofuごはんいろいろ
さてTofuができた日は、Sojaに敬意を表してTofuナイトじゃ!
2丁分できたので、とりあえず半分使いましょうかね。
湯豆腐クナッキー
それで最初に作るのが、ユイじょり実家にて定番中の大定番、湯豆腐っていうね。シャウエッセンがないから、クナッキー(シャウには到底及ばないフランスの加工ウインナー)で代用。
ネギとか大根おろしが欲しいんだよなあと思いつつ、出汁醤油、かつおぶし、生姜、胡麻をかけていただく。
Tofu、ちゃんと固まっているというか途中で重しを重めのものに変えたせいか若干固めの仕上がり。ちゃんと豆の味がするし、食べ応えがあってよい!
この日は結局こんな感じで。湯豆腐、卯の花、おからバーグ、高野豆腐・・・宣言通りのSoja尽くしである。
ちなみに俺にも味なし湯豆腐をお裾分けしたらコーフン喰いしていた。やっぱり豆好き間違いない。
Tofuのみそスープ
湯豆腐の翌日は、湯豆腐の残りで味噌汁を作るのが母の教え。実家では大抵豆腐は余らないから新たに他の具が投入されるけど。
そうそう、上の写真で味噌を溶いているスティック的なもの、日本で母が買ってくれたんだけど、スーパー便利ですでにヘビーユース。もう片方には大きめのボール状のが付いてて、味噌の量によって使い分けられる。
こちらTofuナイトの翌朝の我が朝ごはん。
由緒正しきニッポンの朝ごはんって感じがしません?しないか。とにかく腸内環境整いそうな朝食なことはたしか。
Tofuコラボ丼
夜。まだ残っているお豆腐1丁分をどうするか。本当は麻婆豆腐の予定だったけど、買い物に行けなくて豚ひきがないってことで方針変更。
数日前にOtto氏のobento用に作っていた高野豆腐の煮付けってのが中途半端に残っていたんですよねえ・・・煮汁も残っているので、これに今回のTofuも合わせて卵とじになんかしたらいいんじゃないの?
てことで出来上がったのが、ザ・ダブルTofu丼でーす。
これも腸内環境整いそうだなあ・・・。
ちなみにこの横でOtto氏はラーメンを食べている。夫婦別食は相変わらず不変。
Tofuサラダ
お豆腐って日持ちしないのがアレよねってことで、ラスト半丁はサラダにでもしよっかな。前日に鶏むねで仕込んだサラダチキンと葉っぱとラディを合わせて、適当に作った中華風ドレッシングをかけて混ぜる。
ぶっかけ海苔を散らして、完成。
こちら結構な量だったので、半分残して翌日のランチでカッペリーニを茹でたやつを加えて食べたけど、それもよかった。
さて、今回Tofuづくりをしてみて身にしみてわかったのが、Tofuが出来上がるまでには水を大量に使うんだなあということ。Sojaは無駄なく食べ切ったけど、消費した水は計り知れず・・・ということで、今後は自然の恵みに感謝しつつ、心していただくこととしようね、Tofu。