[読書]女子的生活
ドラマで話題になった小説です。残念ながら私は観なかったのですが、志尊淳さんがいたく可愛らしかったらしい。
主人公みきは、地方都市に生まれ育ち、東京のアパレル業界で働いています。季節やバランスを考えて、きめ細やかに服や小物を選択し、朝食もおしゃれなシリアルをとるシーンから始まる。そう、ステキ女子。
ずっと東京に育っているものの、お洒落な生活には縁もなく、服は洗濯してあれば良く、小物合わせってなに?という、女子力低めな私には眩しい世界。。
でも、数多いるオシャレ女子と違って、主人公みきは生物学的に男性なのでした。
ただそれだけの違いなのだと思いますけれど、そのために、不思議な事件に巻き込まれたり、ちょっと嫌な目にもあいます。
LGBTには、色んな議論がありますが、突き詰めると、人は自分が知らない世界は恐いし、知ってもどうしようもない、というのが大半ではないでしょうか。私もその1人。
なので、このお話で1番好きなのは、主人公の友人後藤。彼は最初は何も知らない、でも知らない概念が目の前に現れたら、偏見なく学習する。素敵な青年です。
軽快なエピソードを楽しみながらも、後藤のようにフェアを保っているか?みきのように軸を強く持っているか?ちょっと考えさせられました。
☆☆☆
著者 坂本司
刊行 新潮社
刊行年 2019年(文庫)2016年(単行本)
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