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【モンゴル南部】ドンドゴビライフ7日目
今日の食事は、朝から骨付き肉が入ったミルク粥。
プーチェさんは器用にナイフを使って肉を削ぎ落としながら美味しそうに食べていたが、朝は小食な私には重い。
そして朝に油分を摂るとお腹を壊してしまうので、そうならない事を願いながら食べた。
幸いにも良質なモンゴルの羊肉はヘルシーだったのか、お腹は無事だった。
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昨夜から子ども達がいないため静かで、残ったトクソーという子が何度もチンギスを起こしたが昼まで起きて来ない。
奥さんも朝食を出したら出かけて行ってしまったのでケシーと外でのんびりしていたら、プーチェさんが来ていろいろ話しかけてくれた。
チンギスや英語を話す子がいない今はほぼ意思疎通ができないんだけど、エリートのケシーが少しモンゴル語を勉強して来ていたのもあって、簡単にお互いの言語を教え合う感じでコミュニケーションを取った。
とはいえ時間がありすぎて、会話を続けるのが難しい。
プーチェさんは本当に良い人なんだけど…!
やっとチンギスが起きて来たけど、今日は相性の悪い次女がいないにも関わらず、寝起きから最悪な顔をしている。
昼食を作らねば、という流れになったが、食材がないようだ。
「ここにあるのは米と麺とキャベツのみだ」と言い、何度も「前は僕の料理に文句つけたよね」と言ってくる。
たしかに「麺がデンプンになっちゃったね」ぐらいは言ったけどマザーと「大丈夫、美味しいやん」っておかわりしてフォローもした!
それに麺が原型をなくすほど茹でている間「ユイは料理ができないだろ?」とか「酷い料理を食べるより自分で作った方がマシだ」とか自分も散々言って来たくせに…
っていうやり取りをしていたらケシーも呆れて出て行ってしまった。
「大丈夫、今日はケシーもプーチェさんも私もいるんだからみんなで作ろう」と言うのにとにかく不貞腐れて「今日はユイがボスだ。1人で作ってよ」しか言わなくなった。
奥さんに「お腹空いたらいつでもラーメン作って良い」と言われてたのを思い出して「じゃあラーメンで良くない?私達は朝ごはん食べたばかりでお腹そんなに空いてないし」って言ったらそれは嫌みたい。
仕方なく冷蔵庫を漁ったら豆板醤みたいな物が出てきたので、朝余ったスープと合わせてミルクチゲ的なスープパスタを作ろうと思ったが、チンギスは前の家で美味しい韓国風ラーメンを残していた事を思い出した。
普段からこの家の食が合わなそうな彼が心配になって「有り合わせだとそんな物しか作れそうにないけど、食べられる?」と聞いたら人数の話など違う答えしか返ってこない。
挙げ句の果てに「ケシーじゃなくて、彼女の名前はケイシーだし」とか今更な事を言ってくる。
そんな事言ったら、私の名前はユニでもユリでもないんですけど!
さすがに話したくなくなった。
自分はお腹が空いているわけではないし、もう勝手にすれば良いと思って家を出た。
しばらく歩いていたら、オートバイの音が聞こえてウンザリした。
保身のために追いかけて来たんだろうなぁ。
しかし彼とは午後にでも話をせねばならない状態だと思っていたので「私よりしっかりしてても年齢的には少年だし、機嫌や振る舞いが良くても悪くても気にしない。けど今みたいにトラブルが起こると困るんだ」と伝えた。
先日答えを見つけたと思ってたけど、もしかして前回の料理事件を根に持っていて、逆に私が嫌いになったのかな?
そう尋ねたら「ちゃんと友達だと思っている、ユイが僕を必要とするかしないかだ」と言う。
「私は言葉もモンゴルの事もわからないから初めから君が必要だけど、ガイドより友達でいてほしいと思っている。君の気分が悪くなるのは私や君自身、誰のせいでもないしそれで良いんだけど、友情のために今後も一緒にいた方が良いのか悪いのか悩んでいる」と伝えたら黙り込んでしまった。
しばらくして「僕はこれからも一緒に行きたいとしか言えない。けど、これはユイの旅だから決めるのはユイだ」と返事が返ってきた。
せっかく仲良くなれたし、ただ楽しく旅をしたいだけなんだけど、前の家を出てからなんか上手く行かない。
話は平行線で、とにかく今は昼食を作りに戻らねばならない。
「お互いどうすべきか答えを持っていないから、ウランバートルに戻ったら話そう」と今日もその結論になった。
外国人だからか子どもだからかいつも歳下の面倒をみているからか、チンギスはムードを変えるのが得意。
小石を使ったモンゴルの遊びを教えてくれた。
話し合いの最中にトクソーが馬で様子を見に来て、遊んでいたら次はケシーが馬でやって来た。
心配していたのに遊んでいたから、ちょっと呆れながらも安心した笑顔を浮かべていた。
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帰りはオートバイでチンギスが競争したがって、ケシーの本気を見た。
オフロードを怖いくらいのスピードで走っているのに、ケシーはバイクから距離を取って並走か追い越す勢いの馬に乗って駆けてくる。
さすがのチンギスも感心してケシーを褒めちぎっていた。
遅すぎる昼食には、結局ラーメンだけを作った。
前回は洗い物をしなかったチンギスだが、プーチェさんは外仕事の担当、ケシーは割とゲストとしての姿勢でいるので、今回はムスッとした顔ながらも私と洗い物をした。
でも、本当はやりたくないのに私からの評価?を気にしてやってほしくない。
私が彼の機嫌を気にかけないのと同様に、彼にも今まで通り、私にどう思われるかは気にしてほしくない。
でも旅の同行を決めるのが私だから、無理に明るく良い子に振る舞っているように見える時もある。
なんで一緒に行きたいのかな?
バイト代のため?母親に入るマージンのため?私のお金で旅行がしたいから?私が頼りないから親切心で?純粋に友達として?
何でも構わないんだけど、理由がわからない事に一番モヤモヤする。
片付けをしていたら、アイスを持って奥さんと子ども達が帰ってきた。
午前、プーチェさんに何が食べたいか聞かれて「アイス」と答えていたから買って来てくれたのかな?
そんな想像と賑やかさが戻った事に心が和む。
1人の子が、どこからか「鳥を捕まえた」と見せに来て、手に乗せてくれた。
チンギスは鷹のヒナだと言うが、違う種類の小鳥だよね…?
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この場所は日が暮れると急に寒くなる。
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着いた初日にひいた風邪がなかなかスッキリせず、薬の残量が不安になる。
夜寝る時は割と適温な事が、せめてもの救いだなぁ。