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洋風おうちごはん

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フレンチ中心に、洋っぽいおうちごはんのまとめ
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記事一覧

フランスの推し桃で、夏の3品×3分クッキング

毎年夏になると、決まって日本の桃を想っている女がここ北フランスにひとり。 ひとつひとつ、ふかふかのネットを被せてもらって、大切な箱入り娘状態で売られている日本の桃(今でもそうですよね?)と比べれば、いかなる場でも常に叩き売り状態な野生味あふれるフランスの桃たち。 そんなフランスの桃のなかでも私が推す、あの子。平たい顔族的に親近感を覚えてならない、pêche plate(=平たい桃)である。これ、日本では蟠桃と呼ばれているのですよね? 普通のまるっこい桃は、ときに砂糖がほ

晩夏を愛でる、ズッキーニとフェタと蜂蜜のタルト

ロゼの夏。カッペリーニの夏。そして夏野菜の夏。 フランスの夏野菜たちは、トマトにしてもナスにしてもズッキーニにしても、もれなくカラフルで巨大で、細長かったり丸っこかったりで色々な形をしている。野菜界もザ・多様性。 いくら農業大国フランスの夏野菜たちに毎年心を躍らせているといっても、実家の父がつくる新鮮な朝採れ野菜にかなうものはないのだけれども。 夏も終わりに近づきつつある8月最後の日曜日は、諸事情によりアウェー(義母宅)でひとりごはん。夏野菜をたっぷり使って、終わりが近

乙女に捧ぐ、夏のフランス流ごちそうサラダ

我が家には、乙女がいる。 中身は永年青年男子、隙を見ては他犬のおしりを追いかけるイッヌ🐶のことでも、年齢が中身に追いついてきて最近はオッサンが背中のチャックを飛び出しつつある私のことでもない。見た目はマッチョ、心は乙女なOtto氏(仏人、中年)のことだ。 見た目にそぐわず、カワイイものを持っていたり、甘いものに目がないうちの乙女。 例をあげればキリがないが、例えばこのパイナップルチャーハンにささっている傘とか、この記事の最後の方に出てくる謎のストローとか、もれなくOtto

ひとり丸鶏のススメ

かたまり肉を調理するのが好きだ。 パリの真ん中でも、大都会トーキョーの真ん中でも、信州の田舎でも、いつの時代も私は塊肉とともにあった。そして現在、北フランスの港町でも塊肉とともにある。 豚肩ロースは500g以上、豚ヒレ肉はまるっと一本で。 今でもよく覚えている。パリのアパルトマンでひとり暮らしをしていた10年くらい前に、骨つき仔羊のかたまりを調理した日のこと。女ふたりでまるっと食べ切った。狂人が強靭な胃袋を持っていた頃の懐かしい思い出。 こういう豪快な料理というものは

夏のはじまりに〜グレープフルーツ・カッペリーニ

日本の夏の主食がそうめんなら、フランスの夏の主食、それは極細パスタのカッペリーニだと提唱して久しい。 noteに載せてきたカッペリーニだけでレシピ本が書けそうな勢いだ。 海辺のキッチン付きのアパートメントで夏休みを過ごしたときは、ほぼ毎日カッペリーニ。 夏の定番・冷やし中華も、こちらだと生の中華麺が手に入らないので、在外邦人の知恵袋・重曹カッペリーニでなんちゃって冷やし中華を愉しむことも多々。 その他、日々ごはん投稿のなかにも隠れているので、全部数えてくれたひとには俺

蟹座男からの挑戦状〜フランスのカニカマ三段活用プレート

昨日の朝のこと。 今週は諸々のランデブーにつき、2ヶ月ぶりに北フランス内陸生活を送る我々(=俺🐶と私)。Otto氏の行きがけにかろうじてゾンビ起きし、お弁当とおやつを見繕い、俺と一緒に見送る。 (以下会話部分、🇫🇷=Otto氏、🇯🇵=私) 🇫🇷 いってきまーす。 🇯🇵 はい、いってらっしゃーい。 ドアを閉めるOtto氏が最後に言い残した一言が私のなかで物議を醸す。 ジュテームでも愛していますでもなく、 🇫🇷 冷蔵庫にスリミ、40本あるから。 「スリミ」とは、フラン

豚肉のソテー、グレープフルーツソースに咲きたてのカプシーヌを添えて

私は、花や野菜といった植物たちをまともに育てられたことがほぼない。 雄大な田畑に囲まれて育ったけれど、である。 そんなのは「寒国出身だから寒いの大丈夫でしょ」というのが当てはまらないのと同様。 犬のお世話はできても花のお世話ができるとは限らないのだ。 今だから白状するけれど、小学校の自由研究、1年生のときの朝顔も2年生のときのミニトマトも父が見てくれていた。 ん?でも3年生のときのお蚕さんだけは、自ら早朝に桑の葉を取ってきてせっせと蚕に与えていたな。動く生き物はなんとかな

今が旬!畑のレモン・カリフラワーのクリームグラタン

1万キロ離れた祖国ニッポンでは、「ブロッコリーが『指定野菜』*に指定された**」という知らせをみたんですけどね。 *なにそれ? **頭痛が痛い系言い回し? ・・・ちょっと待って。白いほう、忘れられてません? そう、彼女の名はカリフラワー。 ここフランスでの呼び名はchou-fleur:シューフルール。 直訳すると花キャベツ。花よ花。 ブロッコリーってばさ、何よ。ブロック?木こり?肩こり? こちとらシューフルール。流れるような発音。なんと美しいじゃない? しかも熱で

滋味深い地味フレンチ〜塩豚とレンズ豆のオーベルニュ風煮込み

不惑の年、とにかく健康になりたいわたくしユイじょり。 ここ3週間ほど、食べたものをアプリで記録するようにしてみた。食べたものを入力すると、栄養素を算出してくれるものだ。 性格的に、こういう記録系のものって絶対続かないんだろうなとわかりきってはいる。けれども、現在の食生活のバランスと傾向を確認するという意味においては有効だろうと思いましてね。 ここまで続けてきた傾向としてわかったのは、 ・炭水化物とタンパク質、ビタミン系は日によってちゃんと摂れてる ・脂質はほぼ毎日適正オ

りんご・豚肉・フェンネルでお手軽フレンチごはん

今朝、ひとつうれしいことがあった。 かれこれ何週間ぶりだろう、目を覚ますことなく5時間ほど眠れたのである。 最近、入眠はできても、2、3時間で目が覚めてしまう。ひどい時は1時間で目が覚めてそこから3時間眠れないとかザラで、だから日中もいつも疲れていた。カモミールティを飲んだり、食後2、3時間は眠らないようにしたり、眠る前に、どうか朝まで目が覚めませんようにと祈るのだけど、パチっと目が覚めると午前2時。おおマイゴッド。眠らせてくれよ神様! それが、昨晩は午前5時。久々の最

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初めてのオンライン料理教室

北フランスのクセ強チーズ・マロワールでつくるじゃがいもグラタン(Tartiflette au maroilles)

今日のあさんぽは秋も深まる公園へ。 俺🐶はどーこだ? 義母宅のある、北フランスの内陸・ベルギーにほど近い街で過ごす日々。 昨日つくったのは、ザ・北フランスな一品。 メインに使った食材は、北フランスならではのチーズ、マロワールだ。 マロワールといえば、noteを始めて数日くらいで書いたこの記事がある。 何にも取り上げてもらってないのに、地味にずっと読まれているこのタルト・オ・マロワールの記事。きっと日本では超絶ニッチな「マロワール」検索に刺さってるのかなと推察する。 ニ

非常事態の牛ひきハヤシライス

昨日はちょっと多分気持ち的に病みかけていて、これは発散しておいた方がいいなという判断で家で撮り溜めた写真だけをアップしたんですけど。 読んでくれたnoteの世界の方々、あたたかいコメントをくださったりエア心配してくださったり、ありがとうございます。 俺🐶も私も生きてます。 今日もけたたましい緊急アラートで起こされた。 世間と隔離されて生きてる身、なにもないよりはあったほうがいい。ありがたい。 外はずっと雨降りで、たまに雷も鳴って雹らしきものも打ち付ける。 犬ヒトともに雷

今日は皮膚科に歯医者に他諸々と病院続きで疲の労だけど、そういえば今日で2回目のフランス滞在4周年だわってことで人参入りピラフ&ポワローときのこと鶏のクリーム煮を🥕🍄🐔アウェーキッチンのサバイバル料理だし歯の麻酔が残ってて不自由だけど、美味しくできたのでよし。9年目も生きよう。。