9冊目_第一次十字軍から学ぶ!現代ビジネスにも通ずる強い組織の条件とは
1巻は、第一次十字軍に参加した人々の労苦と犠牲の物語。わずか3年で聖都解放に成功し、その後の18年の征服活動でシリア・パレスティナにおける十字軍国家を成立させた男たち。
1095 クレルモン公会議で十字軍遠征を宣言
1096 各諸侯軍が出立
1098 シリアの大都市アンティオキア陥落
1099 イェルサレム「解放」
驚いたのは、十字軍のほぼ常勝ぶり👀重装騎兵ってのは当時とんでもないアドバンテージがあったんですね。対するイスラムの主力は機動力を重視した軽装弓兵。まあ暑くて甲冑なんか着てられない気候だったんですよな。ご自慢の弓撃をカンカン弾きながら、大剣と大槍で突き進んでくる鋼鉄の軍団はめちゃくちゃ怖かっただろうな。兜被ってて顔も見えないから、まさに殺戮マシンの様相でイスラム兵の恐怖を助長したのでしょうね。中身はさぞ暑苦しかったろう。。風の谷を速攻で制圧したトルメキア帝国の重装銃剣兵を思い出しました。
もう一つ、強さの源泉は国や地域を超えて「神の加護の元に結集した軍」であったこと。洗脳のキマった士気と結束の高い軍は、死を恐れず立ち向かった(ローマ法王により参加者の殉死は天国行きが確約された)。対するトルコやシリアのイスラム勢力側は、群雄割拠の状態で、太守(ハミル)同士が争っていて横連携がなく、対処は散発的で一団となって対抗することは難しかった。さらに富める超大国であるファーティマ朝エジプトの衛生植民都市群は、超大国であるがゆえに、意思決定が遅く、動きが遅く、機動力に富んだ対応が取れなかった。
このあたり学ぶことが多いですね。目的意識が明確でメンバーの士気が高いベンチャー企業に、先行する中堅プレイヤ―や大企業が、既存のしがらみやルールに縛られて動けないがゆえにシェアを落としていく。といった構図は現代でもよくよく見られます。
・メルカリにフリマ市場のシェアをサクッと奪われた巨人ヤフージャパン
・Amazonにシェアを奪われ破産に追い込まれた米Toys "R" Us
・UBERに駆逐されつつあるNYのイエローキャブ
・airbnbの普及で廃業に追い込まれたフランスの800軒のホテル
・Netflix、Amazon、ソーシャルゲームに可処分時間を奪われ続けているのに見て見ぬフリを続けるテレビ局
既存のルールや慣習をDisruptするのは、今も昔も、テクノロジーの進化と、それを使う組織を牽引するビジョナリーなリーダ―シップなのですね。
第一回十字軍で生まれた西欧側の英雄達の物語は、なかなか読み応えのあるものでした。プライドが高く、喧嘩しながらも切磋琢磨していったゴドフロア、ボエモンド、サン・ジルの諸侯たち。面倒くさいパイセン達に利用されつつ、軍略の強さと行動力で、チンピラから成りあがっていったボードワン、タンクレディ。それぞれ違う方向に尖っており、全く聖人君主ではなく、ツッコミどころ満載で泥臭く、それゆえに人間味にあふれた男たちでした。
特にタンクレディは相当カッコよかった。いまでも南欧の人々はその名を耳にすると、信義に厚く、それでいて勇敢な、永遠の若者を純粋想起するようです。生涯戦闘に明け暮れた伊達政宗みたいな男だなと思って読んでました。イケてる。
2巻はついにイスラム側の英雄サラディンが登場するようです!楽しみです。
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