『第四の扉』を読みました。
第四の扉
著者:ポール・アルテ
翻訳:平岡敦
内容紹介
自宅の二階でエレノア婦人が謎の自殺(自殺する理由が謎って意味)を遂げてから怪奇現象が起き出したダーンリー家。
新たに間借り人として越してきたラティマー夫婦はそういったモノはいっこうに気にしないという。
それどころか事故で妻を亡くしたアーサー氏と共に妻の霊を呼び寄せる降霊の儀式をはじめるのだが。。。
死体をかつぐ人影。同時刻に別の場所で目撃された男。そしてエレノア婦人が自殺をとげた部屋に新たな死体が現われる。
人間には『フィクションスイッチ』というモノが備わっていて、それはつまみスイッチの形をしている。
例えば探偵を例にとってみて、推理小説にでてくる探偵といえば、警察の偉いさんが一目置くような人物で、絶対一般人に漏らしてはいけないであろう情報もいただいて推理し、事件を解決していまう。
現実社会での探偵といえば、浮気調査の仕事が主だとかなんとか。
だからと言って誰も、『実際にそんな探偵なんているか!』と文句を言わないでしょ?
むしろ言う方がおかしい。
同じフィクションというくくりでも、ハードボイルドの探偵となれば、浮気調査もするかもしれないが、とんでもない事件に巻き込まれたりして事件の真相にたどり着いてしまったりする。
前者の場合、フィクションスイッチのつまみは大きく回しておかないといけないし、後者の場合、現実社会と地続きな部分が多いので、つまみはさほどひねらなくてもいい。
大体このつまみは自然とひねったりひねらなかったりしているもんだ。
しかし困るのが自然にひねれていないときだ。
ひねりの少なくてすんでいて、なかなドッシリくるような文章の本を何冊か読んだ後に、結構軽めでひねりを全開の本を読もうとすると上手く働かないようだ。
むしろ本を閉じて別のに切り替えた方が早いかも知れない。
それでもなんとか読み進め、残り3分の1になり、残すは真相のみ、というところになってカ、いやそれは言わないでおこう。
本書はこの辺りからラストに掛けて、
『うわぁ~やられた~~』
と思うか、
閉じた勢いのまま下に叩きつけるかのふたつにひとつだと思う。
に、しても、この手の展開する小説って、上手くいってるのってない気がするなぁ。。。