カラーフィルターってこういうこと(じゃない)
特に黒白フィルムで撮影する際や、デジタルのくせにモノクロしか撮れない不器用なカメラ(棘のある言い方)では“カラーフィルター”を取り付けて撮影する方もいるとか。これはNDフィルターなどと同様にレンズに装着するもので、その名の通りフィルターに赤色や黄色などの色付きガラスが使われているものだ。人間のサングラスでも、黒だけではなく様々な色合いのレンズが存在している。イメージ的には、それに近いのかもしれない。私ことアラサー会社員も気になってはいるのだが購入は躊躇している。だって、高価なのだもの。
レッドセロファン
実際に試していなのでどういうものなのかは説明できない。ライカにあるカラーフィルターの説明を拝借すると《(抜粋)光のニュアンスやコントラストに効果を加えて、クリエイティブで多様な表現を実現します。色がグレースケールに変換され、もともと被写体にあったフィルターと同じ色はより明るく、その補色はより暗く写るので、風景写真やポートレート写真では、独特な雰囲気を演出することができます。》とのこと。とても気になる。いや、しかし純正品を購入する気力と財はない。そこで「作れば良いんだ!」という考えに至った。
カラーフィルター風 ~輪ゴムでとめて~
レッドフィルターの完成だ。カラーフィルターとはこういうことである(え、こういうことじゃない?)。ちなみに、原材料は100円均一にあった。しかも、色は“透明”を含めて5色もある。今回取り付けたのは“エルマリート-M f2.8/28mm ASPH.”で、選んだ理由はレンズフードに輪ゴムでとめやすそうだったから。無精の極みによりハサミで無駄をカットすることもなく、そのまま1枚を被せてとめている。私は厳密さではなく雰囲気が見たいだけなので、この程度で十分だと判断した。今更ながら、推奨は一切しないことを記しておく。
with ライカM11モノクローム
レッドセロファン(フィルター)を使ってみると、あり・なしで効果の差は感じることができた。特にカラーコーンや鳥居といった同系色は少し明るめに写っていると思う。あり・なしでは露出の段数も異なり、明確に記録していないが装着時のほうが1~3段(状況による)ほど標準露出を基準に暗い感じだろうか。この辺りは市販されているカラーフィルターでも同様かと思われる。レッドフィルターは“コントラストが高くなる”そうで、言われてみればそんな気がしなくもない。毎ショットであり・なしを撮り比べていないため所感はその程度だ。
悪し悪し
ただ、お試しとしてはこれ以上ないぐらいに満足な結果となった。市販と比べればデメリットなど尽きないだろうが、最も感じたことは使っていくうちにセロファンに“シワが出る”という問題。それ故にピンも甘くなる。だが、これも考えようによっては面白いかもしれない。例えばスチールリムと呼ばれているズミルックス-M f1.4/35mmは、開放時の滲みとゴーストが特徴とされている。当然それに比べれば雑なものだが、そうした雰囲気に見えなくもないと思う(意見には個人差があります)。透明のセロファンならより良いかもしれない。
誰を対象にするかはまったく分からないが「オーストリアで1920年頃に創業していたメーカーのレンズでして」と写真だけを見せれば、数名は「へぇー」と返してくれそうな気さえする。もう1つの大きなデメリットは端的に“破れる”ということだ。1ヶ月ほど使ったが、先日までの京都旅行中に突然の別れがやって来た。その他には「それなんですか?」と街で話しかけられることもあり、全体としては本物(マジ)を購入すべきだろう。重ねて綴るが(いや、綴るまでもないが)、推奨はできない。とりあえず、私は他の色も試してみるつもりだ。
これまで
付録
こんなことをしなくても、例えばLightroomにはカラーフィルターを付けた状態を模したプロファイルが存在している。これをポチッと押すことで、どういう効果が得られるかはざっくりと分かると思う。そこから市販のフィルターを買う方が確実ではないだろうか。私に至ってはセロファンで満足してしまった部分もあるし、特に絶対的な必要性を感じられていないのでスルーとなるだろう。逆にわざとセロファンをクシャクシャにして装着してみるのも面白そうで、そちらの方向に興味がある。とはいえ、何になるというわけでもないけれど。