ニシダ著『不器用で』が描く人の弱さ
娘を持つ父親目線で読むと滝くん最推し、という私情はさておき。
序盤は一途で空回りしがちな滝くんの初々しさに目がいきがちだったが、読み進めるにつれ主人公の大人ぶって強がっている描写が際立つ。大丈夫じゃないのに「大丈夫です」と言ってしまう弱さ。「大丈夫じゃないよ」と言える人間関係がどれほど貴重かを丁寧に描いている。
個人的お気に入りの焼け石以外にも4作品掲載されており、全体を通して「人の弱さ」を具体的に描いているのかな、と勝手に共通点を考察してみた。例えば冒頭の『遺影』ではいじ