きけなかった、じぃちゃんに。
じぃのお墓の前で手を合わせると、
なぜか唐突もなく雫が頬をつたい土に還る。
どうしようもない後悔と
居た堪れないもどかしさと共に。
隣を見ると、
ばぁがそこにじぃがいるかのように
墓石に話しかけている。
毎度、一言一句同じことを言いながら
枯れた生花を新しいものに変えている。
じぃは7年前に死んだ。
肺炎で入院したって聞いてから
まもなく肺がんになって死んだ。
一度もお見舞いにもいかず、
というか行くことができずに、
じぃは天国にいった。
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