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【日本一の本紹介シリーズ】10日目『鹿男あをによし』

 無理ですね。この本はどうひっくり返してもビブリオになりません。

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 みなさん、こんにちは。
 藤野美紀子です。

 さて、本紹介シリーズ10日目のために実は5日間ほど原稿を書き続けていいたのですが・・・

 この本に関してはどうしてもビブリオが完成しませんでした。

 その愚痴も入れつつ、
 できなかった負け惜しみビブリオをお届けします。

 前回の記事も合わせてお楽しみください。



設定がめちゃくちゃやで・・・

 
 今回紹介するのは、万城目学による『鹿男あをによし』です。

 さて、この本はあらすじ紹介から難易度マックス


 少し引用しますと、

奈良公園の大仏殿裏にいた「おれ」の前に突如鹿が現れ、人間の言葉で話しかけてきた。実はその鹿は1800年前から人間を守りつづけてきた存在で、60年に1度行われる「鎮めの儀式」で用いる目を運ぶ役(「運び番」)に「おれ」を任命する。鹿は状況が理解出来ない「おれ」に印をつけ、「おれ」の顔を鹿にしてしまう。そして鹿は「目を取り戻さないと日本が滅びる」と警告するのであった。

 一体何を言っているんだという感じですね。


 つまり、

 ①どうやら日本はそろそろ滅びるらしい(なんで?)
 ②それを回避するための儀式が必要
 ③それを司っているのはなんと鹿🦌(なんで?)
 ④その鹿はなんと喋る🦌
 ⑤儀式の重要ポイントに主人公「俺」が任命される
 ⑥ついでに顔を鹿にされる🫎(なんで?)

 というのがこの物語の導入なんですね。


 いや、ややこしい。
 というか、なんなんだ?と突っ込みたくなるところが多すぎます。

 このあらすじの紹介の仕方に頭を抱え続けた一週間でした。
 


こんな設定がなぜウケる?

 ただ、ここで注目すべきは、
 この『鹿男あをによし』、世間での評判はかなり高いんですね。

 小説が注目を集め、2008年にはフジテレビで作品化されたそう(‼️)。


 

 あんな無茶苦茶な設定が、どうやってここまで人気を集めたのでしょうか?

 その理由の一つに、
 この作家・万城目学のタッチのうまさというのは間違いなく挙げられます。


 先ほど少しあらすじを紹介しましたが、
 実はあれ、この本のほんの少しでしかないんです。(あんなにあるのに)


 主人公は高校教師かつ剣道部顧問なのでスポ根も挟みながら、
 奈良の神話や恋愛、ファンタジー、そして人類を救うミッション・・・と「よくもまあこんなに詰め込んだな」と呆れるほどに様々な要素が組み込まれています。


 それでも胸焼けしないのは、
 どんなにあり得ない設定にも無理なく読者を引き込んでしまう万城目ワールド独特の魔力と言えるでしょうか。


面白さは保証します!


 爽やかな楽しさを基調としながらも、

 登場人物たちが「鎮めの儀式」や神話の謎を繙いていく様子はまるで推理小説&歴史小説のよう。

 

 神話と聞くとなんだか硬そうなイメージがありますが、
 全体を通してエンタメ要素も強く、
 休日に息抜きがてらに楽しめる壮大なホラ話小説となっております。

 
 *ちなみに、個人的には2023年に読んだ本の中でトップ3に入る面白さでした。この本は間違いなく面白いです!笑

 『鹿男あをによし』、ぜひ手に取ってみてください。


『鹿男あをによし』万城目学
本の長さ:394ページ
出版社:幻冬舎
発売日:2007/4/1
ISBN-10:434401314X


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