石垣島での仕事は”探究学習”
みなさん、今日もおつかれさまです!
前回、私の塾の仕事についてお話した。
今回は、今の塾の内容と、展望について話そうと思っている。
最近よく聞く”探究学習”ってやつ。
高校のカリキュラムに導入されるようになった「総合探究」という授業。
これは自分がやりたいことや調べたいことを追求して最後にまとめを発表するってもの。私たちの時代では単純に「総合」って授業だったな。
つまり、ただただ国語や数学を勉強しているだけでなく、
調べたいことを自分で見つけ出して、
それについて深く知って自分なりに分析して、
大人や周りのみんなに伝える力を養おうっていう授業。
あるところでは、外部の会社やNPO法人に介入していただき、
総合探究の時間に力を入れている高校もある。
私も視察に行ったが、「高校生が地域企業の悩みや、その企業が持つテーマを考える」という形式で、半年なり1年間かけて高校生が考え、考えついた提案を、企業の方を招いて発表していた。
この総合探究は、本気でやればその後の人生に大きく影響をするであろう時間だな〜と、大人の私は思っている。が、高校生はそこまで思っていないだろう。
ところが、私が講師をしている塾は、そうではない。
来島して、見た大人たちの方が刺激を受ける。
石垣島の”勉強を教えない”公営塾の全容
石垣島の公営塾は、まさに探究学習に特化している。
塾に所属する塾生(高校生)が、自らやりたいことを企画して実行していく。
単発のイベントや、中長期的なプロジェクトとして運営する。
では、どのようなプロジェクトがあるのか。
島の高校(5校)が交流する、高校生が企画・運営する年に1回のお祭り
ゴミとして拾ったペットボトルのキャップをキーホルダーにしてアップサイクルし販売する
島にある無数の無人販売所を農家さんに頼んでリメイクしインスタ映えさせる
島のあるあるをカルタの作成、デザインも句を考えるのも高校生
島には山のパンフレットが1つもないため、高校生自ら山の魅力を発信する
石垣市とコラボして島に住む海外の方と高校生の交流イベント企画
などなど。聞いただけでも「どうゆうこと?」と思うだろう。
先日は、島の新聞の一面に公営塾のプロジェクトが掲載された。
もちろん「これやりたい!」だけがスタートではなく、
「島のこんな問題を改善したい」というテーマでスタートすることもあるし、
逆にその方が、高校生は考えやすい。
ちなみに、活動費は自分たちで稼ぐことが多い。
協賛金をいただくため、企業への電話や訪問、メールのやり取りは、全て高校生でおこなう。
特にお祭りに関して、各校に「後援に入ってください」と依頼しに行くと、
たまに「大人は関わっているのか?」と聞かれる。
私のような講師がちゃんと関わっているので心配無用です、と思う一方で、
この言葉の裏には「高校生がここまでできないでしょう」という若干疑いの気持ちがあるのだと思う。
そんな疑いの気持ちを一旦捨てて、フラットな気持ちで塾を見学に来てほしい。
一瞬で、変わるから。
事実、そこまで、高校生がやっている。
視察にきた大人の約9割は、見学後に言葉を失っている。これも事実。
だからこそ、変な大人が高校生ブランドを使ってビジネスしようと近づいてきたりもする。私も一応事業をしていますので、そんな下心のある大人は一瞬でわかる。
というより、高校生から言われる。「あの人は・・・ちょっとな〜。」と。
脱線してしまったが、前述の総合探究の時間は、
あくまでも学校の授業で、高校生もその認識で活動をする。
しかし、石垣島の公営塾生は、学校の総合探究の時間とは別で、
この塾で活動をしており、毎日塾に来ている生徒もいる。
本当に、探究しているんだ。
イメージは、部活動。。。
野球?サッカー?吹奏楽?・・・いや、違う。公営塾だよ。
私にとって公営塾の仕事は、探究学習
私は、この1年(2023年度)
公営塾の活動に没頭していた。夢中になっていた。
これでも経営者の端くれとして、他にも都内の仕事や活動など、マルチにやっているのだが、
今年度は、他の予定を置いておいて、公営塾を最優先にしてやってきた。
一時でも没頭すると、いろんなことがわかる。
それはまた改めて話すとしよう。
これだけは言えるのは、残すべきものと変えるべきものが見えるということだ。
この公営塾のスタイルは他の自治体でもやった方が良い教育システムだと思うし、
ここでさらに磨きをかけて、広めていければ・・・なんて考えている。
公営塾の今後の展望をざっくり伝えよう。
<残すべきもの>
島の塾生(高校生)にとって公営塾が居場所であること
やりたいことが見つかったら全力で応援する体制
<変えるべきもの>
絶対にプロジェクトをやらないといけないという縛り
島民の方々が公営塾の存在をよく知らないこと
私が没頭しすぎた副産物でもあると思うが、
どうしても、やりたいことがある塾生の方が応援しやすいため、
そちらにエネルギーを注いでしまうのだが、
実際は、やりたいことが見つからない塾生もいる。
そんな中で、プロジェクトをやらないといけない塾になってしまっては、
単なる「意識高い系が集まる塾」になってしまうだろう。
そうなると居心地がよくない生徒も出てくるだろう。
それ一色ではなく、学校では話せないことを話せる、学校では教えてくれないことを学べる、やりたいことを見つけれそうな気がする、
こういったことが重要なのではないかと思う。
大人が驚く塾なのに、島の方々の認知度は低い。
特に、中身まで知っている島民の方はより少ない。
認知されていないと何が起こるか?
勝手に噂話として伝わる。よくもわるくも。
だからこそ、今後は塾の活動を島の方々に知ってもらいたい。
そして高校生の活動を応援してもらいたい。
没頭してわかったことは多いが、山あり谷ありだった。
まさに”Trial and Error”を繰り返していた。
私の石垣島の仕事は、私にとって探究学習なのだ。
公営塾については、また改めて込み入った話をしよう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
では、また。
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