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自分の弱くて悪いところを一緒に考える

初めてBさんの前で泣いた。Bさんの前ってのもそうだけど、真っ昼間の某繁華街ど真ん中で泣いた。何やっとんのかね。

Bさんの趣味に関連したイベントに行った。朝からあんまり調子が良くなくて、イベント後の飲み会は誘われてたけどパスだなと思いながら行ったら、そんな次元じゃないほどの体調不良に見舞われた。それに伴うやっちまった案件である。

私は東京の大きな駅が苦手である。その中のトップ3に入る色んな路線が乗り入れる、平日にも休日にも人でごった返す駅が会場の最寄駅、その時点ですでにうっとなっていた。頭痛と眩暈と酸欠と。

そしてイベント会場。冷房ガンガン、人人人、そして大音量の音響、カラフルな照明。いわゆるHSPな私には苦手なものの集まりだ。再び頭痛と眩暈と酸欠と。

イベント自体は意外と面白くて見入ってしまったのだけど、やっぱりきつかったのか、途中から貧血のようになり目の前が真っ白になり、それでも貧血慣れしてる私は結構踏ん張り続けたのだけど、ついに手足に力が入らなくなって耳が詰まったかんじで音も聞こえなくなり、一旦外に出たいと伝えて会場の外へ。地べたに座り込む。

腰が抜けたように立ち上がれなくなった私を見て、帰ろうと言われた。Bさんはこのイベントをとても楽しみにしていたので、私のせいで途中で帰らせるのは申し訳ないと思い、少し休めば大丈夫と伝えた。実際に少し休んだら会場に戻れた。人が多いところを避けたら思いのほか大丈夫だったが、Bさんは頑なに「体調悪いなら帰ろう」と言い続け、私は「じゃあ一人で帰れるから、Bさんはせっかく来たんだから残ってて」と。何往復もこのやりとりが交わされて、結局イベントの最後までいないで帰ろうとなった。

会場の外に出て、納得のいかない私は「お願いだから一人で帰して、大丈夫だから」と立ち止まり、残ってもらおうとした。BさんはBさんで「一人では帰せない」その一点張りで、傍から見たらくだらん喧嘩に見えたのだろうと思う。ついにBさんややキレ気味に「一人で帰るって言うなら辛そうにするのはズルい、そんなんじゃ一人で帰せない。大丈夫って言うならどうぞ」と帰り道の方向を手を出され、私は結局自分がどのように見えてるのか分からないから「大丈夫だってば」と言い切り、そのままスタスタと駅への道を歩いて行った。

信号待ちをしていたら、気付いた時にはBさんが横に来ていて「一人で帰せるわけないじゃん」と腕を取られた。そこで糸が切れてしまい、駅までの道で目から溢れそうな涙をこらえることができなくなり、ベンチに座らせてもらい涙を必死で拭った。自分が情けなくて悔しくて涙が止まらなかった。

無言で電車に乗り、駅から家までは呼吸が荒れに荒れ、口でゼェゼェ言いながらようやく帰宅した。ぎりぎり堪えてた涙と悔しさが身体から溢れてきた。横になりながら泣き続ける私をBさんはじっと見ていた。

そこからぽつりぽつりとお互いに今日思っていたことを話した。Bさんとしては、自分がイベントに誘って来てもらったのだから体調不良になってしまったら家まで送り届けるのが自分の責任だ、と言う。私としては、Bさんが楽しみにしていたせっかくのイベントを私のことで途中で帰すのは申し訳ないし、私は一人であれば気を張ってるのでなんとかするし、一人の方がきつくても気持ち的には楽だから、と言う。

私はうまく人を頼れない。人の好意や心配をうまく受け取れない。ずっと前から子どもの頃からそう。これって大人になるにつれ直る人が多いみたいだけど、私はずっとできない。ポンコツなのだろう。そして不運なことに人よりも我慢が出来てしまう。今日も気を失って倒れる寸前くらいまで耐えられていた。だから周りからすると急に極限状態で訴えられるから迷惑なのだと思う。でもそれも変えられない。長年培ってしまった癖だから。相手の気持ちを汲み取るとかもできない。私には良いところなんか一つもない。

全部話して、そしたら「とりあえず二択。無理をするなら無理を貫く。できないなら無理しないで助けを求める」と言われた。前者はどう考えてもできないと答えたら、後者を頑張って見てと言われた。なんか他にも色々とアドバイスされたけど忘れた。覚えてるのはこれだけ。無理しないで助けを求めるって私にとって永遠の課題みたいなのを突き付けられた。

イベントの打ち上げには間に合いそうとのこと、一通り話したいことを話しきったところでそのまま帰っていった。

身体に力が入らない。少しだけ顔に痺れ。眠気とは少し違う何とも言えないダル重。

別れたいって言われるのを覚悟してたけど、笑顔で帰って行ったBさん。「これから」って言葉を何度か言われ、この人は今は私を見捨てないんだってことに、やっぱり嬉しかった。そして感謝できていた自分にちょっとだけ安心した。