グリーンブックの名言二選
グリーンブックは、イタリア系アメリカ人がジャマイカ系アメリカ人のピアニストの運転手兼ボディガードを務める中で人種差別や二人の成長・友情を描いている超名作。人種差別はこの映画の重要なテーマだが、自分はそれ以上に二人の何気ないセリフが刺さりまくったので二つほど紹介したく!
※ネタバレありです。
伝えたいことはなんだ?それをそのまま書けばいい
トニーが妻への手紙を長々と書いているのを見ているドンが初めて口を出すシーンのセリフがとても良い。
トニーは気の向くまま自由に生きている男である。自分でどんな問題も解決できるという自信に溢れたいわゆる陽キャだ。しかしそんな彼の苦手なことが、素直に自分の気持ちを妻へ伝えることだ。トニー同様自分も苦手だ。そんな彼にドンは、「そのまま書けばいい、私の言うように書いてみろ」と書き方を指導する。終盤でトニーがドンに"thanks for helping me with the letters. You're really good at writing them."と感謝する辺りはニヤニヤが止まらない。
俺なら待たないね。世界は最初の一歩を踏み出すのを恐れる孤独な人ばかりだ
前述のニヤニヤシーンから続くトニーのセリフが最高に素晴らしい。
弟と疎遠になっているドンに、手紙書けば?と何気なく声をかけるトニー。「弟が望めばね」と話を切り上げようとするドンに放つ「俺なら待たないね」が最高にかっこいい。
ドンは妻への手紙のような繊細な表現に関してはトニーより優れている。しかし、気まずい関係を修復するための第一歩は踏み出せない。これは自分も思い当たる節がありすぎる。誰かがやらなければいけないことにサッと手を上げない、動かないで様子を見る。老人へ席を譲ったり荷物を持ったり、誰かが落とした物をすぐに拾わない。困っている人へ手を差し伸べる初動が遅い。声掛けが遅い。「自分以外の誰かが動くだろう、動かなくても怒られないし」という深層心理が、最初の一歩を踏み出させない。そんな自分の弱さをビシッと指摘された気がした。
ラストシーン、ドンがトニー家を訪れるシーンはまさに"最初の一歩"を踏み出していて最高にハッピーな気持ちになる。
おわりに
以上、二人のセリフのベスト2について紹介したけれど、他にもたくさん
"When you eat, eat like it's your last meal"とか
"You never win with violence"とか
挙げればキリがない!人種差別という重めのテーマがあるからこそ、何気ない二人のやり取りがとても光る超名作。以上。