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【短歌】注目を集めた7選その3

各所で比較的注目された短歌、7選。
その3です。


人間の付けた名前で呼び合って笑い転げる虫や花たち


Xではふだん、「いいね」は、せいぜい30くらいなのですが、これはなぜか唯一100を超えた短歌でした。なので注目を浴びたかなと思います。

勝手に名前を付けられている森羅万象たちはきっと、大きな心でその名前を笑いながら愛でているかもしれません。


菜の花と同じ高さで会話する吾子の瞳にハロー、イエロー


町田市民文学館で4月から6月にかけて開催されました「57577展2nd」に、歌人の田中ましろさん選、テーマ「春」の佳作に選んで頂きました。こちらには、もう一首も選んで頂き、(注目を集めた7選その2参照)会場にも行って展示を見てきました。

佳作の30首
もう1首のモビールとポストカード

青春がフルスイングじゃなくていい全力投球しなくてもいい


さいたま市大宮図書館で募集していた、「ギブme短歌」への投稿した一首。図書館スタッフ選に選ばれました。

テーマは特になかったのですが、自分の中で青春をテーマにして詠みました。甲子園とか見てて全力で青春してるとは思ったんですけど、そういう青春じゃなくても、たとえ暗い青春だったとしても、それもまた伏線の一つであるし、青春のカタチだと思うので、どんな青春でもとにかく生きてるのは、大事だと思っています。

悩むのは当たり前。青春なんだから。

走れない吾子の背中に手をやってわたしが君の追い風となる


「ひとり文芸ミュージカル「紫式部─雲隠れ─」公演記念」の募集短歌。テーマ「風」。歌人の松平盟子さん選に、佳作として選ばれました。

こちら、本当は最優秀作品として頂いてたのですが、会場公演来場が受賞条件となっており、どうしても都合が付かず、佳作としての受賞となりました。ありがとうございました!

まだ歩くのもおぼつかない我が子ですが、そんな子の後ろを付いていくとき、自分が追い風になってあげたいという想いの歌でした。


人間を引退したら雲になり空で勝手に個展を開く


こちらは、ネット歌会サイト「うたの日」のテーマ「空」において、薔薇(一席)を頂いた歌です。

空がキャンバスっていう発想はよくあるのですが、絵心がないので人間のときには個展を開くことはないと思うんですが、雲になったあかつきには、年がら年中、空に落書きしてやろうと思います。


新刊が出るまでずっとあとがきを読み続けてる最後の恋の


こちらは、次世代短歌「第12回毎月短歌」6月の自選短歌部門において、選者のえぐちみゆきさんより、252首の中から「よいと思った5首」に選んで頂きました。

以下の選評を頂きました。

結句で恋だったのか!とわかる驚きが嬉しい。「新刊」のまぶしさを読むたびに味わえる、大好きな一首。「あとがき」は、その本のメインではないけれど、本質というか、一番重要なエッセンスが詰まった部分でもあると思う。その「あとがきを読み続け」るという行為には、未練や思い出に浸りたい気分も含まれているだろう。でも、近いうちにきっと出会うだろう恋の予感が背景にあるので、全体に前向きな明るい印象になっている。ぜひ応援したいと思った。

第12回毎月短歌「6月の自選短歌部門」の選評

ぼくは未練がましい男なので、どの恋もすっきり終わったことがありません。終わった恋のあとがきを読み続けながら、新しい恋に出会ってやっと、その本を読み終えます。そんな感じのことを歌にしました。

素敵な選評をありがとうございました!


涙さえゆっくりとゆく吾子の頬、抱きしめるときやさしさを知る


こちらは「杉原ウィーク2024・第25回杉原千畝記念短歌大会」への応募作品で、受賞はなりませんでしたが、最終候補に残った作品として「優良賞」となりました。

ひっくひっくと泣いてる我が子をぎゅっとしながら、我が子にも自分が抱きしめられているような気持ちにもなったりします。


以上、7選でした!

過去の7選もよろしければ!

その1↓

その2↓


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