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「デザイン組織、お悩みあるある」をどう解決する?自分はこうしてみました。

みなさま、おひさしぶりです。夏ですね。自転車通勤がしんどくなってきました。あしたのチーム デザイン事業部 部長 鈴木雄大です。
あしたのチーム デザイン事業部も立ち上げから1年3ヶ月。メンバー4名。2Q目に入り、目まぐるしく仕事をしております。

最近、規模が同じくらいの会社でデザイン組織のマネージャーを担当している方とお話する機会がありました。色々お話させていただき、お互い組織を持つ身として同じような悩みを抱えていました。

ということは、どのインハウス組織も同じような悩みを抱えてるのでは?と思い、会話に出てきた代表的なお悩みパターンとともに、自分だったらこうしてみたことを今回は書こうと思います。

<お悩みパターンA>
コミュニケーションが「なんでもいいから早くあげて」的な例のやつ

デザイナーの方なら誰でも知っていることだと思いますが、デザインのプロセスは、こんな流れが一般的かなと自分は思っています。

ただ、悲しいことに日本の企業は、デザインがこんな一連の流れで行われているなんて夢にも思っておらず、いまだにデザイナーは「意匠制作」だけをやるものだという認識は変わっていません。かつ、言い方は厳しいですが、自分は、「意匠制作」だけやるタイプはデザイナーだと思っていませんし、それだけの仕事はデザインの仕事ではないと思っています。ただ、このことを仕事のステークホルダーに強要してしまうと「何だ。面倒だな。デザイナー。」と、なってしまいます。

さらに我々の場合は、組織も立ち上げたばかりで、デザイナー全員が会社の文化、関係者・ステークホルダーの人となりなど、それらを踏まえて慣れていき、仕事のサイクル(リズム)を作ることも当然時間がかかります。

なので、前回の記事にも書きましたが、あえて社内受託的な「集権的」な組織にしました。

ただ、こういった社内受託的な仕事の受け方は同時に「頼られづらい」という、作って成果を出すことがゴールの1つであるデザイナーにとって、痛みも伴います。ただ、そこは覚悟をし実行しました。

そして、工数とスケジュールというのはどの職種にも共通した価値観なので、BacklogやExcelなどで自分たちの仕事できるだけ分解し、デザインにかかる事柄を可視化し公開。

本社以外に全国に点在している、数十ある各拠点からの依頼を全てフォームで、依頼から納品までの期間を2週間ということで受ける形にし、本当に必要な仕事かどうか?を依頼側に伝えつつコントロール。基本的に、本社の施策から成果を出すことに集中しました。

そして、1年。仕事のリズムができはじめ、2019年度からはオープンなコミュニケーションに切り替え、そのことを社内に周知。

建設的なスケジュールとコミュニケーションで仕事ができる状態になってきたので、次は「デザインプロセス・UX・ブランディング」などへの周囲の理解を深めていこう。というフェーズにデザイン事業部は入っていくことができました。
※スライドの制作・全社周知をコミュニケーションデザイナー木村が担当。

<お悩みパターンB>
デザイナー市場のドーナッツ化

まず、デザイナーの個性にはある程度下記のようなパターンがあると自分は考えています。

・タイプA/プロセス重視タイプ
・タイプB/制作集中タイプ
・タイプC/成果重視タイプ

では、これらのタイプがなんなのか?

タイプA/プロセス重視タイプ

このタイプは、とにかくデザインプロセスにある事柄をしっかり実行し、プロジェクトチームの中でのコミュニケーションも大切にしつつ、要件がしっかりしたデザインができるデザイナーと言えます。

<ネガティブポイント>
プロセスがしっかりしていないと、仕事を進められなく、スケジュールを守れなかったり、「できない」などのワガママを言う場合も。


タイプB/制作集中型

単純に作るのが好きなデザイナーです。なので、技術の知識が豊富で実装力が強いデザイナーと言えます。

<ネガティブポイント>
要件定義が苦手。なので、マネジメントが必要な場合が多いタイプ。さらに、制作に集中するあまり、全体の設計、プロセス、目標などを見失いがちで目的と違うものを作ってしまう場合も。


タイプC/成果重視タイプ

このタイプは、ビジネスにおけるKPI達成の意識が高く、目的の達成のために多くの仕事量をこなすことや理不尽にも耐えられる耐性があったり、スケジュール管理などプロジェクトマネジメント能力が高いタイプと言えます。

<ネガティブポイント>
目的の達成のために手段を選ばないフシがあるので、プロジェクトメンバーに対して理不尽なスケジュールを強要したりなど、輪を乱す場合もあったり、色々な仕事を広く浅く経験しているので、技術的要件の難しい仕事に対応できない場合も。

デザイナーの成長過程において、どれも通る道だったりしますが、このいずれかの偏りがデザイナーにはあると考えています。

これに加え、スキル軸が存在し、広告スキル軸・プロダクトデザイン軸など、個性とスキルを掛け合わせ、そのバランスを考慮して組織を作らなければなりません。
そして、一番難しいのがこれらを考慮し、課題に合わせ穴のない採用を行うこと。技術力の問題もありますが、何よりも個性のタイプでスキルに幅出ると自分は考えています。

<例えば>
「タイプC/成果重視タイプ」は、目的達成のために様々な経験がある。しかし、技術力のバランスが悪く、制作を1人で自走することが辛い。「タイプB/制作集中タイプ」の場合は、逆に技術力は高いものの、プロジェクトを俯瞰する能力が低い。

これは1つの例ですが、能力が高いデザイナーは個性のバランス感覚に優れていて、ある一定のレベルで両方のことができる場合があります。もちろんこのような人材はそもそも少ないですが、さらに輪をかけて、日本のデザイナーは自分の定義したタイプだけに偏り過ぎている人材が多く、バランサーたる中間レンジの人材がごっそり抜けている印象があります。テーマにある「デザイナー市場のドーナッツ化」です。とは言え、居ないからできないではなく、

自分は前回の記事に書いたスキルマップで、部下のやりたいこと、役割を定義。個性を伸ばす方に行くのか?複合的な個性を身に付けたいのかを、1on1で、部下と協議。その結果を、定性目標(コンピテンシー)で評価の一部に組み込み、成長を促す方向で穴を塞ぐという手段を取っています。

<お悩みパターンC>
定量的に成果を可視化するのが難しい(特に紙媒体)。

営業活動において、未だに紙媒体は重要で弊社では、非デザイナーが相当苦労してチラシや提案書などをpptで制作をしていました。さらに、新聞広告も積極的に打っていて、月1本ほどのペースで掲出をしていました。そんな中デザイナーが入社すれば、メインの仕事になって行くのは必然でした。

しかし、そこから問い合わせに繋がったかどうか?など、効果を測る文化がなかったのと、そもそも測り方が難しいという課題がありました。さらに、Web広告に関しては、人事評価という市場が限定的でニッチという特性上、CPAが高い状況が続き、市場を広げる上でのハードルになっていました。

そんな中、清水さんが書いた記事で紹介された、マーケッターの毛塚さんが入社したタイミングで、CPA改善の施策がはじまり、並行して偶然大きな新聞媒体の仕事が発生しました。

もちろん、より大きい効果を出すためには、クロスメディアでかつコミュニケーションを統一したプロモーションが必要だということは、自分の経験上わかっていたので、このタイミングで内製でのプロモーション施策を検討し、メイン商材の「ゼッタイ!評価」のLPのリニューアルと新聞広告の打ち出しを連動させることとしました。

その際、新聞媒体からの流入や指名検索での流入数を観測することと、LPの設計でCPAの改善を企画の中に盛り込みリリース。結果、経過観察と分析の重要性、CPAの改善に寄与することができました。

いかがだったでしょう?たまたま読んでいただいた方に合った解決策かどうかはわかりませんが、誰かの解決策に繋がるといいなと思います。自分もまだ悩みは沢山ありますが、少しづつでも解決していければと思います。

そして、この先デザイナーは他職種の中に溶けていくという話を数年前からよく聞きます。なので、あしたのチームのデザイナー組織はそんな、色々なことに溶け込めるデザイナーを生み出す組織にしたいというのが、今の自分の夢です(デザイナーたちが望んでいるかはわかりませんがw)。

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そんなわけで、興味の湧いた方はぜひ、我々あしたのチームデザイン事業部と交流しましょう。広いセミナールームもあるので、一緒にイベントやセミナーもできます。では、また次回。

鈴木雄大 Facebook → https://www.facebook.com/life.man.ship.ys
鈴木雄大 Twitter → https://twitter.com/ys_ashita

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