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ドンドゴビライフ5日目

 チンギスを不安にさせないように、今日は起きてすぐ自分から彼の所へ挨拶しに行った。
 しばらく一緒に馬を見て「暑いから日陰に行く」と行って1人離れた。
 最近にしては長い間離れていたけど、また近くに来た時の彼は笑顔で落ち着いていて安心した。

 しばらくは細かい報連相をした方が良さそうだなぁ。


 ここのファミリーは本当に裕福みたいだ。

トレーラーハウスの入口には簡易的な水道があり、ハンドソープも置かれている
郊外の家で冷蔵庫が置かれているのは初めて見た


 昨日見せてもらった子どものスマホのフォルダには、ビジネスクラスに座る男性や外国の動物園、大きな家、ディズニーランドへ出かけた写真など楽しそうな写真がたくさん入っていた。

 車は3列シートになるランドクルーザー。

 モンゴル国内を走る車は日本製の中古車が多い中、運転席はちゃんと左になっててカーナビも英語が表示されるようになっている。

 ドアもシートも内装は革製で、運転席と助手席どちらの後ろにもディスプレイがある。

 子ども達はしばしば果物を食べているし、パンに塗る物もヘーゼルナッツのペーストとかピーチジャムとバリエーションがある。

多くの果物は瓶詰めの状態で売られている


 着ている服もスポーツブランドの物が多いし、最年少の子が履いているシューズは夜になるとカラフルなライトが光っている。

 預けられている馬は全て最高の血統と調教を受けており、この広いモンゴルで1番速い馬〜3番目まで、素晴らしい馬ばかりが揃っているらしい。
 日本円にして1千万を超える値が付けられている馬も多く、チンギスは「田舎に住む億万長者だ」と言っていた。

功績を証明する賞状(?)
今年だけも、既に多数のメダルを獲得している




モンゴルの蒸し焼きそば

 朝食を食べて外に出ると、エルカーと昨日レース帰りから一緒に来ていた青年が羊の頭や足をバーナーで焼いていた。
 ナイフで焦げを取っている。

⬆️見る人によっては残酷な写真なので、あえてダウンロード形式で掲載しています。特に動物愛護の精神が強い方は閲覧注意です。

 チンギスに促され、私も焦げ取りをやってみた。


 暑いからゲルへ避難。

 馬用の薬が入った小瓶とそれが入っている箱を使って、日本でいう丸ばつゲームのようなものをした。


 ケシーもやって来て、チンギスと3人で家族の写真などを見せ合って交流した。
 チンギスは翔太くんの写真を見て「ジャッキーチェンと友達なの⁉︎」と興奮していた。

 ケシーと一緒なのは相変わらず嫌そうなチンギスだったけど、やっと3人でちゃんとコミュニケーションを取る時間ができた。
 せっかくのキッカケを逃すのは良くないと思って、性格的にも合うわけじゃないけど今日はケシーと話すよう心がけた。


 ケシーは絵が上手い。
 日記に加えて、手帳に思い出の景色も描き残しているようだ。


 お昼は韓国の?インスタントラーメンだった。
 食べ慣れたインスタント麺の味にホッとする。

 この家で出る食事は基本ニンジン・ジャガイモ・肉の組み合わせで、カレーとか肉じゃがのと同じ馴染みがある材料で食べやすい。
 けど常にその組合せ+麺か米なので、長期間いると少し飽きてしまう可能性も…


 ラーメンの後、大皿に盛られて午前炙られていた羊が出てきた。

 きっと本で見た、来客用の特別な料理だ。

 旦那さんはナイフで簡単に頭を解体していく。
 子ども達も好きな部位をナイフで切り取ったり骨を掴んで齧っている。

 どこかで見た光景だなーと考えていたら、きっとカニだ。
 モンゴルで羊を丸ごと食べるのは、日本でカニを食べるようなものなんだろうなぁ。


 日本だったら絶対に断るけど、現地の人と仲良くなるには同じ物を食べるのが良いと知っているから頑張って食べた。
 足は同じ足だからか少しだけ豚足と似た食感と味で、お尻?は割と一般的なお肉だった。

 ケシーは3種類くらいの部位を食べて「もう満腹だ」と断っていたが、私はとりあえず差し出された部位は全て食べた。


 モンゴルはどこの子どももレスリングが好き。
 今日は私まで巻き込まれてしまった。

 地面には馬糞や棘のある植物がたくさんあるから、絶対に転がりたくない。
 のに、何人も何回も向かってきて、体力が続かない。


 もはや負けるしかなくなって、せめて馬糞を避けて倒れた。
 負けてもずっと終わらなくて、服に植物が刺さって全身がチクチク痛い!

 今まで子ども達と遊ばなかったケシーも今日ついに巻き込まれてしまい、大変そうだった。


 いつまでもレスリングが続くので、勝手に家の影へ逃げた。
 休んでいたら何人か追いかけて来て、もうレスリングは無理だったから他の遊びを教える事にした。


 着いた初日は縄跳びをした。
 意外にみんなできなくて、高速で何回も跳んだらモンゴルで初めて尊敬の眼差しを受けた!


 今日はまず腕相撲。
 子ども達は日頃から馬の世話を手伝ったり馬に乗ったりしているから、日本の子どもよりずっと力が強かった。

 さすがに負ける事はなかったけど、3歳児でも相当な力があって驚いた!


 子ども達はレースに出ているだけあって力比べが好きな様子なので、次は草相撲。

 これは意外に1番ハマっていた。

 いろんな草が生えているから、強い草を見つけると子どもが喜ぶ。
 最終的には枝になってしまって、あまり原型がなくなってしまったけど楽しそうだった。


 夕方、子ども達はカウボーイの真似をして仔馬を捕まえる遊びをしていた。
 やってみたけど難しい。


 チンギスは子ども達に私から聞き取った日本語を刷り込んでいて「何?」という言葉が流行っている。


 夜は久しぶりにヨーグルトとミルクのバターを食べた。

 ヤギのミルクも初めて飲んだ。
味は牛乳とほぼ同じだったけど、少しだけラム肉に似た動物臭が香った。


 今日は水で髪を洗った。

 チンギスに日本製のソープを貸したらジャパンクオリティに感激していた。

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